物語の始まりは…

江上蒼羽

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アイブロウ先輩の意外な反応に若干拍子抜け。

だからついつい「そうなんすか?」と間の抜けた返しをしてしまう。


「普通に学校生活送ってると接点ないじゃん?現に今までお互いの存在を知らなかった訳だし」


言ってから先輩は「あ、でも」と付け加える。


「私は清原くんの事知ってたよ。目立つもん」


屈託なく笑うアイブロウ先輩。


「私のクラスにもファン多いみたいだし。学校のアイドル的な?凄いよねぇ」


それは自分でも自覚しているけど、アイブロウ先輩から言われると何だかこそばゆい。


「アイブロウ先輩にも俺のファンになって欲しいな」


おふざけ口調で言うと、先輩は「えー?」と首を傾げる。


「ファンになったら何か特典あるの?」


そう聞かれて少し考えてみる。

期待が籠もったアイブロウ先輩の目が何とも愛らしい。


「そうだなぁ……じゃあ、今ファンになってくれたら、俺とデート出来るってのはどうすか?」


途端に、アイブロウ先輩は露骨に嫌そうな顔をする。

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