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14.女勇者は、伝説の剣(非減価償却資産)を手に入れた!
しおりを挟む女勇者「どうもお久しぶりです。女勇者が帰ってきましたよ!」
男商人「ゆっくりになりますが、今後ともおつきあい頂ければ幸いです」
――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ミナァート王国・中央通りにある商人の店――
女勇者「――というわけで、これを見て下さい♪」
男商人「またいきなりだな……」
相談係「あら、ひょっとしてそれは――?」
女勇者「ふっふっふ、なんと大冒険の末に~あの”伝説の剣”を手に入れちゃいました!」
男商人「おっ、それは本当にすごいじゃないか!」
相談係「伝説の剣と言えば、精霊が”奇跡で鍛えた”と云われる聖剣です。その価値は測り知れません」
女勇者「にひひぃ~もっと褒めてもくれていいですよ♪ なんせ魔竜の鱗すら一刀両断するほどの切れ味で、しかも自動修復機能があるから刃こぼれ一つしないんですよ!」
男商人「……え?」
相談係「……あら?」
女勇者「はい? あの、だから自動修復機能があって鍛冶要らずで――」
相談係「……そうでございますか」(視線をそらす)
男商人「……あちゃー」(頭を抱える)
女勇者「ちょ、何ですか急にその反応はっ!?」
相談係「自動修復機能があるという事は……資産価値が減少しないという事ですよね?」
男商人「つまり”減価償却できない”って事だなぁ……」
相談係「伝説の剣、減価償却できないとは情けない」
男商人「もう使わない方がいいんじゃないか?」
女勇者「あぁ~この感じ久々だな~って、何でですかぁ!?」
◆
相談係「減価償却できた方が、節税になるのです」
男商人「例えば、女勇者が”4000万円の家”を買ったとしよう。所有する家屋には毎年『固定資産税』が掛けられるんだ」
相談係「仮に固定資産税率を1.4%として、毎年56万円を納税する感じですね」
男商人「家を買った直後はまだ納得できるが、例えば数十年後に”この家の価値は4000万円だから今年も56万円を納税するように”って言われたらどう思う?」
女勇者「えっ、家なんて数十年も住んだらボロボロじゃないですか! それじゃ税金が高すぎですよぉ!」
相談係「そこで”資産価値の経年劣化”を加味して、固定資産の評価額を減ずる――それが”減価償却”です」
男商人「これを活用すれば、適正な”固定資産税額”になって節税にもなるだろ?」
女勇者「なるほど。そういう事ですかっ!」
男商人「ただ、”減価償却資産”にするには条件があってなぁ……」
相談係「建物ではなく”土地”そのものや……今回のように経年劣化しない”伝説の剣”は、減価償却の対象外となります」
女勇者「そうきたかー!?」
相談係「ちなみに、いま女勇者様が装備しているその”女神の盾”――そちらも”芸術性が高く、経年による資産価値減少が見られないもの”として、減価償却の対象外となります」
男商人「あと、女勇者が装備している”妖精の鎧”も、”考古学的に希少価値があり代替性がないもの”として減価償却の対象外になっちゃうなぁ?」
女勇者「そ、そんなぁ~!?」
相談係「つまり女勇者様は、全身が”非減価償却資産”の装備という事になります」
男商人「これは壊したら損失処理、大変だぞぉ……」
相談係「もう魔王と戦う際には、脱がれた方がよろしいのでは?」
女勇者「もうこんな”異世界”い~や~だぁ~!!」(>△<。)
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