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1章

1-5 ジークside

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私、ジーク·ラヴァ·イレルンドは創造神の一人、オリーブ様の愛し子だ。

もう一人の創造神、パルミア様の愛し子であるアリシア·ヴィアイン公爵令嬢は私の弟であるカイルと婚約していたが先日、婚約が解消された。

私はアリシアを愛していたため、新たな婚約者となれて、都合が良かったがアリシアはこの婚約を嫌がってはいないだろうか?
父上が私との婚約をアリシアに提案した時、一瞬沈黙があったため心配していたのだが。

「アリシア、本当に私が婚約者になって良かったのか?…他に婚約したい人がいるけど、父上の提案で断りにくいのなら私から進言しておくが」

…これでアリシアに本当は嫌だったと言われたら立ち直れないかもしれないな…

「と、とんでもありません!わたくしはジーク殿下と婚約出来てとても嬉しいですわ!」

「そ、そうか。それなら良かったが…」

…アリシアが黙ってしまった。何となく気まずい沈黙だな…
庭園に出て結構時間もたったし、そろそろ戻ろうか。

「…ア、アリシア。そろそろ戻るか?」

「そうですね。戻りましょうか」



「…ジーク殿下」

「婚約者になったんだ。ジークでいい」

「では、ジーク様。あの、明日から学園に行く時、ご一緒しても宜しいですか?」

私から誘おうと思っていたが…

「勿論だ。私もそのつもりだった。では、毎朝ヴィアイン公爵邸に馬車で向かおう」

「はい。ありがとうございます。それと、もう一つ。愛し子の件なのですが…」

「どうした?」

「今まで、察している方も多いようですが、愛し子が誰なのか公表していなかったでしょう?先日のパーティー会場にいらした方々はこの事を知ってしまった筈です。今後、公表しますか?」

「ああ、この件は私たちで決めることになっていたな。私は公表した方が今後動きやすいと思うから、公表してもいいが」

私は良くてもアリシアが少々大変になるかもしれないな。アリシアの加護の方が使うことが多いからな。アリシアが嫌がるなら別に公表しなくてもいい。

「では、公表しましょう。わたくしも構いませんしいざというときに直ぐに動けるでしょう?それに、いつかは公表しないといけませんしね」

「そうか。なら公表するよう父上に言っておく。あまりないと思うが、なにかあってはいけないから常に加護を使える状態にし、今まで以上に周りに気を付けるように」

「はい。そうしますね」
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