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「あっ! しまった……また忘れてた……」
「忘れてた?」
ビクリと跳ねたリエンナに、スイレンは青ざめた顔で縋り付く。
「大魔王がいるんです……」
「え?」
困った顔でスイレンの背中を擦るリエンナが夫を見る。
同じく困った顔の旦那さんがスイレンの肩に手を起き、優しく声をかけた。
「スイレンさん、一緒に謝りましょう。
リエンナ、着替えておいで……ミケラウス殿下とニール様が御見えだよ」
「大魔王に睨まれる……またお小言をチクチク言われるぅ。嫌だぁ」
「ミケ坊っちゃま……」
リエンナの夫の背後から、そっと客間を覗くとドス黒いオーラが充満していた。
「……ヒィッ」
「遅かったな、まさか私達の存在を忘れていたなどと言わないよなぁ?」
鋭い視線と真っ黒い笑顔がスイレンを突き刺し、胃をキリキリと締め付けているようだ。
「ミケラウス殿下、ニール様。お待たせしてしまい、申し訳ありません」
「申し訳ありません!!!」
スイレンを詰めようとしたミケラウスがリエンナの夫が目元を赤くし、少し腫らしているのを見つけ、動きを止める。
「何があった……」
「妻の……不調を治していただきました……本当に、ありがとうございますッ」
涙声になるリエンナの夫に、2人はそれ以上、何も言えなかった。
やがて、スイレンとリエンナの夫の後ろから足音が聞こえてくる。
白いワンピースにストールを羽織ったリエンナが遠慮がちに夫の後ろから顔を出した。
ミケラウスは勢いよく目を逸らし、ニールが微笑みかける。
「リエンナさん、お久しぶりです。お元気そうで……安心しました」
「ミケラウス殿下、ニール様、ご心配お掛けし……お待たせしてしまい、その上このような格好で……何から何まで申し訳ありません。言ってくだされば私の方からお城へ参りましたのに……」
「頭を上げてくれ、身体に障る」
相変わらずそっぽを向いたままのミケラウスがすぐに答える。
一先ずリエンナを椅子に座らせ、御夫婦と向き合う形で、ミケラウスの隣に座ったスイレンはテーブルの下でその膝に置かれた拳の上に自分の手を重ねた。
「大丈夫です。もう解けてますから」
ビクリと跳ねたミケラウスがゆっくりと顔をあげ、正面のリエンナの視線と重なる。
目が合ったリエンナも僅かに顔を強ばらせた。
気付いたミケラウスが慌てて視線を逸らすが、スイレンの手を握りしめ真っ直ぐにリエンナを見る。
「ッ……すまない。私は、呪いのせいとは言え……いくらでも伝える方法はあったというのに、心を尽くしてくれているもの達を蔑ろにし、その気持ちを踏みにじった。私だけが苦しいのだと、誰もわかってはくれないのだと……確かに小さな私はリエンナに沢山の愛を貰っていたはずなのに。だから、寝る前や病に寝込んだ時、ふとした時にいつも私に声をかけるリエンナの笑顔が浮かぶんだ。長い間、苦しめて本当にすまなかった」
「忘れてた?」
ビクリと跳ねたリエンナに、スイレンは青ざめた顔で縋り付く。
「大魔王がいるんです……」
「え?」
困った顔でスイレンの背中を擦るリエンナが夫を見る。
同じく困った顔の旦那さんがスイレンの肩に手を起き、優しく声をかけた。
「スイレンさん、一緒に謝りましょう。
リエンナ、着替えておいで……ミケラウス殿下とニール様が御見えだよ」
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「ミケ坊っちゃま……」
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「……ヒィッ」
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鋭い視線と真っ黒い笑顔がスイレンを突き刺し、胃をキリキリと締め付けているようだ。
「ミケラウス殿下、ニール様。お待たせしてしまい、申し訳ありません」
「申し訳ありません!!!」
スイレンを詰めようとしたミケラウスがリエンナの夫が目元を赤くし、少し腫らしているのを見つけ、動きを止める。
「何があった……」
「妻の……不調を治していただきました……本当に、ありがとうございますッ」
涙声になるリエンナの夫に、2人はそれ以上、何も言えなかった。
やがて、スイレンとリエンナの夫の後ろから足音が聞こえてくる。
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ミケラウスは勢いよく目を逸らし、ニールが微笑みかける。
「リエンナさん、お久しぶりです。お元気そうで……安心しました」
「ミケラウス殿下、ニール様、ご心配お掛けし……お待たせしてしまい、その上このような格好で……何から何まで申し訳ありません。言ってくだされば私の方からお城へ参りましたのに……」
「頭を上げてくれ、身体に障る」
相変わらずそっぽを向いたままのミケラウスがすぐに答える。
一先ずリエンナを椅子に座らせ、御夫婦と向き合う形で、ミケラウスの隣に座ったスイレンはテーブルの下でその膝に置かれた拳の上に自分の手を重ねた。
「大丈夫です。もう解けてますから」
ビクリと跳ねたミケラウスがゆっくりと顔をあげ、正面のリエンナの視線と重なる。
目が合ったリエンナも僅かに顔を強ばらせた。
気付いたミケラウスが慌てて視線を逸らすが、スイレンの手を握りしめ真っ直ぐにリエンナを見る。
「ッ……すまない。私は、呪いのせいとは言え……いくらでも伝える方法はあったというのに、心を尽くしてくれているもの達を蔑ろにし、その気持ちを踏みにじった。私だけが苦しいのだと、誰もわかってはくれないのだと……確かに小さな私はリエンナに沢山の愛を貰っていたはずなのに。だから、寝る前や病に寝込んだ時、ふとした時にいつも私に声をかけるリエンナの笑顔が浮かぶんだ。長い間、苦しめて本当にすまなかった」
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