11 / 17
転生しました
お兄さまたち
しおりを挟む
「リチェルは、緊張しているのかな? いつもより更に口数が少なくなっているよ?」
この状況にソワソワし始めた私の背中をルイスが気遣わしげに撫でてくれた。
「リチェルも初めましてだろう?」
あ!
ルイスに指摘されて漸くまだ自分が自己紹介していないことに気がついた。じっと見つめられていたのはそういうことだったのね。私の反応を待っていたんだ。
そうと分かれば、することは一つ。
「初めまして。私の名前はリチェル・ミルフィーエです。よろしくお願いします」
お兄さまたちに挨拶をして、ルイス直伝カーテシーを披露した。これは相当ダメ出しをくらいながら頑張ったから、かなり完成度が高いはず。
カーテシーで伏せた目を上げると、何をそんなに驚いたのか目を大きく見開いたお兄さまたちがいた。
「私たちの妹は本当に五歳なのか?」
呆然としながらレオンお兄様が呟いた。アンディお兄様は口を開きかけては閉じるをしている。
お兄さまたち、どうしたのだろう?
「ルイス先生? 私、何か可笑しなことをしてしまいましたか?」
挨拶の仕方を間違えたのではないかと心配になってきた私が困ったようにルイスを仰ぎ見ると、ルイスはニッコリ笑った。
「私のリチェルは完璧だったよ」
…………。
『私の』と『リチェル』の間に『生徒』が抜けていると思うのだけれど。
ルイスが機嫌良さそうなので良しとした。
「ああ……完璧だった。私の妹は賢いのだな」
ルイスの言葉に同意してレオンお兄様が言うと……
ん? あれ?
ルイスの機嫌が急降下しているのをピリピリと感じた。
どうしたことか、ルイスの身体から魔力が漏れてくる。
「初めて会ったばかりで私のリチェルに、私のとは些か不躾ではないですか?」
ルイスが冷たくいい放つ。
「それは、あなた方がリチェルに会わせてくれないからではありませんか」
レオンお兄様が眉間に皺を寄せながら異をとなえた。
レオンお兄様の言い方だと、まるでずっと以前から私に会いたかったように聞こえる。
腹違いの兄妹なんて視界にもいれたくないものなんじゃないの?
「あの……」
私が恐る恐る声を出すと、食いつきぎみにお兄様たちが反応した。
「「リチェル! なに?」」
お兄様二人とも床に膝を就いて私と目線を合わせてくる。
私から話かけたものの、驚いて引きそうになってしまった。
「……レオンお兄さまとアンディお兄さまは、私のことを厭うていらっしゃるのではないのですか?」
首を傾げてお兄様たちをみると、お兄様たちは胸に手を当てて俯くとプルプルと震えだした。
あれ? どうしちゃったのかな?
やはり、私のことを嫌って避けているのかもしれない。目を反らして俯いてしまったし。でも、それではどうして私に会いに来たの?
すると、いち早く顔を上げたレオンお兄様から私はカバッと抱き締められた。
んえ?
それはもうギュウギュウと抱き締められる。
「リチェル! 絶対に厭うてなんかいない! 私もアンディもリチェルに会いたくて堪らなかったよ。亡くなった母も会いたがっていたんだ。信じて!」
あ、え? えっと……
キョロキョロとこの状況をどうにかしてもらいたくて周りを見た。
「リチェル! レオンお兄さまの言ったとおりだよ! 私もリチェルに会いたかった!リチェルが、さっきアンディお兄さまといってくれたときは天国に召されるんじゃないかと思うくらい嬉しかったんだ!」
うぎゅっ!
レオンお兄様の横からアンディお兄様まで私に抱きついてきて、どうしたら良いかわからない。
この……お兄様たちから抱きつかれるという初めての経験に半ばパニックに陥りそうになっていると、不意に身体が軽くなった。
「やめてくれる? リチェルが困っているだろう?」
何故か、私は、ルイスに抱っこされていた。
どうやら、魔法で転移させられたみたいだ。
何はともあれ、助かった。
「リチェルは可愛いから、仕方がないのかもしれないわね……」
何かを諦めたかのように、お母さまが溜め息をついてこちらを眺めていた。
この状況にソワソワし始めた私の背中をルイスが気遣わしげに撫でてくれた。
「リチェルも初めましてだろう?」
あ!
ルイスに指摘されて漸くまだ自分が自己紹介していないことに気がついた。じっと見つめられていたのはそういうことだったのね。私の反応を待っていたんだ。
そうと分かれば、することは一つ。
「初めまして。私の名前はリチェル・ミルフィーエです。よろしくお願いします」
お兄さまたちに挨拶をして、ルイス直伝カーテシーを披露した。これは相当ダメ出しをくらいながら頑張ったから、かなり完成度が高いはず。
カーテシーで伏せた目を上げると、何をそんなに驚いたのか目を大きく見開いたお兄さまたちがいた。
「私たちの妹は本当に五歳なのか?」
呆然としながらレオンお兄様が呟いた。アンディお兄様は口を開きかけては閉じるをしている。
お兄さまたち、どうしたのだろう?
「ルイス先生? 私、何か可笑しなことをしてしまいましたか?」
挨拶の仕方を間違えたのではないかと心配になってきた私が困ったようにルイスを仰ぎ見ると、ルイスはニッコリ笑った。
「私のリチェルは完璧だったよ」
…………。
『私の』と『リチェル』の間に『生徒』が抜けていると思うのだけれど。
ルイスが機嫌良さそうなので良しとした。
「ああ……完璧だった。私の妹は賢いのだな」
ルイスの言葉に同意してレオンお兄様が言うと……
ん? あれ?
ルイスの機嫌が急降下しているのをピリピリと感じた。
どうしたことか、ルイスの身体から魔力が漏れてくる。
「初めて会ったばかりで私のリチェルに、私のとは些か不躾ではないですか?」
ルイスが冷たくいい放つ。
「それは、あなた方がリチェルに会わせてくれないからではありませんか」
レオンお兄様が眉間に皺を寄せながら異をとなえた。
レオンお兄様の言い方だと、まるでずっと以前から私に会いたかったように聞こえる。
腹違いの兄妹なんて視界にもいれたくないものなんじゃないの?
「あの……」
私が恐る恐る声を出すと、食いつきぎみにお兄様たちが反応した。
「「リチェル! なに?」」
お兄様二人とも床に膝を就いて私と目線を合わせてくる。
私から話かけたものの、驚いて引きそうになってしまった。
「……レオンお兄さまとアンディお兄さまは、私のことを厭うていらっしゃるのではないのですか?」
首を傾げてお兄様たちをみると、お兄様たちは胸に手を当てて俯くとプルプルと震えだした。
あれ? どうしちゃったのかな?
やはり、私のことを嫌って避けているのかもしれない。目を反らして俯いてしまったし。でも、それではどうして私に会いに来たの?
すると、いち早く顔を上げたレオンお兄様から私はカバッと抱き締められた。
んえ?
それはもうギュウギュウと抱き締められる。
「リチェル! 絶対に厭うてなんかいない! 私もアンディもリチェルに会いたくて堪らなかったよ。亡くなった母も会いたがっていたんだ。信じて!」
あ、え? えっと……
キョロキョロとこの状況をどうにかしてもらいたくて周りを見た。
「リチェル! レオンお兄さまの言ったとおりだよ! 私もリチェルに会いたかった!リチェルが、さっきアンディお兄さまといってくれたときは天国に召されるんじゃないかと思うくらい嬉しかったんだ!」
うぎゅっ!
レオンお兄様の横からアンディお兄様まで私に抱きついてきて、どうしたら良いかわからない。
この……お兄様たちから抱きつかれるという初めての経験に半ばパニックに陥りそうになっていると、不意に身体が軽くなった。
「やめてくれる? リチェルが困っているだろう?」
何故か、私は、ルイスに抱っこされていた。
どうやら、魔法で転移させられたみたいだ。
何はともあれ、助かった。
「リチェルは可愛いから、仕方がないのかもしれないわね……」
何かを諦めたかのように、お母さまが溜め息をついてこちらを眺めていた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】一番腹黒いのはだあれ?
やまぐちこはる
恋愛
■□■
貧しいコイント子爵家のソンドールは、貴族学院には進学せず、騎士学校に通って若くして正騎士となった有望株である。
三歳でコイント家に養子に来たソンドールの生家はパートルム公爵家。
しかし、関わりを持たずに生きてきたため、自分が公爵家生まれだったことなどすっかり忘れていた。
ある日、実の父がソンドールに会いに来て、自分の出自を改めて知り、勝手なことを言う実父に憤りながらも、生家の騒動に巻き込まれていく。
【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。
たまこ
恋愛
公爵の専属執事ハロルドは、美しい容姿に関わらず氷のように冷徹であり、多くの女性に思いを寄せられる。しかし、公爵の娘の侍女ソフィアだけは、ハロルドに見向きもしない。
ある日、ハロルドはソフィアの真っ直ぐすぎる内面に気付き、恋に落ちる。それからハロルドは、毎日ソフィアを口説き続けるが、ソフィアは靡いてくれないまま、五年の月日が経っていた。
※『王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく。』のスピンオフ作品ですが、こちらだけでも楽しめるようになっております。
崖っぷち令嬢の生き残り術
甘寧
恋愛
「婚約破棄ですか…構いませんよ?子種だけ頂けたらね」
主人公であるリディアは両親亡き後、子爵家当主としてある日、いわく付きの土地を引き継いだ。
その土地に住まう精霊、レウルェに契約という名の呪いをかけられ、三年の内に子供を成さねばならなくなった。
ある満月の夜、契約印の力で発情状態のリディアの前に、不審な男が飛び込んできた。背に腹はかえられないと、リディアは目の前の男に縋りついた。
知らぬ男と一夜を共にしたが、反省はしても後悔はない。
清々しい気持ちで朝を迎えたリディアだったが……契約印が消えてない!?
困惑するリディア。更に困惑する事態が訪れて……
キズモノ令嬢絶賛発情中♡~乙女ゲームのモブ、ヒロイン・悪役令嬢を押しのけ主役になりあがる
青の雀
恋愛
侯爵令嬢ミッシェル・アインシュタインには、れっきとした婚約者がいるにもかかわらず、ある日、突然、婚約破棄されてしまう
そのショックで、発熱の上、寝込んでしまったのだが、その間に夢の中でこの世界は前世遊んでいた乙女ゲームの世界だときづいてしまう
ただ、残念ながら、乙女ゲームのヒロインでもなく、悪役令嬢でもないセリフもなければ、端役でもない記憶の片隅にもとどめ置かれない完全なるモブとして転生したことに気づいてしまう
婚約者だった相手は、ヒロインに恋をし、それも攻略対象者でもないのに、勝手にヒロインに恋をして、そのためにミッシェルが邪魔になり、捨てたのだ
悲しみのあまり、ミッシェルは神に祈る「どうか、神様、モブでも女の幸せを下さい」
ミッシェルのカラダが一瞬、光に包まれ、以来、いつでもどこでも発情しっぱなしになり攻略対象者はミッシェルのフェロモンにイチコロになるという話になる予定
番外編は、前世記憶持ちの悪役令嬢とコラボしました
妻は従業員に含みません
夏菜しの
恋愛
フリードリヒは貿易から金貸しまで様々な商売を手掛ける名うての商人だ。
ある時、彼はザカリアス子爵に金を貸した。
彼の見込みでは無事に借金を回収するはずだったが、子爵が病に倒れて帰らぬ人となりその目論見は見事に外れた。
だが返せる額を厳しく見極めたため、貸付金の被害は軽微。
取りっぱぐれは気に入らないが、こんなことに気を取られているよりは、他の商売に精を出して負債を補う方が建設的だと、フリードリヒは子爵の資産分配にも行かなかった。
しばらくして彼の元に届いたのは、ほんの少しの財と元子爵令嬢。
鮮やかな緑の瞳以外、まるで凡庸な元令嬢のリューディア。彼女は使用人でも従業員でも何でもするから、ここに置いて欲しいと懇願してきた。
置いているだけでも金を喰うからと一度は突っぱねたフリードリヒだが、昨今流行の厄介な風習を思い出して、彼女に一つの提案をした。
「俺の妻にならないか」
「は?」
金を貸した商人と、借金の形に身を売った元令嬢のお話。
「25歳OL、異世界で年上公爵の甘々保護対象に!? 〜女神ルミエール様の悪戯〜」
透子(とおるこ)
恋愛
25歳OL・佐神ミレイは、仕事も恋も完璧にこなす美人女子。しかし本当は、年上の男性に甘やかされたい願望を密かに抱いていた。
そんな彼女の前に現れたのは、気まぐれな女神ルミエール。理由も告げず、ミレイを異世界アルデリア王国の公爵家へ転移させる。そこには恐ろしく気難しいと評判の45歳独身公爵・アレクセイが待っていた。
最初は恐怖を覚えるミレイだったが、公爵の手厚い保護に触れ、次第に心を許す。やがて彼女は甘く溺愛される日々に――。
仕事も恋も頑張るOLが、異世界で年上公爵にゴロニャン♡ 甘くて胸キュンなラブストーリー、開幕!
---
盲目王子の策略から逃げ切るのは、至難の業かもしれない
当麻月菜
恋愛
生まれた時から雪花の紋章を持つノアは、王族と結婚しなければいけない運命だった。
だがしかし、攫われるようにお城の一室で向き合った王太子は、ノアに向けてこう言った。
「はっ、誰がこんな醜女を妻にするか」
こっちだって、初対面でいきなり自分を醜女呼ばわりする男なんて願い下げだ!!
───ということで、この茶番は終わりにな……らなかった。
「ならば、私がこのお嬢さんと結婚したいです」
そう言ってノアを求めたのは、盲目の為に王位継承権を剥奪されたもう一人の王子様だった。
ただ、この王子の見た目の美しさと薄幸さと善人キャラに騙されてはいけない。
彼は相当な策士で、ノアに無自覚ながらぞっこん惚れていた。
一目惚れした少女を絶対に逃さないと決めた盲目王子と、キノコをこよなく愛する魔力ゼロ少女の恋の攻防戦。
※但し、他人から見たら無自覚にイチャイチャしているだけ。
ちっちゃくて可愛いものがお好きですか。そうですかそうですか。もう十分わかったので放してもらっていいですか。
南田 此仁
恋愛
ブラック企業を飛び出すように退職した日菜(ヒナ)は、家で一人祝杯を上げていた――はずなのに。
不意に落ちたペンダントトップへと手を伸ばし、気がつけばまったく見知らぬ場所にいた。
周囲を取り巻く巨大なぬいぐるみたち。
巨大化したペンダントトップ。
あれ?
もしかして私、ちっちゃくなっちゃった――!?
……なーんてね。夢でしょ、夢!
と思って過ごしていたものの、一向に目が覚める気配はなく。
空腹感も尿意もある異様にリアルな夢のなか、鬼のような形相の家主から隠れてドールハウスで暮らしてみたり、仮眠中の家主にこっそりと触れてみたり。
姿を見られたが最後、可愛いもの好きの家主からの溺愛が止まりません……!?
■一話 800~1000文字ほど
■濡れ場は後半、※マーク付き
■ご感想いただけるととっても嬉しいです( *´艸`)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる