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千賀くんと刈田くん~俺様ワンコ×クールツンデレ~
おまえはヒーロー。俺はそんなおまえが気にくわない
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突然だが、俺はヒーローというものに興味がない。
目立って褒めそやされて調子に乗って、散々ちやほやされても、一つ失敗すればどん底まで転落だ。
ヒーローをヒーロー足らしめる周囲のお膳立ても鼻持ちならないが、それに騙されて木に登る方もどうかと思う。
大体人間というのは脇役であるべきだ。
最大多数の最大幸福が尊ばれる日本に産まれたのだから尚更だ。
それを好き好んで孤立することはないだろう。ヒーローというのは得てしてマイノリティに他ならない。
言い換えてしまえば、ヒーローという存在、その立場そのものが差別。イジメみたいなものなのだ。
いじめられて喜ぶ奴はMかドMか超ドMかという話で、少なくとも俺はその中には当て嵌まらない。
俺はどこまでもノーマルを好む。
だから何かと問われれば、俺はあいつが気に入らないのだった。
ポジティブで正義感が強くて社交的で、いつでも話題の中心にいて皆から頼られて。
生まれつきヒーローですって顔をしたあの男が、どうにもこうにも気に入らない。
しかもその野郎がやたら俺に擦り寄ってくるのが余計に気に入らない。
俺はただ、普通でいたいというのに。
「ちぃやん、ちぃやん、これ、この稟議書ってどう書くん?」
「ちぃやんじゃねぇ。千賀マネージャーと呼べ」
「いいじゃん、同期なんだから」
「ここは会社だ。会社には規律ってもんがある。俺はルールを破るやつが嫌いだ。だからおまえも嫌いだ」
びしっと言い放つと、捨てられた子犬のように眉尻を下げて、刈田は俺を見た。
今年35にもなるというのに、外見年齢も精神年齢も二十代から抜け切れないこの男は、やはり子供のように口を尖らせる。
「ちぃやん冷たいよ。もう俺の同期ったらおまえしか残ってないんだから、ちょっとは仲良くしようよ」
「だからせめてもの義理で、こんな時間まで残ってやってるんだろうが」
「だったら飯1回とか言わないで、義理だけで助けてくれりゃいいのに……」
「地獄の沙汰も何とやら。ぐじぐじ言うな、女々しい」
どうせ俺は女々しいですよ、と下手な泣き真似をしながら、刈田は俺に再度稟議書を押し付けてくる。
やれやれとそれを受け取って、俺は目を通した。
「で、どこが解らないって?」
「これこれ。コスト管理センターってなんだ。経費申請番号の入力はこっちだろ?他になんか番号ってあったっけ?」
「おまえの部門番号だよ。営業三課は確か03-TKE003」
「あー……あれか。あんなの使う機会あったのか。知らんかった~」
「知っとけ。解らなけりゃあとは事務局にでも聞け。そんで重い」
いっしょに書類を確認したかったのだろう、後ろからずっしり圧し掛かるように多い被さってくる巨体に、俺は不機嫌に顔を顰めた。
なんかちぃやん怒ってる?と不安げに聞かれて、首を振る。
こんなことで怒っていては、そもそもこいつと仕事なんぞ出来ない。俺の心は太平洋のように広いのだ。
それに今日は喜ぶべき日のはずだった。俺がこのサービス残業をすることになったのも、こいつの異動の手伝いである。明日からこいつの暑苦しい顔を間近に見なくて済むのだから、今夜は帰ったら祝杯をあげるのだ。
「……千賀、やっぱり怒ってる?」
恐る恐るといった様子で問われて顔を上げると、怯えたような刈田の顔が見えた。
俺は心から呆れて、どうして、と聞いてやる。どうしてそう思うんだ、と。
「やっぱり、俺が先に昇格したの、嫌だったんだろ」
「俺が一度でもそんなことを言ったか?」
「だって、辞令が出てから千賀、ずっと不機嫌じゃねぇか。入社して5年、俺達ずっと横並びだったし、俺だけが先に昇格したのが気にくわな……」
「違うって言ってんだろ。本気でそう思ってんならぶん殴るぞ」
違う。
そんなことで嫉妬して不機嫌になるほど、俺は仕事に対して情熱は持っていない。そもそも俺は今の給与で満足しているし、これ以上昇格して分不相応な責任を背負うつもりもない。
だから、こいつが昇格したと聞いた時、やっぱりな、と思った。
与えられた目標をクリアすることにしか興味のない俺と違って、刈田は情熱的で向上心が高く社内外で覚えが目出度い。俺はここまで。だけど刈田は上に行くべき人間だ。
それが不機嫌に見えたというのなら、原因は多分、こいつのこの態度だ。俺を哀れんでいるかのようなこの態度。それに苛立ちを感じているのは――悔しいが――認めざるを得ない。
「……刈田」
「な、なに」
本当に殴られるとでも思ったのだろうか、思わず身を引いた刈田に、俺は少し笑った。こういう素直なところは憎めない男だ。
だから、本当は憂さ晴らしに罵ってやろうと思ったその唇を一度噛んで、ゆっくりと口角を上げ、微笑んでやる。大丈夫だと、行ってこいと、背中を押してやる。
「昇格決まったら結婚するって言ってたろ。嫁さん、幸せにしてやれよ」
披露宴には呼べよ、ご馳走楽しみにしてる。
そう付け加えると、刈田は泣きそうな顔をした。何でそんな顔をするのか俺には解らなかったが、もしかしたら嬉しかったのかもしれない。
「……ありがとう、千賀。ありがとう」
変な奴だな。
そう言って、俯く彼の頭に手を伸ばした。
赤子にするように優しく撫でてやる。彼の猫っ毛が指に絡む。
「いいよ、仕方ない。おまえはヒーローだ」
俺はその他大勢だ。
おまえは輝かしく険しい道を行け。
そしていつか孤独に耐えられなくなったら、そっと振り返ってみるがいい。
「俺はいつでもここにいる」
だって俺は、そんなおまえがわりと好きなんだ。
目立って褒めそやされて調子に乗って、散々ちやほやされても、一つ失敗すればどん底まで転落だ。
ヒーローをヒーロー足らしめる周囲のお膳立ても鼻持ちならないが、それに騙されて木に登る方もどうかと思う。
大体人間というのは脇役であるべきだ。
最大多数の最大幸福が尊ばれる日本に産まれたのだから尚更だ。
それを好き好んで孤立することはないだろう。ヒーローというのは得てしてマイノリティに他ならない。
言い換えてしまえば、ヒーローという存在、その立場そのものが差別。イジメみたいなものなのだ。
いじめられて喜ぶ奴はMかドMか超ドMかという話で、少なくとも俺はその中には当て嵌まらない。
俺はどこまでもノーマルを好む。
だから何かと問われれば、俺はあいつが気に入らないのだった。
ポジティブで正義感が強くて社交的で、いつでも話題の中心にいて皆から頼られて。
生まれつきヒーローですって顔をしたあの男が、どうにもこうにも気に入らない。
しかもその野郎がやたら俺に擦り寄ってくるのが余計に気に入らない。
俺はただ、普通でいたいというのに。
「ちぃやん、ちぃやん、これ、この稟議書ってどう書くん?」
「ちぃやんじゃねぇ。千賀マネージャーと呼べ」
「いいじゃん、同期なんだから」
「ここは会社だ。会社には規律ってもんがある。俺はルールを破るやつが嫌いだ。だからおまえも嫌いだ」
びしっと言い放つと、捨てられた子犬のように眉尻を下げて、刈田は俺を見た。
今年35にもなるというのに、外見年齢も精神年齢も二十代から抜け切れないこの男は、やはり子供のように口を尖らせる。
「ちぃやん冷たいよ。もう俺の同期ったらおまえしか残ってないんだから、ちょっとは仲良くしようよ」
「だからせめてもの義理で、こんな時間まで残ってやってるんだろうが」
「だったら飯1回とか言わないで、義理だけで助けてくれりゃいいのに……」
「地獄の沙汰も何とやら。ぐじぐじ言うな、女々しい」
どうせ俺は女々しいですよ、と下手な泣き真似をしながら、刈田は俺に再度稟議書を押し付けてくる。
やれやれとそれを受け取って、俺は目を通した。
「で、どこが解らないって?」
「これこれ。コスト管理センターってなんだ。経費申請番号の入力はこっちだろ?他になんか番号ってあったっけ?」
「おまえの部門番号だよ。営業三課は確か03-TKE003」
「あー……あれか。あんなの使う機会あったのか。知らんかった~」
「知っとけ。解らなけりゃあとは事務局にでも聞け。そんで重い」
いっしょに書類を確認したかったのだろう、後ろからずっしり圧し掛かるように多い被さってくる巨体に、俺は不機嫌に顔を顰めた。
なんかちぃやん怒ってる?と不安げに聞かれて、首を振る。
こんなことで怒っていては、そもそもこいつと仕事なんぞ出来ない。俺の心は太平洋のように広いのだ。
それに今日は喜ぶべき日のはずだった。俺がこのサービス残業をすることになったのも、こいつの異動の手伝いである。明日からこいつの暑苦しい顔を間近に見なくて済むのだから、今夜は帰ったら祝杯をあげるのだ。
「……千賀、やっぱり怒ってる?」
恐る恐るといった様子で問われて顔を上げると、怯えたような刈田の顔が見えた。
俺は心から呆れて、どうして、と聞いてやる。どうしてそう思うんだ、と。
「やっぱり、俺が先に昇格したの、嫌だったんだろ」
「俺が一度でもそんなことを言ったか?」
「だって、辞令が出てから千賀、ずっと不機嫌じゃねぇか。入社して5年、俺達ずっと横並びだったし、俺だけが先に昇格したのが気にくわな……」
「違うって言ってんだろ。本気でそう思ってんならぶん殴るぞ」
違う。
そんなことで嫉妬して不機嫌になるほど、俺は仕事に対して情熱は持っていない。そもそも俺は今の給与で満足しているし、これ以上昇格して分不相応な責任を背負うつもりもない。
だから、こいつが昇格したと聞いた時、やっぱりな、と思った。
与えられた目標をクリアすることにしか興味のない俺と違って、刈田は情熱的で向上心が高く社内外で覚えが目出度い。俺はここまで。だけど刈田は上に行くべき人間だ。
それが不機嫌に見えたというのなら、原因は多分、こいつのこの態度だ。俺を哀れんでいるかのようなこの態度。それに苛立ちを感じているのは――悔しいが――認めざるを得ない。
「……刈田」
「な、なに」
本当に殴られるとでも思ったのだろうか、思わず身を引いた刈田に、俺は少し笑った。こういう素直なところは憎めない男だ。
だから、本当は憂さ晴らしに罵ってやろうと思ったその唇を一度噛んで、ゆっくりと口角を上げ、微笑んでやる。大丈夫だと、行ってこいと、背中を押してやる。
「昇格決まったら結婚するって言ってたろ。嫁さん、幸せにしてやれよ」
披露宴には呼べよ、ご馳走楽しみにしてる。
そう付け加えると、刈田は泣きそうな顔をした。何でそんな顔をするのか俺には解らなかったが、もしかしたら嬉しかったのかもしれない。
「……ありがとう、千賀。ありがとう」
変な奴だな。
そう言って、俯く彼の頭に手を伸ばした。
赤子にするように優しく撫でてやる。彼の猫っ毛が指に絡む。
「いいよ、仕方ない。おまえはヒーローだ」
俺はその他大勢だ。
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