前向き時々後ろ向き

江上蒼羽

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10月5日

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10月5日(土)


外泊許可が降りて一時帰宅している旦那は、朝早く起床。

ゆっくり寝てれば良いのに……と言う私に、狭いし、娘達の寝相の悪さに参ったと旦那は嘆いた。

それでも娘達の温もりに癒されたのか、下の娘の寝顔を見ながら「可愛いなぁ…」と呟き、上の娘がヨダレを垂らす姿を見てゲラゲラ笑ってた。

久し振りに1人じゃない朝ご飯。

何を話したか覚えてないけれど、ご飯が美味しく感じた事はちゃんと覚えている。

旦那が入院してから飲まなくなったコーヒーも二人で美味しく頂いた。


午前中、上の娘は部活に行き、私は食材を買いに車で出掛けた。

旦那と下の娘は仲良くお留守番。

今後の生活を考えて節約しなければならないのは分かっているけれど、せっかく旦那が帰って来ているのだから、あれも食べさせたい、これも食べさせたい……と、ついつい沢山買い込んでしまった。


お昼は旦那が作ってくれた。

何でも娘達にお父さん特製の焼きそばとスープを食べさせたいのだそう。

娘達は旦那が作る焼きそばとめんつゆベースのスープが大好きで、沢山お代わりをして食べる。

この日も6玉分の焼きそばがあっという間になくなった。

THE男の料理という感じで、分量はテキトー、調味料は思い付きで色々入れる……等々、豪快な品なのだけれど、何故か凄く美味しい。

悔しいけれど、焼きそばに関しては完敗。

娘達が夢中で食べる様子を「よく食うな~」と旦那は笑ってた。


午後からは旦那が色々行きたいから……と、4人で買い物に出掛けた。

一週間振りに愛車を運転した旦那は「運転の感覚忘れてそう…」と怖い事を言いつつ、嬉しそうにハンドルを握ってた。

あちこち見て回り、久し振りの外出を満喫していた旦那だけれど、時々苦しくなるのか、気付くとベンチに腰を降ろして背中を丸めてた。

心配そうに旦那に寄り添う娘達。

しんどそうにしている旦那に対して、何もしてあげられない自分の無力さが悔しくて堪らなかった。 

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