2
件
〜〜追放された一族の末裔が、波乱の学園生活で皆に愛されるまで〜〜
十五才のリュエルは美しい銀髪とセレストの瞳を持つ美貌の少年。 “ウタ紡ぎ” として、《なんでも屋》の友人を通して依頼を受けていた。それがあるとき、カムナギのアルシャと遭遇してしまう。
アルシャは巷で話題の人物。名門貴族の御曹司。キラッキラの十七歳。カムナギとしての彼の圧倒的な輝きに歓喜する人々。美しい世界。その全てに、リュエルは魅了された。
「フィーデルへおいで。待ってるよ」
耳許で、甘やかな声がそっと囁く。
フィーデルは貴族御用達の学び舎で、カムナギになるのにうってつけ。渡された推薦状はリュエルにとって、挑戦状を渡されたようなものだった。なぜならリュエルは、遠い昔に聖界から追放されたフラム家の末裔なのだから。
(おれは選んだんだ)
蘇る記憶。波乱の学び舎生活。初めての恋。
侍人(付き人)候補に名乗りを上げたのは、プロフェッショナルでおかしな先輩方。護衛担当に鬼畜糸目のラルジュ、執事のような家庭教師は異空間に生きるレルヒ。そんな二人に導かれ、逆境もなんのその。ぐんぐんカムナギに相応しい存在になっていく。
いつしか彼らはリュエルを “我が君” として認め、リュエルにとっても、彼らはなくてはならない存在に。
一方、アルシャは審判者に選ばれていた。それは、この世界を存続させるか否かを決める者。存続を選べば命はない。
「審判の話をリュエルが知ったら、どうすると思います?」
「君はリュエルの味方をするかい?」
もっとアルシャに近づきたい。いつでも側にいられるようになりたい。憧れはいつしか形を変えて。
かつて紡がれた美しい世界が、永久になるまで。
※精靈たちと共存する世界、人間と精靈の架け橋になるカムナギという職があった。カムナギの多くは聖典を継承している貴族で、カムナギを中心として発展した業界は聖界と呼ばれている。
文字数 315,187
最終更新日 2025.11.29
登録日 2025.10.31
【完結】魔界の学園で二年目の学園生活を送るイオは、人知れず鶯色の本をめくる。そうすれば、必要な情報を得ることができた。
学園には、世界を構成するエネルギーが結晶化したといわれる四つの結晶石≪クォーツ≫を浄める、重要な家系の生徒が集っている。――遥か昔、世界を破滅に導いたとされる家系も。
彼らと過ごす学園生活は賑やかで、当たり前のようにあったのに、じわじわと雲行が怪しくなっていく。
過去との邂逅。胸に秘めた想い――。
二度目の今日はひっそりと始まり、やがて三度目の今日が訪れる。
五千年ほど前、世界が滅びそうになった、その時に。彼らの魂に刻まれた遺志。――たった一つの願い。
終末を迎えた、この時に。あなたの望みは叶うだろうか…?
――――
登場人物が多い、ストーリー重視の物語。学校行事から魔物狩り、わちゃわちゃした日常から終末まで。笑いあり涙あり。世界は終末に向かうけど、安定の主人公です。
2024/11/29完結。お読みいただき、ありがとうございました!執筆中に浮かんだ小話を番外編として収めました。
文字数 223,371
最終更新日 2024.12.03
登録日 2024.10.30
2
件