リリオ

蓮見ぴよ子

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【序章】始まりの小さな花 / 全10話

04 思い出すのはあの子の笑顔

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「んっ……ぁ、ゆ、めっ……?」

 瞼が開いて見慣れた天井が視界に入る。
 夢の内容は意識がはっきりとした今も覚えてた。
 ふっと笑みがこぼれて、だけど悲しくなって、
 自然に開いた瞼を今度は意識的に閉じる。

 その時、浮かんだのはあの子の――友梨ちゃんの笑った顔で。
 俺の大好きな表情だったから。
 だから、胸が締めつけられて、次の瞬間には起き上がってた。

 妙に空が恋しくなった。
 そういえば音がする。
 雨の降る音が。

 今日は雨なんだなと思いながら、
 窓の向こうに広がる空を見上げた。

 雨は嫌いじゃない。

 雨は優しいんだってあの子が言ってたから。
 だから俺は雨が嫌いじゃないんだ。
 そんなことを思い出してまた笑った。
 ほんの少しだけ泣きそうになって、歪んだものになってたかもしれないけど。

 そして。

 今度は俺自身の意思で過去の記憶を呼び覚ました。
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