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しおりを挟む「何だ……私がいなくても課題出来たんじゃん」
複雑そうというか、面白くなさそうな態度の先輩に俺は得意気に笑って言う。
「いやいや、アイブロウ先輩の存在がなかったら終えられなかったんで」
先輩は不思議そうに瞬きを増やしてから「えー?何それ」と笑う。
「私何にも手助け出来てないし」
「はは……ま、とにかく先輩のお陰っす」
納得いかない様子のアイブロウ先輩に、先輩に対する百田の態度が気に入らなくて……という執筆理由は伏せておく。
「……もう図書室には来ないの?」
先輩の上目遣いに一瞬やられそうになった。
「ん、まぁ……その方が先輩も気が楽っしょ?」
百田と二人っきりになれるし、という言葉は何となく言いたくなくて飲み込んだ。
てっきり先輩は「そうだね」と清々しさを全面に出して言うかと思ったのに、意外にもしんみりとしていて
「少し、寂しくなるなぁ……」
と、いつものノートを開きながら呟いた。
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