名前も知らない大きな木の下でキスをした

新堂茶美

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悪女の最後

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信じて待ち続けたあなたは胸に花嫁を抱き、私に剣先を向けた。

「僕達はもう大人になったんだ。君だって望んでいたことでは無いのだろう?」

いいえ。ずっと待っていたわ。あなたに拒絶される事が怖くて……それでもずっと見続けていたの。

「……あなたをお慕いしております。あの頃も今も。ずっと」

初めて気持ちを伝えられた安堵感から足の力が抜け、その場に崩れ落ちる。

「残念だが……僕は初めて会った時から君のことを想ったことはない。そしてこれからも。だから……君が災いを起こそうというのなら、躊躇わず君を切るよ」

抱えている萎れた花は、私のズキズキとした胸の痛みを現すかのようにどす黒い靄を纏わせる。

「そんなつもりじゃ……」

あなたの胸の中で震える花嫁と目が合った時、その痛みが激しくなって、靄を大きくさせ、花嫁へと襲いかかる。

痛みは一瞬。
迷わず貫かれた心臓はそこで動きをとめた。憎しみに歪んだあなたを見つめたままに。
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