75 / 175
第3章 到達! 滴穿の戴天
071
しおりを挟む
無機質な薄暗い階段を駆け上がる。
建具が抜け落ちて四角い穴となった箇所から雨風が吹き抜ける。
その風雨で走り続けて火照った身体を冷やしながら俺たちは進んだ。
建物の最上階は大部屋になっていた。
かつて会議室だったのか、レストランだったのか。
今となっては瓦礫ばかりでそれを知ることはできない。
俺たちが知ることができたのはそのフロアの中央に人がふたりいる、ということだけ。
【いけません! 気を確かに・・・ああっ!?】
【はぁ、はぁ・・・おら、喚けよ!】
倒れている人影に覆いかぶさる人影。
逆行がシルエットだけを劇場のように浮かび上がらせていた。
びり、と布が力任せに破かれる音。
その動きから何が起こっているかを認知して・・・俺は激高してしまった。
【何してやがる!! さくらああぁぁぁ!!】
「武様!? いけませんわ!」
息が切れて倒れそうだとか、武器も持っていないだとか、相手には妖刀があるだとか。
そんな判断などそっちのけで後先考えずに身体が動いていた。
思考を放棄してあらんばかりの力を入れて駆け出る。
上にのしかかっているあいつは許さねぇ!
それだけが頭を支配していた。
【離れろおおぉぉぉ!!】
【邪魔する・・・がぁ!?」
【きゃあぁぁぁ!? 武さん!!】
飛び散る鮮血。
刀で牽制されたけどそのまま蹴り飛ばしてやったぜ!
上半身を顕にしたさくらの、雪のような肌が紅く染まった。
ああ、くそっ!?
綺麗なまま助けたかったさくらを汚しちまってる!
【さくら、無事か! 汚されてないか!?】
【わ、ぶ、無事です!】
手足は縛られていたけど下半身は服を着たままだった。
良かった! 何とか間に合ったんだ!
だけど、あいつを押しのけて助けたはずのさくらがひどく慌てていた。
乱暴に登場しすぎて驚かせちまったかな。
【すぐ解いてやる! 暴れんなよ!】
【ああ、駄目、駄目です! 武さん!!】
何が駄目なんだよ!
お前が汚されるほうが駄目だろ!
とにかく手の拘束を解くぞ!
震える手で布を無理やり引きちぎった。
・・・よし、これで大丈夫!
【あれ、どうして紅くなってんだ?】
さくらの肌がさらに紅く染まっていく。
おかしいな?
さくら、どっか怪我でもしてんのか!?
って、おいおい!?
うら若き乙女が服がはだけてるのに隠そうともせずに手を伸ばしちゃいかん!
どうして俺の身体を触ろうとしてんだよ。
【あああ、いけません!! すぐ、すぐに止血を!!】
【え?】
必死の形相のさくらに気圧されて自分の状況に思い至る。
だがその前に視界の端に鈍く光る刃が見えた。
「!?」
あいつがすぐそこまで刀で斬りかかって来ている。
さくらの横で手をついている姿勢だ。避けられねぇ!
あ、これは不味い。斬られる。
【死ね!】
このシンプルなセリフほど恐ろしいものはない。
言われるがまま漠然と死を覚悟してしまう。
動けるようにしたから、さくらは何とか逃げてくれるかな。
そんな呑気な思考が思い浮かんだ。
だけど俺は幸運にも味方がいた。
緑色のオーラを纏った細身の剣がその刃を押し返したのだ。
ぎいいぃぃん!
弾ける緑色の残滓。
「させませんわ!!」
あいつの刃をソフィア嬢が割り込んで弾き飛ばしていた。
ぎいん、ぎいん!
そのまま彼女は連撃で俺たちからあいつを遠ざけてくれているようだった。
さすがソフィア嬢! ナイス!
【よくやった、ソフィ・・・ァ・・・?】
あれ、声がうまく出ねぇ。
それよりさくらだ。さっきから慌てすぎだ。
【駄目! 武さん!!】
駄目ってなんだよ。
ああ、そうだよ。
半裸なのに俺が近くにいるから恥ずかしいのか。
紳士にしねぇとな。
そう思ってさくらから顔を逸して距離を取ろうとして。
床面についた手に力を入れたところ、変な音を立ててその手が滑った。
ねとり。
なんだコレ?
紅い。
血、だな。
え? なんでこんなに?
気付いたら床面が眼前に迫っていた。
がつん。
鈍い音がした。
あ、これ。頭を打ったな。
どうして痛くねぇんだろ?
おかしいな・・・。
耳元で誰かが大きな声をあげていたけれど。
何となく煩いな、と思うくらいで内容はよく聞き取れなかった。
あれ?
◇
■■ソフィア=クロフォード ’s View■■
天神駅で結弦様のご実家へ武様たちを見送った後。
さくら様と学園へ戻るところで。
歩く先から駆け足でこちらへ向かって来る方がいる。
背の高い、アッシュブロンドの髪をした男性。
すっとした雰囲気が貴族のようで人目を惹くわ。
あの特徴的な髪色は確か・・・。
「ソフィア=クロフォードと九条 さくらで間違いないか?」
麗しい外見ですのに、開口一番、まるで犯罪者の問い正しのよう。
見た目が素敵でも礼儀はなっていないようですわね。
「穏やかではありませんこと。先輩といえど、名乗るのはそちらからではなくて?」
「む、大変失礼した、レディ。無礼を許したまえ。小生は生徒会執行部のノーベルト=ホーヘンカンプだ」
あら、思ったより素直だわ。
手を胸に当てて紳士の礼。
相手が下級生でも居丈高になることもなく謝ることができる方。
柔軟な方は嫌いではなくてよ。
「わたくしがソフィア=クロフォード。お探しの者ですわ」
「わたしが九条 さくらです」
わたくしたちが名乗るとノーベルト様は改めて礼をした。
「君たちを生徒会長が呼んでいる、至急、生徒会長室へ向かってくれ」
「わたくしたちを、ですの?」
「そう、ご指名だ」
夏の終わりまで1年生は活動なしと言われている。
確かに今は夏休み明け。
会長から呼び出されても不思議ではないけれど、至急とは穏やかではないわね。
「ソフィアさん、土曜日に至急ということですからよほどでしょう。先ずは行ってみませんか?」
「・・・そうですわね。承知しましたわ、ノーベルト様」
「確かに伝えたぞ」
ノーベルト様の後ろ姿を見送りながら考える。
武様は既にオリエンテーリングで生徒会活動をしていらした。
わたくしたちに仕事が振られてもおかしくはない。
ですがあれから加入後の薫陶さえ受けていないというのに、唐突にわたくしたちへの呼び出し。
さくら様の言うとおり、よほど、ですわね。
「参りましょう、さくら様」
「はい」
まだ生徒会という組織を信用してはいない。
鬼が出るか蛇が出るか。
掴みどころのないアレクサンドラ会長を知る意味でも良い機会だわ。
◇
「では、わたくしがこれを持って行けば良いと」
「そうだ。必ず使用すべきときがある。ソフィア=クロフォード、君がそのタイミングを判断しろ」
生徒会長室はまるで司令部。
各所の監視カメラ映像に部活動の監視。
それに学外へ行った者のリストなど。
壁一面のモニターに所狭しと情報が表示されている。
学園の情報がここへ集約されていますわね。
監視される側は良い気分ではないけれど。
呼び出されて早々、アレクサンドラ会長より告げられたことはみっつ。
今日の午後、武様の身に危機が訪れること。
その危機はさくら様を助けるために起こるということ。
そしてその武様の危機を救うにはこのアーティファクトを持っていくこと。
「あの、俄には信じられません。わたしはこのとおり、武さんとご一緒ではないのです。例えばわたしが行かないという選択肢は・・・」
さくら様のもっともな疑問。
アレクサンドラ会長は首を振る。
「私がシミュレートした最適解だ。行かねば京極 武の命運は尽きるだろう」
「そんな・・・!?」
「さぁ時間がない。この場で益のない議論は赴かないと同義。選択の時だ」
整然と述べるアレクサンドラ会長。
その神を思わせる面持ちが今は冷徹さを感じさせる。
武様の生命を楯に決断を迫っているわ。
さくら様と顔を見合わせた。
そのまま頷き合う。
武様のことであれば、わたくしたちの答えなど決まっている。
けれども易々諾々と指示に従うほど、わたくしは貴女を盲信はしていない。
「ひとつだけお聞かしくださいまし。なぜそこまで武様に肩入れされていらっしゃるの?」
「簡単なことだ。高天原学園の全生徒の生命を護り、その力を育てるのが高天原学園生徒会の目的であり使命だからだ」
お題目のようにその志を唱える。
聖職者を彷彿とさせる凛とした会長の言。
彼女のアクアマリンの瞳がその言霊の意思を伝えてくる。
それを鵜呑みにすれば感嘆の吐息も漏れようもの。
彼女のカリスマがそのように仕向けている。
・・・ですが。
わたくしには、これはうわべの言葉に聞こえる。
「そのような綺麗事だけではありませんでしょう」
「ソフィア=クロフォード、やはり君は聡いな。だがこれは君たちが帰ってから話すと約束しよう。今は一刻を争う、必ず10時の電車に乗りたまえ」
その不敵な笑みがこの方の立ち位置を強調している。
手の届かない位置にいると思い知らされているようで心の奥底に炎が灯る。
必ずわたくしが、学園のすべてに届くその椅子に座ると。
◇
見送った手前、後追いするのは格好がつかないわ。
例え急いでいても。
これはわたくしの矜持ですの。
そう打ち明けるとさくら様から妙案をいただく。
「変装してはどうでしょうか」
さくら様もわたくしも、ディスティニーランドで身を隠した実績がある。
気付かれず武様のお傍で様子を見る。
ええ、これで万事、うまくいくわ!
結弦様の実家に到着したとき、ちょうど3人が出てきたところだった。
「あ、駄目です。近づくと気付かれます」
「ですがこの位置では会話が聞こえませんわ」
蜜柑畑の木に隠れながら彼らに近づく。
大丈夫、わたくしたちは変装している。
たとえ気付いても観光客だと思うはず。
・・・え?
こちらに武様が向かって来るわね。
大丈夫よ、観光客観光客。
「なにしてんの、さくら、ソフィア」
「な、なぜわかりましたの!?」
「ソフィアさん、だから近づきすぎだと・・・」
か、観光客・・・!
呆気なく、ほんとうに呆気なく!
ひと目で看破されましたの!!
さすがは武様・・・わたくしたちの小賢しい策など無いようなものですわね・・・。
戻ったらさくら様と反省会よ。
「さ、さくら様が結弦様のことを心配されていらしたので、仕方なく同行させていただきましたのよ! 決して、武様が気になって仕方がないということではございませんわ!」
「ソ、ソフィアさん!?」
慌てて言い訳をする。
こ、これは会長の命令を隠すためのカムフラージュよ!
さくら様、ごめんなさい!
武様を目の前にするとこんな幼稚なことをしてしまうなんて!
うう、いつも冷静な思考ができなくなってしまうわ。
◇
結弦様のお屋敷へ上がりゲストルームへ通される。
純和風という飾りに感嘆する。
さすが日本、単純に見えて奥深い。
あの水を湛える竹筒の音もよく響いている。
この奥深さこそ、さくら様や結弦様の奥ゆかしさに通ずるのね。
ここでのお作法はさくら様を参考に。
座り方、姿勢、お茶のいただき方。
丁寧な所作は欧州でも同じ。
見ているだけで美しいわ。
「ありがとうございます。落ち着きます」
「このグリーンティーは学園で飲むものよりも香り高く甘いですわ。良い茶葉を使っているのかしら」
美味しいお茶は心を落ち着かせるわ。
武様もレオン様も結弦様も、ゆったりしていらっしゃる。
わたくしも激をお渡しするわ。
「結弦様、これから試験をお受けになるのですわよね」
「ええ、天然理心流の儀式です」
「わたくしもリヒテナウアー式剣術を修めた身。師からの認定が壁であることは承知しておりますわ。貴方がそのために日々、身を削りここに至ったことも」
そう、結弦様が積み重ねていらしたもの。
いつも伴に過ごしたわたくしだからこそ存じ上げている。
早朝の基礎的なトレーニング。
部活後の瞑想。
夕食後の素振り。
すべての礎となることを、ひとり愚直に積み重ねて。
誰に言われずとも、誰に褒められずとも。
ご自身で進むことだけが、ご自身に打ち勝つ術と知っていたから。
「努力は裏切りませんわ。わたくしたちと一緒に訓練したことも生きているはずですの」
「はい、身になっていると実感してます。皆さんもありがとうございます」
わたくしたちとの修練を思い浮かべているのか。
目を閉じてまだあどけなさが少し残る笑みを浮かべながら、結弦様は応えた。
ええ、これなら良い結果が得られそう。
「ほほほ、結弦様。これだけ皆で応援差し上げたのですから、結果は期待しておりましてよ」
この場の皆様も成功を祈っている。
結弦様、貴方が思っている以上にわたくしたちは応援しているの。
皆の意識が結弦様へ集まったところで、場に似つかわしくない大きな音を立てて戸が開いた。
【兄貴、親父から死合の儀をするのは・・・】
この方は・・・?
結弦様のご兄弟? それにしても似ていない。
面倒そうに話をしているところから、結弦様とはあまり良い関係ではなさそうね。
ところがその方は目の色を変えてさくら様の前に座って話し始める。
・・・あの表情はよく知っている。
異性に魅せられて擦り寄る顔。
花の蜜に釣られて虫が集まるかのように。
さくら様の露骨に困惑した表情。
いわゆる軟派のようなことをされているのだわ。
言葉がわからずとも様子で理解できる。
このような場所で、このような状況で。
ある意味、図太い方ですわ。
武様がそこに割って入った。
・・・一瞬。
そのほんの一瞬だけ浮かべた、武様とさくら様の表情をわたくしは見逃さなかった。
自分の想い人を狙った相手への、憤怒の表情。
自分の想い人に庇護されたときの、歓喜の表情。
武様が言い返すとその方は怒りを顕に立ち上がり怒鳴る。
結弦様が嗜めるとまた乱暴に戸を閉じて出ていく。
「皆さん、ごめんなさい。また見苦しいところを・・・」
「気にすんな、お前のせいじゃねえだろ。それよりさ、あとで『アトリット・ヤム』を案内してくれよ。折角、こっちまで来たんだし見てみたいんだ」
「え? 武さん興味があったんですか」
「あるぞ。俺は温故主義だからな、歴史を感じるもんとか好きなんだよ」
「そうなのですね! わたしも一緒に観たいです」
「あら、それならわたくしたちもご一緒ですわよね」
これは武様のお気遣いね。
・・・結弦様のためにこの場は流すわ。
結弦様、どうか無事、免許皆伝を掴み取ってくださいまし。
さくら様・・・わたくしが出遅れていることは百も承知。
さすがは我がライバル。
こうも見せつけられると嫉妬もするわ。
わたくしは決意を新たにした。
計画を成就させるためにはもっと前へ出なければいけないのだから。
建具が抜け落ちて四角い穴となった箇所から雨風が吹き抜ける。
その風雨で走り続けて火照った身体を冷やしながら俺たちは進んだ。
建物の最上階は大部屋になっていた。
かつて会議室だったのか、レストランだったのか。
今となっては瓦礫ばかりでそれを知ることはできない。
俺たちが知ることができたのはそのフロアの中央に人がふたりいる、ということだけ。
【いけません! 気を確かに・・・ああっ!?】
【はぁ、はぁ・・・おら、喚けよ!】
倒れている人影に覆いかぶさる人影。
逆行がシルエットだけを劇場のように浮かび上がらせていた。
びり、と布が力任せに破かれる音。
その動きから何が起こっているかを認知して・・・俺は激高してしまった。
【何してやがる!! さくらああぁぁぁ!!】
「武様!? いけませんわ!」
息が切れて倒れそうだとか、武器も持っていないだとか、相手には妖刀があるだとか。
そんな判断などそっちのけで後先考えずに身体が動いていた。
思考を放棄してあらんばかりの力を入れて駆け出る。
上にのしかかっているあいつは許さねぇ!
それだけが頭を支配していた。
【離れろおおぉぉぉ!!】
【邪魔する・・・がぁ!?」
【きゃあぁぁぁ!? 武さん!!】
飛び散る鮮血。
刀で牽制されたけどそのまま蹴り飛ばしてやったぜ!
上半身を顕にしたさくらの、雪のような肌が紅く染まった。
ああ、くそっ!?
綺麗なまま助けたかったさくらを汚しちまってる!
【さくら、無事か! 汚されてないか!?】
【わ、ぶ、無事です!】
手足は縛られていたけど下半身は服を着たままだった。
良かった! 何とか間に合ったんだ!
だけど、あいつを押しのけて助けたはずのさくらがひどく慌てていた。
乱暴に登場しすぎて驚かせちまったかな。
【すぐ解いてやる! 暴れんなよ!】
【ああ、駄目、駄目です! 武さん!!】
何が駄目なんだよ!
お前が汚されるほうが駄目だろ!
とにかく手の拘束を解くぞ!
震える手で布を無理やり引きちぎった。
・・・よし、これで大丈夫!
【あれ、どうして紅くなってんだ?】
さくらの肌がさらに紅く染まっていく。
おかしいな?
さくら、どっか怪我でもしてんのか!?
って、おいおい!?
うら若き乙女が服がはだけてるのに隠そうともせずに手を伸ばしちゃいかん!
どうして俺の身体を触ろうとしてんだよ。
【あああ、いけません!! すぐ、すぐに止血を!!】
【え?】
必死の形相のさくらに気圧されて自分の状況に思い至る。
だがその前に視界の端に鈍く光る刃が見えた。
「!?」
あいつがすぐそこまで刀で斬りかかって来ている。
さくらの横で手をついている姿勢だ。避けられねぇ!
あ、これは不味い。斬られる。
【死ね!】
このシンプルなセリフほど恐ろしいものはない。
言われるがまま漠然と死を覚悟してしまう。
動けるようにしたから、さくらは何とか逃げてくれるかな。
そんな呑気な思考が思い浮かんだ。
だけど俺は幸運にも味方がいた。
緑色のオーラを纏った細身の剣がその刃を押し返したのだ。
ぎいいぃぃん!
弾ける緑色の残滓。
「させませんわ!!」
あいつの刃をソフィア嬢が割り込んで弾き飛ばしていた。
ぎいん、ぎいん!
そのまま彼女は連撃で俺たちからあいつを遠ざけてくれているようだった。
さすがソフィア嬢! ナイス!
【よくやった、ソフィ・・・ァ・・・?】
あれ、声がうまく出ねぇ。
それよりさくらだ。さっきから慌てすぎだ。
【駄目! 武さん!!】
駄目ってなんだよ。
ああ、そうだよ。
半裸なのに俺が近くにいるから恥ずかしいのか。
紳士にしねぇとな。
そう思ってさくらから顔を逸して距離を取ろうとして。
床面についた手に力を入れたところ、変な音を立ててその手が滑った。
ねとり。
なんだコレ?
紅い。
血、だな。
え? なんでこんなに?
気付いたら床面が眼前に迫っていた。
がつん。
鈍い音がした。
あ、これ。頭を打ったな。
どうして痛くねぇんだろ?
おかしいな・・・。
耳元で誰かが大きな声をあげていたけれど。
何となく煩いな、と思うくらいで内容はよく聞き取れなかった。
あれ?
◇
■■ソフィア=クロフォード ’s View■■
天神駅で結弦様のご実家へ武様たちを見送った後。
さくら様と学園へ戻るところで。
歩く先から駆け足でこちらへ向かって来る方がいる。
背の高い、アッシュブロンドの髪をした男性。
すっとした雰囲気が貴族のようで人目を惹くわ。
あの特徴的な髪色は確か・・・。
「ソフィア=クロフォードと九条 さくらで間違いないか?」
麗しい外見ですのに、開口一番、まるで犯罪者の問い正しのよう。
見た目が素敵でも礼儀はなっていないようですわね。
「穏やかではありませんこと。先輩といえど、名乗るのはそちらからではなくて?」
「む、大変失礼した、レディ。無礼を許したまえ。小生は生徒会執行部のノーベルト=ホーヘンカンプだ」
あら、思ったより素直だわ。
手を胸に当てて紳士の礼。
相手が下級生でも居丈高になることもなく謝ることができる方。
柔軟な方は嫌いではなくてよ。
「わたくしがソフィア=クロフォード。お探しの者ですわ」
「わたしが九条 さくらです」
わたくしたちが名乗るとノーベルト様は改めて礼をした。
「君たちを生徒会長が呼んでいる、至急、生徒会長室へ向かってくれ」
「わたくしたちを、ですの?」
「そう、ご指名だ」
夏の終わりまで1年生は活動なしと言われている。
確かに今は夏休み明け。
会長から呼び出されても不思議ではないけれど、至急とは穏やかではないわね。
「ソフィアさん、土曜日に至急ということですからよほどでしょう。先ずは行ってみませんか?」
「・・・そうですわね。承知しましたわ、ノーベルト様」
「確かに伝えたぞ」
ノーベルト様の後ろ姿を見送りながら考える。
武様は既にオリエンテーリングで生徒会活動をしていらした。
わたくしたちに仕事が振られてもおかしくはない。
ですがあれから加入後の薫陶さえ受けていないというのに、唐突にわたくしたちへの呼び出し。
さくら様の言うとおり、よほど、ですわね。
「参りましょう、さくら様」
「はい」
まだ生徒会という組織を信用してはいない。
鬼が出るか蛇が出るか。
掴みどころのないアレクサンドラ会長を知る意味でも良い機会だわ。
◇
「では、わたくしがこれを持って行けば良いと」
「そうだ。必ず使用すべきときがある。ソフィア=クロフォード、君がそのタイミングを判断しろ」
生徒会長室はまるで司令部。
各所の監視カメラ映像に部活動の監視。
それに学外へ行った者のリストなど。
壁一面のモニターに所狭しと情報が表示されている。
学園の情報がここへ集約されていますわね。
監視される側は良い気分ではないけれど。
呼び出されて早々、アレクサンドラ会長より告げられたことはみっつ。
今日の午後、武様の身に危機が訪れること。
その危機はさくら様を助けるために起こるということ。
そしてその武様の危機を救うにはこのアーティファクトを持っていくこと。
「あの、俄には信じられません。わたしはこのとおり、武さんとご一緒ではないのです。例えばわたしが行かないという選択肢は・・・」
さくら様のもっともな疑問。
アレクサンドラ会長は首を振る。
「私がシミュレートした最適解だ。行かねば京極 武の命運は尽きるだろう」
「そんな・・・!?」
「さぁ時間がない。この場で益のない議論は赴かないと同義。選択の時だ」
整然と述べるアレクサンドラ会長。
その神を思わせる面持ちが今は冷徹さを感じさせる。
武様の生命を楯に決断を迫っているわ。
さくら様と顔を見合わせた。
そのまま頷き合う。
武様のことであれば、わたくしたちの答えなど決まっている。
けれども易々諾々と指示に従うほど、わたくしは貴女を盲信はしていない。
「ひとつだけお聞かしくださいまし。なぜそこまで武様に肩入れされていらっしゃるの?」
「簡単なことだ。高天原学園の全生徒の生命を護り、その力を育てるのが高天原学園生徒会の目的であり使命だからだ」
お題目のようにその志を唱える。
聖職者を彷彿とさせる凛とした会長の言。
彼女のアクアマリンの瞳がその言霊の意思を伝えてくる。
それを鵜呑みにすれば感嘆の吐息も漏れようもの。
彼女のカリスマがそのように仕向けている。
・・・ですが。
わたくしには、これはうわべの言葉に聞こえる。
「そのような綺麗事だけではありませんでしょう」
「ソフィア=クロフォード、やはり君は聡いな。だがこれは君たちが帰ってから話すと約束しよう。今は一刻を争う、必ず10時の電車に乗りたまえ」
その不敵な笑みがこの方の立ち位置を強調している。
手の届かない位置にいると思い知らされているようで心の奥底に炎が灯る。
必ずわたくしが、学園のすべてに届くその椅子に座ると。
◇
見送った手前、後追いするのは格好がつかないわ。
例え急いでいても。
これはわたくしの矜持ですの。
そう打ち明けるとさくら様から妙案をいただく。
「変装してはどうでしょうか」
さくら様もわたくしも、ディスティニーランドで身を隠した実績がある。
気付かれず武様のお傍で様子を見る。
ええ、これで万事、うまくいくわ!
結弦様の実家に到着したとき、ちょうど3人が出てきたところだった。
「あ、駄目です。近づくと気付かれます」
「ですがこの位置では会話が聞こえませんわ」
蜜柑畑の木に隠れながら彼らに近づく。
大丈夫、わたくしたちは変装している。
たとえ気付いても観光客だと思うはず。
・・・え?
こちらに武様が向かって来るわね。
大丈夫よ、観光客観光客。
「なにしてんの、さくら、ソフィア」
「な、なぜわかりましたの!?」
「ソフィアさん、だから近づきすぎだと・・・」
か、観光客・・・!
呆気なく、ほんとうに呆気なく!
ひと目で看破されましたの!!
さすがは武様・・・わたくしたちの小賢しい策など無いようなものですわね・・・。
戻ったらさくら様と反省会よ。
「さ、さくら様が結弦様のことを心配されていらしたので、仕方なく同行させていただきましたのよ! 決して、武様が気になって仕方がないということではございませんわ!」
「ソ、ソフィアさん!?」
慌てて言い訳をする。
こ、これは会長の命令を隠すためのカムフラージュよ!
さくら様、ごめんなさい!
武様を目の前にするとこんな幼稚なことをしてしまうなんて!
うう、いつも冷静な思考ができなくなってしまうわ。
◇
結弦様のお屋敷へ上がりゲストルームへ通される。
純和風という飾りに感嘆する。
さすが日本、単純に見えて奥深い。
あの水を湛える竹筒の音もよく響いている。
この奥深さこそ、さくら様や結弦様の奥ゆかしさに通ずるのね。
ここでのお作法はさくら様を参考に。
座り方、姿勢、お茶のいただき方。
丁寧な所作は欧州でも同じ。
見ているだけで美しいわ。
「ありがとうございます。落ち着きます」
「このグリーンティーは学園で飲むものよりも香り高く甘いですわ。良い茶葉を使っているのかしら」
美味しいお茶は心を落ち着かせるわ。
武様もレオン様も結弦様も、ゆったりしていらっしゃる。
わたくしも激をお渡しするわ。
「結弦様、これから試験をお受けになるのですわよね」
「ええ、天然理心流の儀式です」
「わたくしもリヒテナウアー式剣術を修めた身。師からの認定が壁であることは承知しておりますわ。貴方がそのために日々、身を削りここに至ったことも」
そう、結弦様が積み重ねていらしたもの。
いつも伴に過ごしたわたくしだからこそ存じ上げている。
早朝の基礎的なトレーニング。
部活後の瞑想。
夕食後の素振り。
すべての礎となることを、ひとり愚直に積み重ねて。
誰に言われずとも、誰に褒められずとも。
ご自身で進むことだけが、ご自身に打ち勝つ術と知っていたから。
「努力は裏切りませんわ。わたくしたちと一緒に訓練したことも生きているはずですの」
「はい、身になっていると実感してます。皆さんもありがとうございます」
わたくしたちとの修練を思い浮かべているのか。
目を閉じてまだあどけなさが少し残る笑みを浮かべながら、結弦様は応えた。
ええ、これなら良い結果が得られそう。
「ほほほ、結弦様。これだけ皆で応援差し上げたのですから、結果は期待しておりましてよ」
この場の皆様も成功を祈っている。
結弦様、貴方が思っている以上にわたくしたちは応援しているの。
皆の意識が結弦様へ集まったところで、場に似つかわしくない大きな音を立てて戸が開いた。
【兄貴、親父から死合の儀をするのは・・・】
この方は・・・?
結弦様のご兄弟? それにしても似ていない。
面倒そうに話をしているところから、結弦様とはあまり良い関係ではなさそうね。
ところがその方は目の色を変えてさくら様の前に座って話し始める。
・・・あの表情はよく知っている。
異性に魅せられて擦り寄る顔。
花の蜜に釣られて虫が集まるかのように。
さくら様の露骨に困惑した表情。
いわゆる軟派のようなことをされているのだわ。
言葉がわからずとも様子で理解できる。
このような場所で、このような状況で。
ある意味、図太い方ですわ。
武様がそこに割って入った。
・・・一瞬。
そのほんの一瞬だけ浮かべた、武様とさくら様の表情をわたくしは見逃さなかった。
自分の想い人を狙った相手への、憤怒の表情。
自分の想い人に庇護されたときの、歓喜の表情。
武様が言い返すとその方は怒りを顕に立ち上がり怒鳴る。
結弦様が嗜めるとまた乱暴に戸を閉じて出ていく。
「皆さん、ごめんなさい。また見苦しいところを・・・」
「気にすんな、お前のせいじゃねえだろ。それよりさ、あとで『アトリット・ヤム』を案内してくれよ。折角、こっちまで来たんだし見てみたいんだ」
「え? 武さん興味があったんですか」
「あるぞ。俺は温故主義だからな、歴史を感じるもんとか好きなんだよ」
「そうなのですね! わたしも一緒に観たいです」
「あら、それならわたくしたちもご一緒ですわよね」
これは武様のお気遣いね。
・・・結弦様のためにこの場は流すわ。
結弦様、どうか無事、免許皆伝を掴み取ってくださいまし。
さくら様・・・わたくしが出遅れていることは百も承知。
さすがは我がライバル。
こうも見せつけられると嫉妬もするわ。
わたくしは決意を新たにした。
計画を成就させるためにはもっと前へ出なければいけないのだから。
0
あなたにおすすめの小説
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』
チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。
その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。
「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」
そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!?
のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!
武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。
しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。
『ハズレスキルだ!』
同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。
そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる