前向き時々後ろ向き

10月6日

10月6日(日)


前日の件があり、どこにも出掛けず、１日家でゆっくり過ごした。

撮り溜めておいたDVD録画を見たり、本を読んだり……

静かに流れる家族の時間が心地好かった。

同時に、今日また病院に戻るのか……と憂鬱な気持ちにもなった。


旦那が家にいる間、娘達もいた手前、病気の話や今後の話等はほとんどしていない。

ただ、色々検査して大体原因が見えてきたから、来週あともう２,３個検査をした後、ステロイドでの治療を開始すると言われたという話は聞いた。

あぁ、いよいよか………と、不安になったけれど、誰より何より不安なのは旦那自身の筈。

なのに、彼は不安な素振りは見せず、寧ろ早く治療を済ませて退院したいと言うばかり。

私が不安がってネットで調べたりしていると「何？ 俺死ぬの？まだ死なねーよ」と、病気と闘う気満々。

素で言っているのか、強気なふりをしているのかは私には分からなかった。


この日のお昼は、旦那がやたら食べたいと言っていた焼き魚。

「魚旨い！」と言いながら、ただの鮭の塩焼きをご馳走のように喜んで食べてくれた。

かと思えば、下の娘が大の鮭好きなので、自分の分を少し娘に分けてあげていた。

それ見て何とも言えない気持ちになった。


夜は、旦那と上の娘が大好きな餃子を作った。

ひき肉と餃子の皮をいつもの倍以上買って、上の娘にも手伝って貰いながら大量に包んだ。

ちゃんと羽根のついたこんがり焼き色の餃子は我ながら良い出来だった。

下の娘は、旦那との別れが辛いのか、あまり食が進まず……

それを見た義父が「何だ？じーちゃんと一緒で餃子嫌いか？」と。

その台詞を聞いて、私やっぱりこの人の事を好きになれない、と心の底から思った。


早めの夕ご飯を終えて、荷物を準備し、家族4人で病院へと向かった。

その道中、旦那がやたら饒舌に喋り、昔の話等も飛び出した。

この時運転していたのは私で、いつまでも着かなければいいのに……と思ってた。

車で10分ちょいの距離はあっという間で、やだやだ言いながら荷物を降ろす旦那をなんやかんやと宥めながら、夜間・休日用の出入口から病室へと向かった。

エレベーターの中でも争うように旦那に纏わりつく娘達と、それに目を細めながら応える旦那。

また来週も外泊許可降りたらいいな……と思ったけれど、病室に着いて看護師さんに言われて体温を測ったら、38.0℃と熱があり、以後の外泊は厳しい事を悟った。

 本人は熱の自覚なしで、大丈夫だと言い張るけれど、こうして数字で出てしまった以上、何かしら無理が体に掛かったんだろう。

今後は、病院にいて貰った方が安心だと思う。 


いつものように旦那はエレベーター前まで見送りに来てくれ、娘１人ずつとハグをした。

それから「気を付けて、ありがとう」とエレベーターの扉が閉じるまで手を振ってくれた。

２日間の家族の時間は、あっという間に終わってしまった。