空色の姫と小鳥

秋野清香

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逃さなきゃと強く思った

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あの日のことは忘れない。

素敵な新年の幕開けだった。
金、紅、碧、紫、白、黒様々な色の衣を纏った姫が新しい年の訪れを言祝ぎ歌い踊っていた。

怖い顔ばかりの護衛もしかめ面の文官も王の下に集いお酒を呑みながら、東西南北各地の領地から集めた珍味に舌鼓を打つ。

空色の姫と呼ばれていた私は、空色の衣を翻し父である王の庭園をがむしゃらに駆けていた。

庭園には父のお気に入りの小鳥がいる。
どんな歌姫よりも澄んだ声で囀る小鳥。
声だけではなく姿も素晴らしい。
艶やかな黒の毛並み、お月様のように輝く琥珀色の瞳。
父は小鳥を人前には出さなかった。
私は父が仕事で訪れない昼間にこっそり庭園に忍び込み小鳥を愛でた。
私は、小鳥を逃す。
籠の鍵を開け、足の鎖を外して、庭園の外に放した。

小鳥は一目散に飛んで行った。
どうして私が逃したのか理由も聞かず、さよならの挨拶さえせず飛んでいく。

どうして私は小鳥を逃がしたのか、父にもひどく問い詰められたが理由は誰にも話さない。
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