人形とボク

はのん

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朝、真っ暗な部屋の中僕は目覚めた。
僕は太陽や明るいものが好きじゃないから、いつも部屋はくらい。
 
あまりハッキリしない意識のまま、キングサイズのベッドから抜け出し、壁に掛けてある時計を見つめた。なぜだか廊下が騒がしい。

-11月1日   ああそっか、今日は。

「僕の誕生日か。」 

13回目の誕生日。それといって驚きもしない。 
毎回同じことを繰り返すだけだ。くだらないプレゼントなんていらないし、唯一の楽しみといえば大きなケーキが貰えることくらい。
普通は楽しいことも下らなく思える僕は、子供らしくない僕は

本当にクズだと思う。

だけど、いつでも僕みたいなクズの隣にいてくれて、許してくれるものたちがいる。
僕のそばに、いっぱいいる。
毎日僕はその1人1人と会話している。ああ、おはようを言わなきゃ。

まずはベッドで一緒に寝ていた子達から。
「おはようアイビー、サリア、メイビス」 

アイビーは真っ赤なドレスを着ているお姉さん、サリアは青のドレスを着ている次女、メイビスは黄色のドレスを着ている甘えんぼな末っ子。この3人は姉妹で、とても仲がいいんだ。歳もきっと僕と同じくらいで、でも背は僕よりちょっと高い。

次は椅子に座っているピンクのドレスの子
「おはようルル」
この子はわがままだけど、とっても可愛いんだ。

最後に僕の部屋の1番奥にある大きなイスに座っている、僕と瓜二つな子
「おはよう、セイラ」
この子は僕の人型ファミリーの中で唯一の男の子。セイラと僕は一番の仲良しだ。

本当はうさぎのモモ、クマのマリーと沢山いるんだけど、沢山居すぎて挨拶しきれないから、みんなに向けて挨拶するんだ。

「おはよう。僕のファミリーたち。」

僕の特別なドールは、とても可愛い。僕のことを理解してくれる、大切な子達だ。


みんなに挨拶をし終えると、僕はクローゼットからカッターシャツに黒のベストと黒の七分丈のズボンを取り出して黒のハイソックスを履いて、いつも一緒にいる仔猫のドール、マリアを抱いて部屋の扉を開けた。

「おはようございます、セイラ様。マリア様。そしてセイラ様、お誕生日おめでとうございます。もう既に朝食の用意が出来ております。」

部屋を出るとすぐに、小さい時から居る、メイドのサラがそう言った。

「わかった。ねえサラ、ケーキはあるの?」

僕がそう聞くとサラは笑顔でえぇ、ございます。と微笑んだので、僕は足早にダイニングルームに向かった。

ダイニングルームにつくと、黒の大きくて長い机の上に大きなショートケーキが置いてあるのを見つけた。

「お坊っちゃま、おはようございます。お誕生日おめでとうございます。」

ケーキに見とれていると、爺やに声をかけられた。

「爺や、あのケーキ、もう食べてもいいのか?」
「ちゃんと朝食をとった後でならいいですよ、なんたって今日はお坊っちゃまの誕生日なんですから。」

僕が誕生日が嫌いなのを知っていて、新しいメイド達だって皆僕におめでとうございますを言わないのに、
爺やとサラだけは僕におめでとうを言う。僕にはおめでとうを言わないようにとほかのメイドに言っているのに。この2人は両親が生きていた頃から居るし、何を言ったって無駄だから、もう気にしなくなった。

僕はケーキがすぐ食べれないことに不満だったが、出来るだけ早く食べたいのですぐに大きな黒いイスに座った。
誰も座らないくせに沢山ある大きな黒い椅子。そこにぽつんと僕とマリアが座る。
目の前に出された朝食を食べ、大きなケーキをワンホールぺろりとたいらげると、僕はいつものようにダイニングルームを出ようとした。

「お待ちくださいお坊っちゃま」

爺やが僕の肩に触れた。

「なに?」

いつもと違う時間に少し戸惑う。僕はマリアを抱きしめた。

「お誕生日プレゼントにございます。」

爺やが笑顔出そういった。机の片付けをしていたサラも、笑顔でこちらにやってくる。
僕はそんなのいらないって知ってるくせに。

「さあ、ミツキお入りなさい」

爺やがそう言うと、ダイニングルームから廊下へのドアが開いた。

「初めましてセイラ様。今回よりセイラ様のお世話役として配属されました、ミツキと申します。何卒よろしくおねがいします。」

「は……」

相変わらず2人はニコニコしている。あまりの驚きに僕は声も出なかった。
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