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第2章 亜麻色の光
58 猫はどっち?
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「…………」
「あ、おはよう」
「おはよ。俺に何してたの?」
「眠り姫を起こそうと思ってキスしたの。そしたら本当に起きた!」
俺は姫じゃないんだけど。姫って言うならアリスの方が似合う言葉だし……俺はいつから王子の口付けで目を覚ます姫になったの?
「起きた、じゃないよ。楽しそうだねぇ……」
「だって本当に起きるとは思わないじゃない?」
「人の寝込みを襲っておいて良く言うよ。起こそうと思ってしたんじゃなかったの?」
「起きたら面白いし、起きなくてもナギサを私の好きにできて楽しそうだったから、どちらでも良かったよ? 残念ながら、すでにナギサを好きなだけ愛でた後だけどね!」
「そーですか。楽しそうで何よりですよ、アリス王子」
アリス王子なら俺はナギサ姫? ……いや、無理無理! 自分で考えておきながら気持ち悪すぎて寒気がしたよ。嫌悪感しかない。俺がお姫様とか絶対に無理! なし!
でも王子って言われたアリスは嬉しそう。アリスは男装しても可愛いんじゃないかなー。それか凛々しいでしょ。絶対男装も似合うね。さすがは国一番の美少女と人気の天使。俺、アリスが天使様とか言われてるの聞いたことあるからね。女神じゃないのは、アリスの顔立ちが綺麗系より可愛い系だからだろうなーと、他人事のように聞きながら考えていたのを覚えてる。一応無関係ではなかったんだけどね。
「ナギサ、ちょっと鏡を見てみてよ。ふふっ」
「え……何したの?」
「それは見てからのお楽しみだよ」
別に楽しみじゃないんだけど? アリスがこう言ういたずらっぽい表情してる時はね、地味に嫌なことがあるって俺は知ってるから。すごく嫌ってわけでも嬉しいわけでもなく、地味に嫌なんだよ。嫌な予感しかしないけど、この勘はお願いだから当たらないでほしい。
嫌な予感がしつつ、でも確かめないわけにはいかないから脱衣所の方に移動すると俺は猫になっていた。
「……アリス」
「なぁに」
「これ、何?」
「見ての通り猫の耳だよ?」
「うん、見たら分かるよ。でもなんで猫耳?」
俺は長髪じゃない。だけど髪が長い部分ってあるでしょ? 襟足じゃなくて部分的に。そこだけを取って猫耳になるように結ばれていた。こういうのを見るとアリスは器用だなって思う。でもそうじゃなくてね?
「なんで俺の髪で猫耳にしてんの? 絶対アリスがやった方が似合うでしょ」
「ナギサの方が似合うと思って。実際すごく似合ってたし? 私じゃなかったら倒れちゃうくらい。ナギサってかっこいいけど可愛いのも似合うよねえ……さすがは国宝級のイケメンだった直人くんを超えるイケメン」
「どういうこと……?」
国宝級を超えるイケメンってなに? 世界遺産とか? いやそうじゃなくて、なんで俺の髪………
「まあ良いけど、これどうなってるの? 戻し方が分からない……」
「私が直すよ。勝手に遊んでごめんね。嫌だった?」
「そんなことはないけど、俺の髪でやっても楽しくないでしょー? でもこれすごいね」
「大丈夫、楽しかったから! それに見た目ほど難しくないんだよね」
シュンとした落ち込んだ顔を見てしまったら嫌だったなんて言えないでしょ。嫌じゃないのは本当だけど。
少し申し訳なくなってサラサラな髪を梳くように撫でると、気持ち良さそうにして猫耳のやり方を教えてくれる。この擦り寄ってくる感じ、アリスの方がよっぽど猫っぽいなと思った。
「あ、おはよう」
「おはよ。俺に何してたの?」
「眠り姫を起こそうと思ってキスしたの。そしたら本当に起きた!」
俺は姫じゃないんだけど。姫って言うならアリスの方が似合う言葉だし……俺はいつから王子の口付けで目を覚ます姫になったの?
「起きた、じゃないよ。楽しそうだねぇ……」
「だって本当に起きるとは思わないじゃない?」
「人の寝込みを襲っておいて良く言うよ。起こそうと思ってしたんじゃなかったの?」
「起きたら面白いし、起きなくてもナギサを私の好きにできて楽しそうだったから、どちらでも良かったよ? 残念ながら、すでにナギサを好きなだけ愛でた後だけどね!」
「そーですか。楽しそうで何よりですよ、アリス王子」
アリス王子なら俺はナギサ姫? ……いや、無理無理! 自分で考えておきながら気持ち悪すぎて寒気がしたよ。嫌悪感しかない。俺がお姫様とか絶対に無理! なし!
でも王子って言われたアリスは嬉しそう。アリスは男装しても可愛いんじゃないかなー。それか凛々しいでしょ。絶対男装も似合うね。さすがは国一番の美少女と人気の天使。俺、アリスが天使様とか言われてるの聞いたことあるからね。女神じゃないのは、アリスの顔立ちが綺麗系より可愛い系だからだろうなーと、他人事のように聞きながら考えていたのを覚えてる。一応無関係ではなかったんだけどね。
「ナギサ、ちょっと鏡を見てみてよ。ふふっ」
「え……何したの?」
「それは見てからのお楽しみだよ」
別に楽しみじゃないんだけど? アリスがこう言ういたずらっぽい表情してる時はね、地味に嫌なことがあるって俺は知ってるから。すごく嫌ってわけでも嬉しいわけでもなく、地味に嫌なんだよ。嫌な予感しかしないけど、この勘はお願いだから当たらないでほしい。
嫌な予感がしつつ、でも確かめないわけにはいかないから脱衣所の方に移動すると俺は猫になっていた。
「……アリス」
「なぁに」
「これ、何?」
「見ての通り猫の耳だよ?」
「うん、見たら分かるよ。でもなんで猫耳?」
俺は長髪じゃない。だけど髪が長い部分ってあるでしょ? 襟足じゃなくて部分的に。そこだけを取って猫耳になるように結ばれていた。こういうのを見るとアリスは器用だなって思う。でもそうじゃなくてね?
「なんで俺の髪で猫耳にしてんの? 絶対アリスがやった方が似合うでしょ」
「ナギサの方が似合うと思って。実際すごく似合ってたし? 私じゃなかったら倒れちゃうくらい。ナギサってかっこいいけど可愛いのも似合うよねえ……さすがは国宝級のイケメンだった直人くんを超えるイケメン」
「どういうこと……?」
国宝級を超えるイケメンってなに? 世界遺産とか? いやそうじゃなくて、なんで俺の髪………
「まあ良いけど、これどうなってるの? 戻し方が分からない……」
「私が直すよ。勝手に遊んでごめんね。嫌だった?」
「そんなことはないけど、俺の髪でやっても楽しくないでしょー? でもこれすごいね」
「大丈夫、楽しかったから! それに見た目ほど難しくないんだよね」
シュンとした落ち込んだ顔を見てしまったら嫌だったなんて言えないでしょ。嫌じゃないのは本当だけど。
少し申し訳なくなってサラサラな髪を梳くように撫でると、気持ち良さそうにして猫耳のやり方を教えてくれる。この擦り寄ってくる感じ、アリスの方がよっぽど猫っぽいなと思った。
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