前向き時々後ろ向き

江上蒼羽

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10月16日

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10月16日(水)


検査なし。

血圧、酸素数値異常なし。


これといった検査はなく、やる事は朝の薬服用のみで暇をもて余していた様子の旦那。

それに対して、今後の生活を考えてダブルワークを検討していた私。

とにかく早く働かなきゃ……と焦ってた。

合間を見てハローワークに寄ったり、タウン情報誌に載ってる求人をチェックしたり、ネットで探してみたり……と、職探しに勤しんでいた。

探してみると私の希望通りの職は結構ある。


・夜間のパチンコ屋の清掃
・土日のみの配達
・土日祝日のみホテルのベッドメイク
・早朝の新聞配達


いくつかリストアップして旦那に「どう?」と相談してみたものの……


夜間や早朝は、寒くなった時の路面凍結や眠気で事故を起こしたら困るから却下。

ホテルは仕事場までの距離が遠いから却下。

土日に家にいないのは子供達が可哀想だから却下。


見事に全部却下された。

とはいえ、私もめげないもんで、旦那が納得してくれるような仕事を懸命に探した。

で、これなら納得してくれるだろう……と確信した求人を旦那に提出。

ラブホテルのベッドメイクと清掃の仕事で、土曜の夜間のみの仕事。

家からそんなに離れていないし、子供達が寝ている間に仕事が出来、日曜は子供達と一緒にいられる。

夜間の仕事とあって、時給もかなり良い。

これなら文句はないだろう……と、すぐ面接希望を出す気で履歴書まで購入した。

なのに、旦那は首を縦には振らなかった。

夜間に子供達だけにするのは心配だとか、義父がいても頼りにならないからとか、色んな理由をつけられ却下。

何でだ?!と、やる気を挫かれて不貞腐れる私に旦那が強めの口調で説教を始めた。

旦那が小学3年生の頃、親が離婚して父親である義父に引き取られたものの、義父は飲みに出歩いてばかりで、旦那は夜に一人で家にいる事が多かったそう。

だから、自分が嫌だった事を子供達にはさせたくないという。

ただでさえ日頃から“疲れた”やら“しんどい”ばかり言っているのに、土日も働いたらもっと辛くなるんじゃないか、とか

難病の申請をしたんだから、医療費もそんなに掛からないだろうし、無理に仕事を増やす必要はないだろう………というのが旦那の意見。

半分怒りが込められた口調ながら、一応は私の体も心配してくれているらしい。

渋々、ダブルワークを諦めた。

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