20 / 295
第1章 幕開けは復讐から
20 クレア・シーラン
しおりを挟む
ランはあまり別の種族と親しくしないんだけど、あのナギサって言うお兄さんに対しては好意が溢れでていた。名前が一致しているのと精霊たちに慕われていること、それからあの魔法の腕。それらから推測すると彼は間違いなく精霊王だろうね。
あたしたちを攫った奴らは信じてなかったけど、お兄さんの言う通りあそこはたしかに海の中だった。海中にある建物なんて精霊王の宮以外にない。
でも精霊王というのはもっと偉そうとか、脂肪を蓄えた権力者みたいな容姿とかそんなのを予想していたけど……全然違ったようだ。
ザ・マイペースという感じで精霊らしく気まぐれなんだろうなとは思ったけど、しっかりとした芯の強さも感じた。それに容姿もこの世のものとは思えないくらいに整ってたしね。あと気安すぎやしないかい? 王と言うにはあまりにも驕ったところがなかったけれど……
ああでも、精霊は穢れを嫌うと言うし、犯罪者なだけあって穢れていたのか人間であるあたしには分からないが、殴りかかろうとしてお兄さんと犯罪者たちの距離が縮まった時は殺気が出てたね。一瞬だけだったけどさ。その様子はさすが精霊王。迫力があったし美形な分、怒ると怖かったね。
「クレアはナギサ様と初めて会った?」
「ん? うん、そうだね。すごく綺麗な顔だった」
「うん。ナギサ様はかっこいいよね。それに強くて優しい。ナギサ様にまた会いたい?」
どうだろうねぇ。まあ会いたいと言えば会いたいか。
「助けてもらった礼を言いたいかな。頼んでくれるのかい?」
「ん。多分良いって言ってくれると思う。許可もらったら宮に招いてくれるはず。ナギサ様の宮はナギサ様が招いた人じゃないと入れないし見つけることも出来ないから一応聞いてみる」
「ありがとう」
精霊王はすごいんだね。招いてない人は入れないし見つけられないって言うのは、きっと一度は招かれたことがあっても例外ではないんだろうね。それは精霊も当てはまるのかな。おもしろいね、精霊王という存在は。
◇
「ナギサ様、朝ですよ……って起きていたのですか? 珍しいですね」
「おはよ、ルー。精霊に関することやこの国の歴史なんかを調べていたんだよ。本を読むのは知らなかったことを知れるし、知っていたことでも復習できて面白いものだよー?」
「ナギサ様はそういうところ真面目ですよね。尊敬します」
「学ぶことが好きなだけ。でも大勢で同時に学ぶのは暇で眠くなるから、一対一か自分で学ぶ方が俺は好きだけどねぇ」
前世では小・中・高、すべて授業はまともに聞いていなかった。授業中はずーっと寝てるか読書。授業は聞いてなくても義務教育以上の知識は小学入学前から全てあったし、成績も良かったから誰も何も言われなかった。諦めていたのかもね。またか……みたいな感じだった。
小中高一貫校だったけど入学・進級試験や小テストも含めて、初等部から満点以外を一度も取ったことがない人間に文句をつけられる人なんて普通はいないよね。
あたしたちを攫った奴らは信じてなかったけど、お兄さんの言う通りあそこはたしかに海の中だった。海中にある建物なんて精霊王の宮以外にない。
でも精霊王というのはもっと偉そうとか、脂肪を蓄えた権力者みたいな容姿とかそんなのを予想していたけど……全然違ったようだ。
ザ・マイペースという感じで精霊らしく気まぐれなんだろうなとは思ったけど、しっかりとした芯の強さも感じた。それに容姿もこの世のものとは思えないくらいに整ってたしね。あと気安すぎやしないかい? 王と言うにはあまりにも驕ったところがなかったけれど……
ああでも、精霊は穢れを嫌うと言うし、犯罪者なだけあって穢れていたのか人間であるあたしには分からないが、殴りかかろうとしてお兄さんと犯罪者たちの距離が縮まった時は殺気が出てたね。一瞬だけだったけどさ。その様子はさすが精霊王。迫力があったし美形な分、怒ると怖かったね。
「クレアはナギサ様と初めて会った?」
「ん? うん、そうだね。すごく綺麗な顔だった」
「うん。ナギサ様はかっこいいよね。それに強くて優しい。ナギサ様にまた会いたい?」
どうだろうねぇ。まあ会いたいと言えば会いたいか。
「助けてもらった礼を言いたいかな。頼んでくれるのかい?」
「ん。多分良いって言ってくれると思う。許可もらったら宮に招いてくれるはず。ナギサ様の宮はナギサ様が招いた人じゃないと入れないし見つけることも出来ないから一応聞いてみる」
「ありがとう」
精霊王はすごいんだね。招いてない人は入れないし見つけられないって言うのは、きっと一度は招かれたことがあっても例外ではないんだろうね。それは精霊も当てはまるのかな。おもしろいね、精霊王という存在は。
◇
「ナギサ様、朝ですよ……って起きていたのですか? 珍しいですね」
「おはよ、ルー。精霊に関することやこの国の歴史なんかを調べていたんだよ。本を読むのは知らなかったことを知れるし、知っていたことでも復習できて面白いものだよー?」
「ナギサ様はそういうところ真面目ですよね。尊敬します」
「学ぶことが好きなだけ。でも大勢で同時に学ぶのは暇で眠くなるから、一対一か自分で学ぶ方が俺は好きだけどねぇ」
前世では小・中・高、すべて授業はまともに聞いていなかった。授業中はずーっと寝てるか読書。授業は聞いてなくても義務教育以上の知識は小学入学前から全てあったし、成績も良かったから誰も何も言われなかった。諦めていたのかもね。またか……みたいな感じだった。
小中高一貫校だったけど入学・進級試験や小テストも含めて、初等部から満点以外を一度も取ったことがない人間に文句をつけられる人なんて普通はいないよね。
283
あなたにおすすめの小説
社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ
のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。
目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
パーティーの役立たずとして追放された魔力タンク、世界でただ一人の自動人形『ドール』使いになる
日之影ソラ
ファンタジー
「ラスト、今日でお前はクビだ」
冒険者パーティで魔力タンク兼雑用係をしていたラストは、ある日突然リーダーから追放を宣告されてしまった。追放の理由は戦闘で役に立たないから。戦闘中に『コネクト』スキルで仲間と繋がり、仲間たちに自信の魔力を分け与えていたのだが……。それしかやっていないことを責められ、戦える人間のほうがマシだと仲間たちから言い放たれてしまう。
一人になり途方にくれるラストだったが、そこへ行方不明だった冒険者の祖父から送り物が届いた。贈り物と一緒に入れられた手紙には一言。
「ラストよ。彼女たちはお前の力になってくれる。ドール使いとなり、使い熟してみせよ」
そう記され、大きな木箱の中に入っていたのは綺麗な少女だった。
これは無能と言われた一人の冒険者が、自動人形(ドール)と共に成り上がる物語。
7/25男性向けHOTランキング1位
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~
存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?!
はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?!
火・金・日、投稿予定
投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
DIYと異世界建築生活〜ギャル娘たちとパパの腰袋チート
みーくん
ファンタジー
気づいたら異世界に飛ばされていた、おっさん大工。
唯一の武器は、腰につけた工具袋——
…って、これ中身無限!?釘も木材もコンクリも出てくるんだけど!?
戸惑いながらも、拾った(?)ギャル魔法少女や謎の娘たちと家づくりを始めたおっさん。
土木工事からリゾート開発、果てはダンジョン探索まで!?
「異世界に家がないなら、建てればいいじゃない」
今日もおっさんはハンマー片手に、愛とユーモアと魔法で暮らしをDIY!
建築×育児×チート×ギャル
“腰袋チート”で異世界を住みよく変える、大人の冒険がここに始まる!
腰活(こしかつっ!)よろしくお願いします
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる