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マナーとは
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ねっとりとした視線のせいで、身体の熱が下がらない。
自分を落ち着かせようと吐いた息すら官能的で、耳が熱くなった。
「感じやすい君なら、このままでもイけるかもしれない」
ふと呟いたメテオシュタインが、おもむろに舌で乳首を愛撫し始める。
「、ありえないっ」
ジンと痺れるような感じがして、アステルは叫ぶように言っていた。先ほどはそこを舐められても、何も感じなかったのに…。
「ならば、試してみよう」
片側を舌で、もう片方を指で転がす彼は心底愉しげだ。
アステルは妙な感覚に焦りを覚え、必死で身を捩ろうとしたが無駄だった。背中で拘束している彼の手に押されられているため、胸を突きだすような恰好すら変えられない。
「も、やめろっ」
「望んだのは君だ」
「望んでないっ!」
精一杯睨みつけても、メテオシュタインはその唇に愉悦を滲ませ、雄の目を細めて笑うだけ。
(もういっそ、)
「……普通にイかせろっ」
「嫌だったんじゃないか?」
「こんなふうにされるより、マシだっ」
すると眉を上げて鼻で笑ったメテオシュタインは、アステルの中心を掴んで扱き、いとも簡単に絶頂へと導いた。
「まっ、――――ッ」
突然のことに、アステルは息も絶え絶えだ。拘束されていた腕もようやく解放され、ガクリと前屈みになった。
「次は君の番だな」
ふと囁かれ、かすかに顔を上げる。
「その口とアヌス、どちらでしてくれるんだ?」
「っ手で充分だろ」
どうしてアステルの選択肢となると、そうなのだ。
アステルはぐわっと顔を上げた。
目を細めた彼は、長い指を伸ばしてアステルの首筋に触れる。
「せっかくこの装置をつけてやったんだ。有効活用するがいい」
「……効果なら実証済みだ。もういらない」
さっさと取ってしまおうと伸ばした手は、大きな手に阻まれた。
「いきなり突っ込まれたら、困るのは君だろう」
何を、などと、聞く気にはなれない。物騒に光るロイヤルパープルの瞳を前に、アステルはチョーカーを外すことを断念した。
なおも睨み続けて動こうとしないアステルに、メテオシュタインは肩をすくませる。
「経験のない君に免じて、今日のところは手での奉仕を許可してやろう」
(一言余計だっ)
アステルは眉根を寄せて心の中で溢すと、彼のズボンを寛げた。
まったく何が悲しくてこんな事をしなくてはならないのか。
それでも、メリットがないと言いながら、わずかな希望を含んだ妙なゲームを提案してくれた事には感謝している。
(こんな内容でも 、一蹴されて対峙することになるよりマシか…)
その大きさにギョッとして固まったアステルを眺める愉しげな瞳。
他人のものに触れるのが初めてなアステルは、そろそろと手を伸ばし、たどたどしい手つきで彼を絶頂へ導こうとした。
「幼子のままごとでも見ているようだ」
「うるさいっ」
なんだかんだで濡れているのだから、彼だって感じているはずだ。
「君はそれでも十八か」
「年なんて、関係ないだろっ」
「たしかにな」
アステルは躍起になって両手で扱く。
「私のやり方をちゃんと見ていたか?」
彼のいやらしい手つきならうっすら見ていた。
ムッと唇を結んで、それらしくやってみる。
「いいぞ、アステル」
腰がムズムズするような声音はわざとだろうか。アステルは熱くなった身体から意識をそらすように彼に集中した。
「口も使ってみたらどうだ」
「……断る」
指より口でやられたほうが感じた乳首を思い出し、アステルは眉根を寄せる。しかし、余裕そうな彼を見ていると、このまま手でやり続けてやり遂げることが出来るのか、にわかに不安になってきた。
(口に、入れるだけ…)
それで結局、彼の腿から降りると、しゃがんでおっかなびっくり顔を近づけた。
軽く睫毛を伏せて、そろりと伸ばす舌。
(ほろ苦い、ような)
思ったほど嫌な味でなくて良かった。今度は先端をちょっと口に含んで吸ってみる。
「、」
かすかに彼の身体が揺れた。
(この人も口のほうが感じるんだ)
確信を抱き、もう少し奥まで進ませる。
舌で裏筋を舐め上げたり、ギュッと口をすぼめて手で扱くようにやってみたりした。そのうち、それがドクリと脈打って、アステルは慌てて口から出そうとする。しかし、頭の後ろを抑えてガッと押され、逆に奥まで咥え込むことになってしまった。
(くるしぃっ)
アステルが死に者狂いで顔を離そうとしたのと彼が精を放ったのは同時だった。
ゲホッゲホッ
口の中に注ぎ込まれたものをなんとか吐き出す。少し、飲み込んでしまったかもしれない。喉に絡みつくような感覚に眉根を寄せる。
「すべて飲みこむのがマナーだろう」
「知るかっ」
彼らのマナーなど知りたくもない。
だいたい、侵されたエネルギーを持つ果物でさえあんなに抵抗があったのだ。こんな、エネルギーの原液みたいなものを飲んでしまったと思うとゾッとする。
「体内が侵されていないか、また確かめるか?」
「……このチョーカーが、防いでくれるんだろ」
あの実は、一日に何粒も食べるものではない。
アステルはよろりと立ち上がって身だしなみを整える。
「次はきちんとすべて飲み干せよ」
「断る」
そうして、アステルは部屋を後にした。
自分を落ち着かせようと吐いた息すら官能的で、耳が熱くなった。
「感じやすい君なら、このままでもイけるかもしれない」
ふと呟いたメテオシュタインが、おもむろに舌で乳首を愛撫し始める。
「、ありえないっ」
ジンと痺れるような感じがして、アステルは叫ぶように言っていた。先ほどはそこを舐められても、何も感じなかったのに…。
「ならば、試してみよう」
片側を舌で、もう片方を指で転がす彼は心底愉しげだ。
アステルは妙な感覚に焦りを覚え、必死で身を捩ろうとしたが無駄だった。背中で拘束している彼の手に押されられているため、胸を突きだすような恰好すら変えられない。
「も、やめろっ」
「望んだのは君だ」
「望んでないっ!」
精一杯睨みつけても、メテオシュタインはその唇に愉悦を滲ませ、雄の目を細めて笑うだけ。
(もういっそ、)
「……普通にイかせろっ」
「嫌だったんじゃないか?」
「こんなふうにされるより、マシだっ」
すると眉を上げて鼻で笑ったメテオシュタインは、アステルの中心を掴んで扱き、いとも簡単に絶頂へと導いた。
「まっ、――――ッ」
突然のことに、アステルは息も絶え絶えだ。拘束されていた腕もようやく解放され、ガクリと前屈みになった。
「次は君の番だな」
ふと囁かれ、かすかに顔を上げる。
「その口とアヌス、どちらでしてくれるんだ?」
「っ手で充分だろ」
どうしてアステルの選択肢となると、そうなのだ。
アステルはぐわっと顔を上げた。
目を細めた彼は、長い指を伸ばしてアステルの首筋に触れる。
「せっかくこの装置をつけてやったんだ。有効活用するがいい」
「……効果なら実証済みだ。もういらない」
さっさと取ってしまおうと伸ばした手は、大きな手に阻まれた。
「いきなり突っ込まれたら、困るのは君だろう」
何を、などと、聞く気にはなれない。物騒に光るロイヤルパープルの瞳を前に、アステルはチョーカーを外すことを断念した。
なおも睨み続けて動こうとしないアステルに、メテオシュタインは肩をすくませる。
「経験のない君に免じて、今日のところは手での奉仕を許可してやろう」
(一言余計だっ)
アステルは眉根を寄せて心の中で溢すと、彼のズボンを寛げた。
まったく何が悲しくてこんな事をしなくてはならないのか。
それでも、メリットがないと言いながら、わずかな希望を含んだ妙なゲームを提案してくれた事には感謝している。
(こんな内容でも 、一蹴されて対峙することになるよりマシか…)
その大きさにギョッとして固まったアステルを眺める愉しげな瞳。
他人のものに触れるのが初めてなアステルは、そろそろと手を伸ばし、たどたどしい手つきで彼を絶頂へ導こうとした。
「幼子のままごとでも見ているようだ」
「うるさいっ」
なんだかんだで濡れているのだから、彼だって感じているはずだ。
「君はそれでも十八か」
「年なんて、関係ないだろっ」
「たしかにな」
アステルは躍起になって両手で扱く。
「私のやり方をちゃんと見ていたか?」
彼のいやらしい手つきならうっすら見ていた。
ムッと唇を結んで、それらしくやってみる。
「いいぞ、アステル」
腰がムズムズするような声音はわざとだろうか。アステルは熱くなった身体から意識をそらすように彼に集中した。
「口も使ってみたらどうだ」
「……断る」
指より口でやられたほうが感じた乳首を思い出し、アステルは眉根を寄せる。しかし、余裕そうな彼を見ていると、このまま手でやり続けてやり遂げることが出来るのか、にわかに不安になってきた。
(口に、入れるだけ…)
それで結局、彼の腿から降りると、しゃがんでおっかなびっくり顔を近づけた。
軽く睫毛を伏せて、そろりと伸ばす舌。
(ほろ苦い、ような)
思ったほど嫌な味でなくて良かった。今度は先端をちょっと口に含んで吸ってみる。
「、」
かすかに彼の身体が揺れた。
(この人も口のほうが感じるんだ)
確信を抱き、もう少し奥まで進ませる。
舌で裏筋を舐め上げたり、ギュッと口をすぼめて手で扱くようにやってみたりした。そのうち、それがドクリと脈打って、アステルは慌てて口から出そうとする。しかし、頭の後ろを抑えてガッと押され、逆に奥まで咥え込むことになってしまった。
(くるしぃっ)
アステルが死に者狂いで顔を離そうとしたのと彼が精を放ったのは同時だった。
ゲホッゲホッ
口の中に注ぎ込まれたものをなんとか吐き出す。少し、飲み込んでしまったかもしれない。喉に絡みつくような感覚に眉根を寄せる。
「すべて飲みこむのがマナーだろう」
「知るかっ」
彼らのマナーなど知りたくもない。
だいたい、侵されたエネルギーを持つ果物でさえあんなに抵抗があったのだ。こんな、エネルギーの原液みたいなものを飲んでしまったと思うとゾッとする。
「体内が侵されていないか、また確かめるか?」
「……このチョーカーが、防いでくれるんだろ」
あの実は、一日に何粒も食べるものではない。
アステルはよろりと立ち上がって身だしなみを整える。
「次はきちんとすべて飲み干せよ」
「断る」
そうして、アステルは部屋を後にした。
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