漆黒の法皇 〜黒き聖職者は世界を救う〜

pope

文字の大きさ
8 / 17
第一章 伝説の冒険者、登場

第八話 特殊討伐個体“魔眼の巨人”

しおりを挟む
第一章 伝説の冒険者、登場

8 特殊討伐個体

眷属達とゆっくり休み、体力と魔力を完全に回復し、カインは次のクエストである『EXランクダンジョン《魔境》に発生した特殊討伐個体の討伐。』を達成する為、《魔境》の入り口に着いていた。普通であればこのまま突入するのだが、今回はそういう訳にはいかなかった。何せ今回の討伐対象は通常の魔物ではないからだ。

「………………………スゥー…ハー。」

特殊討伐個体、通常の魔物が突然変異を起こし、別格の強さを手に入れた個体の事を指す。その魔物は生物ではなく、災害や天災として扱われる為、討伐する際は高ランク冒険者数名、またはEXランク冒険者が討伐する必要がある。そしてEXランクダンジョン《魔境》の特徴は、超大規模の樹海である事と、魔物の強さが全ダンジョン中最強を誇るという事。つまりそこで特別討伐個体、しかも三体も出たという事は、今まで以上の死闘になる。だから、いくらEXランク冒険者といえど、生半可な覚悟で勝てるほど甘くない。よってカインはダンジョンに入る際、あることを行なった。

「…《厄災に立ち向かう勇者》《勝利の女神の福音》《全てを祝福する聖竜の恩恵》《吹き出る大地の生命》《太古の英雄達の加護》……………。」

カインは神聖魔法の補助系の内3割を全て自身にかけていった。そしてかけ終わった後、覚悟を決めて、魔境に入っていった。

ー魔境ー

魔境に入ってから数十分、魔物達を瞬殺していきながら奥に進んでいった。今のところ特に異常は無いが、油断せずに進んでいった。すると、カインの目の前に今まで戦ってきた魔物の中で別格の気配を持つ魔物が目の前に現れた。

『………ガァァァァ…。』

その魔物の正体は一つ目の巨人、サイクロプス。一見ただのサイクロプスの様だが、目の色が他のサイクロプスと明らかに違う。するとカインを中心とした半径10メートルが腐っていった。幸いカインは補助系の神聖魔法のお陰で免れた。カインは魔法を展開し戦闘を始めた。

「《魔を裁く白き炎雷》」

カインの周囲に白色の炎と雷が現れ、サイクロプスに襲いかかった。幾らかダメージが入ったが、特に効果抜群というわけではなさげだった。カインの攻撃を耐えたサイクロプスは、手に持った巨大な棍棒でカインを殴り付けてきた。しかし、カインが咄嗟に防御の魔法を発動しなんとか防いだ。その隙を狙い、カインは冒険者なら誰でも持っている基本スキル、鑑定を発動し、サイクロプスの弱点を探した。

個体名 無し

Lv800

種族 サイクロプス ※突然変異種

攻撃力 678911200

防御力 549700000

素早さ 12500000

体力  4512000

魔力  3986450

賢さ  8000

幸運  245

スキル 打術Lv8  武術Lv9  腐食の魔眼 全属性軽減

称号 特別討伐個体“魔眼の巨人”

鑑定の結果により、神聖魔法があまり効かなかったのと、あの周りが腐っていった正体が分かった事で、対抗手段を見つけた。カインは魔法陣を解除すると、拳に全体重をかけて、サイクロプスを思いっきり殴った。するとサイクロプスは吹っ飛んでいき、かなりダメージが入った様子。そして立ち上がった所を飛び膝蹴りを食らわし、さらにダメージを与えていった。

『グゥゥゥゥゥガァァァァァァァ!!!!』

サイクロプスはかなり怒っている様子であり、カインに向けて魔眼を放ったが、神聖魔法のお陰で完全に無効化し、みぞおちに向かって全力で殴った。

『グガァァ!』

するとこれがかなり効いた様で、サイクロプスは膝をつきしばらく動けなくなっていた。カインはこの絶好の機会を逃さずに、とどめを指す様に購入しておいた剣をサイクロプスの脳天に突き刺し、サイクロプスの討伐を完了した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~

テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。 しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。 ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。 「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」 彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ―― 目が覚めると未知の洞窟にいた。 貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。 その中から現れたモノは…… 「えっ? 女の子???」 これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。

ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした

夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。 しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。 彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。 一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!

身寄りのない少女を引き取ったら有能すぎて困る(困らない)

長根 志遥
ファンタジー
命令を受けて自らを暗殺に来た、身寄りのない不思議な少女エミリスを引き取ることにした伯爵家四男のアティアス。 彼女は彼と旅に出るため魔法の練習を始めると、才能を一気に開花させる。 他人と違う容姿と、底なしの胃袋、そして絶大な魔力。メイドだった彼女は家事も万能。 超有能物件に見えて、実は時々へっぽこな彼女は、様々な事件に巻き込まれつつも彼の役に立とうと奮闘する。 そして、伯爵家領地を巡る争いの果てに、彼女は自分が何者なのかを知る――。 ◆ 「……って、そんなに堅苦しく書いても誰も読んでくれませんよ? アティアス様ー」 「あらすじってそういうもんだろ?」 「ダメです! ここはもっとシンプルに書かないと本編を読んでくれません!」 「じゃあ、エミーならどんな感じで書くんだ?」 「……そうですねぇ。これはアティアス様が私とイチャイチャしながら、事件を強引に力で解決していくってお話ですよ、みなさん」 「ストレートすぎだろ、それ……」 「分かりやすくていいじゃないですかー。不幸な生い立ちの私が幸せになるところを、是非是非読んでみてくださいね(はーと)」 ◆HOTランキング最高2位、お気に入り1400↑ ありがとうございます!

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...