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今世の自分
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「恋って良いですわ……私もビアンカ様のように、自分だけの王子様と運命的な出会いを果たしたいですわ……」
うっとりと呟くアリア様に私も同調した。
「ええ、本当ですわ……ビアンカ様は、小さい頃に王宮の庭園で偶然王太子様にお会いになったのですよね?初めてビアンカ様からその話をお聞きした時、私の頭の中で壮大なラブストーリーが駆け巡ったのですよ」
以前お茶会をした時、恋バナに走った私達は、それぞれの恋愛話を根掘り葉掘り聞いたのだ。ーーーと言っても、私とアリア様には好きな人すらいなかったので、ビアンカ様の集中攻撃だったのだが。
「もう!私のことは良いのよ!私にも恋バナを聞かせなさい!!ーーーそうだエリザベスさん、うちの兄なんてどうかしら?まあまあ顔は良いし、次期シュタイン公爵家当主ですし……女ったらしですけれど。」
「ええ!?(いきなり来ましたね)いえ、私にビアンカ様のお兄様は勿体なさすぎますわ」
慌ててブンブンと首を横に振った。
「そんなことはないと思いますけれど……それに、エリザベスさんが私の義姉になるのなら許せますし、毎日美味しいお菓子が食べられますわ」
「ビアンカ様……お菓子の方が本音ですわね?」
そ、そんな訳がないでしょう!?と分かりやすく慌てたビアンカ様を微笑ましく見守り、再びパウンドケーキに手を伸ばした時。
「おやおや、本人が口説く前に振られてしまったね」
後ろから声を掛けられ、びっくりして振り向くと、ビアンカ様のお兄様であるヴォルフガング・シュタイン様と私のお兄様が、一緒に四阿に近づいてきていた。
「ヴォルフガング様!気が付かず誠に申し訳ありません」
私とアリア様は立ち上がろうとしたが、ヴォルフガング様に制された。
「いいんだよ、つい先程通りがかっただけだからね……そのパウンドケーキで手打ちとしても良いのだけどね?」
そう言いながら彼は私の手を取り、手の甲にキスを落とした。
ビアンカ様と同じ燃え上がる髪は短めに切りそろえられ、金色の目は釣りがちで色気がある。2歳上で15歳なので、お兄様と同い歳のはずなのだが……いや、これ以上は言わないでおこう。
(本当、このお方は女ったらしだわ…)
「もちろんですわ、お兄様も一緒にお座りになって?ジョセフ、お2方の分を追加してくれるかしら?」
「……かしこまりました」
円形のテーブルに5人がつき、私の右にビアンカ様、アリア様と並び、左にヴォルフガング様、お兄様と並んだ。
「ーーーうん、やっぱりエリザベス嬢のお菓子は最高だね!」
「そうだろう?なんせ俺の可愛い妹だからな!」
どうしてお兄様が得意気なのかしら……。
パウンドケーキを頬張るヴォルフガング様は、とても幸せそうな顔をしている。
「エリザベス嬢、どうだろうか、本当に僕と結婚するのは」
「だめだ!」
私が返事をする前に、お兄様が叫んだ。
いや、返事に困るのは分かってたから逆にありがたいのですが……
「フレディ、お前そう言って誰にもエリザベス嬢との結婚を許さなかったら、彼女は一生独身になってしまうじゃないか!」
「俺と結婚すればいいだろ!?」
「お兄様、私、近親婚はいやですわ」
「あはは、フレディも振られたぞ」
男性陣も加わったことでさらに賑やかになったのだが、エリザベスを巡る三角関係を見出したビアンカとアリアが目を光らせていることに、エリザベスは気付いていなかった。
ーーーそして、仄暗い感情を向ける人物がいることにも。
うっとりと呟くアリア様に私も同調した。
「ええ、本当ですわ……ビアンカ様は、小さい頃に王宮の庭園で偶然王太子様にお会いになったのですよね?初めてビアンカ様からその話をお聞きした時、私の頭の中で壮大なラブストーリーが駆け巡ったのですよ」
以前お茶会をした時、恋バナに走った私達は、それぞれの恋愛話を根掘り葉掘り聞いたのだ。ーーーと言っても、私とアリア様には好きな人すらいなかったので、ビアンカ様の集中攻撃だったのだが。
「もう!私のことは良いのよ!私にも恋バナを聞かせなさい!!ーーーそうだエリザベスさん、うちの兄なんてどうかしら?まあまあ顔は良いし、次期シュタイン公爵家当主ですし……女ったらしですけれど。」
「ええ!?(いきなり来ましたね)いえ、私にビアンカ様のお兄様は勿体なさすぎますわ」
慌ててブンブンと首を横に振った。
「そんなことはないと思いますけれど……それに、エリザベスさんが私の義姉になるのなら許せますし、毎日美味しいお菓子が食べられますわ」
「ビアンカ様……お菓子の方が本音ですわね?」
そ、そんな訳がないでしょう!?と分かりやすく慌てたビアンカ様を微笑ましく見守り、再びパウンドケーキに手を伸ばした時。
「おやおや、本人が口説く前に振られてしまったね」
後ろから声を掛けられ、びっくりして振り向くと、ビアンカ様のお兄様であるヴォルフガング・シュタイン様と私のお兄様が、一緒に四阿に近づいてきていた。
「ヴォルフガング様!気が付かず誠に申し訳ありません」
私とアリア様は立ち上がろうとしたが、ヴォルフガング様に制された。
「いいんだよ、つい先程通りがかっただけだからね……そのパウンドケーキで手打ちとしても良いのだけどね?」
そう言いながら彼は私の手を取り、手の甲にキスを落とした。
ビアンカ様と同じ燃え上がる髪は短めに切りそろえられ、金色の目は釣りがちで色気がある。2歳上で15歳なので、お兄様と同い歳のはずなのだが……いや、これ以上は言わないでおこう。
(本当、このお方は女ったらしだわ…)
「もちろんですわ、お兄様も一緒にお座りになって?ジョセフ、お2方の分を追加してくれるかしら?」
「……かしこまりました」
円形のテーブルに5人がつき、私の右にビアンカ様、アリア様と並び、左にヴォルフガング様、お兄様と並んだ。
「ーーーうん、やっぱりエリザベス嬢のお菓子は最高だね!」
「そうだろう?なんせ俺の可愛い妹だからな!」
どうしてお兄様が得意気なのかしら……。
パウンドケーキを頬張るヴォルフガング様は、とても幸せそうな顔をしている。
「エリザベス嬢、どうだろうか、本当に僕と結婚するのは」
「だめだ!」
私が返事をする前に、お兄様が叫んだ。
いや、返事に困るのは分かってたから逆にありがたいのですが……
「フレディ、お前そう言って誰にもエリザベス嬢との結婚を許さなかったら、彼女は一生独身になってしまうじゃないか!」
「俺と結婚すればいいだろ!?」
「お兄様、私、近親婚はいやですわ」
「あはは、フレディも振られたぞ」
男性陣も加わったことでさらに賑やかになったのだが、エリザベスを巡る三角関係を見出したビアンカとアリアが目を光らせていることに、エリザベスは気付いていなかった。
ーーーそして、仄暗い感情を向ける人物がいることにも。
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