ガーディアンズ 宇宙最強の少女達

明日は五月雨

文字の大きさ
35 / 54

第三十三話 クロノ中佐

しおりを挟む
 スリカ少佐との距離は、およそ10メートル。
 十分射程範囲内だ。

「今度は私が攻撃をする番だ」

 大地を力強く蹴り、瞬間移動のように一瞬で距離を縮めた。

「早い!? だが!」
 
 が、スリカ少佐の反応も早く、私が近づいてきてすぐ、持っていた剣を平らにして、アンダースローの動きで横から斬ってきた。

「今度こそ終わりだ!」

「お前がな」

 剣が私の皮膚に触れるより早く、私のデコピンが、スリカ少佐の可愛らしいおでこに炸裂した。

 パパパパッ――。

「なんだこれは!?」

「ははは! 残念。バリアだ」
 
 ガラスのような、目に見えないバリアが何枚も割れた。
 が、スリカ少佐は無傷だ。
 バリアか。なら今度は威力を抑えずに――。

「もう一発」

 手加減せずに、スリカ少佐を殺すつもりで、デコピンを放つ。

 パパパパパパパパパパパパパパパパパパッ――。

 何十個もの見えないバリアを一気に砕いていった。
 そして――。

 ――パパパパパパリンッ!

「馬鹿な!? ダイヤと同じ硬度のバリアが――うぎゃっ!」

 バリアが全部消滅し、デコピンの衝撃でスリカ少佐の小さな体が吹っ飛び、その先にいたシーナ大佐に捕まえられる。

「うう~…………」

 スリカ少佐はくるくると目を回して、気絶していた。

「よかった。殺してはいない、か」
 
 私はスリカ少佐が死んでいない事に、胸を撫で下ろしていた。
 その一方で、目を回して気を失うスリカ少佐を猫のように持ちながら、シーナ大佐が――。

「ぷっ――くっははは、こいつはいいぞ、傑作じゃないかスリカ!」

 よほど可笑しかったのか、しばらくの間お腹を抱えながら笑い。落ち着いた所で、思い出したように私へと声をかけてきた。

「スリカがこれじゃあ、負けたも同然だ。
 よってこの勝負、余の独断で、クロノの勝利とする!」
 
 数十分後。

 目を覚ましたスリカ少佐の転移で、私達は再びシーナ大佐の部屋にいた。
 おでこに湿布を貼り、目が覚めてからずっと拗ねているスリカ少佐を横目に、シーナ大佐が、机の引き出しからリボンの付いた勲章を出し、私の胸に付けた。

「おめでとう。
 今日からクロノ。お前を『中佐』に任命する」

「ありがとう」

 人から物を貰うなんてウルカ以外ないので、なんだか嬉しい気持ちが込み上げ、勲章を触りながら、私は素直にお礼を言う。

「ふん、すぐ自分がその勲章を奪ってやる」

「そんなことを言っていいのかスリカ。もうクロノはお前の上官だぞ」

 シーナ大佐の一言で、スリカ少佐の全身にぶわっと汗が吹き出し、ギギギとぎこちない動きで私に敬礼してきた。

「……奪ってやります。クロノ……中佐」

 身長差のせいで、上目遣いになりながら敬礼するスリカ少佐の姿は、とても可愛いかった。
 私はつい、無意識に頭を撫でながら、一言。

「いいぞ、いつでも奪ってみせろ。スリカ少佐」

「ぐっ、ぐぬぬぬぬ……」

 恥ずかしいのか、顔を真っ赤にして悔しがるスリカ少佐。
 その姿もとても可愛い。ますます撫で撫でを激しくしていく――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

『続・聖パラダイス病院』

菊池昭仁
現代文学
『聖パラダイス病院』の続編です。こんな病院なら入院生活も悪くはありません。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...