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第23章 炎と聖剣
伸ばされた手は、救いか、破滅か 1
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ミーラの炎は、勇者すら手に負える。
口から放たれた炎は、戦いが増すほどに周囲を敵味方関係無く焼き尽くさんとする。
勇者は、必死に聖剣を手に炎を受け続ける。時には溢れて他に降りかかる炎の被害を最小限にするのが精一杯でも。たとえ攻撃が自分にだけ向こうとも。
勇者は、決してその聖剣を下ろしはしない。なぜなら勇者の背には、見た事も無い声も聞いた事の無いだろう人達がいるのだから。
しかし、この勇者は、ただ人の為にとその身を危険に晒すのではない。
ただ一人の愛しい存在に悲しい思いをさせない為に立ち続けるのだ。
「ミーラ!お願いだ!話をっ!聞いて…」
グァぁぁぁぁあ!!
ミーラは、我を忘れている。
もう、聖剣を持ってしても自分の身を守る事が精一杯になってきた。ミーラの炎を受け続けるのにも限界が来ていた。
放たれる炎に勇者の両足はガタガタと今にも崩れてしまいそうになる。両腕は、切り裂かれた傷と焼けて剥けてしまった皮膚だらけだ。もう、ミーラを抑えられない…
(ミー…ラ…っ)
そんな時だった。
ーー救い、あるいは破滅の手が伸ばされた。
口から放たれた炎は、戦いが増すほどに周囲を敵味方関係無く焼き尽くさんとする。
勇者は、必死に聖剣を手に炎を受け続ける。時には溢れて他に降りかかる炎の被害を最小限にするのが精一杯でも。たとえ攻撃が自分にだけ向こうとも。
勇者は、決してその聖剣を下ろしはしない。なぜなら勇者の背には、見た事も無い声も聞いた事の無いだろう人達がいるのだから。
しかし、この勇者は、ただ人の為にとその身を危険に晒すのではない。
ただ一人の愛しい存在に悲しい思いをさせない為に立ち続けるのだ。
「ミーラ!お願いだ!話をっ!聞いて…」
グァぁぁぁぁあ!!
ミーラは、我を忘れている。
もう、聖剣を持ってしても自分の身を守る事が精一杯になってきた。ミーラの炎を受け続けるのにも限界が来ていた。
放たれる炎に勇者の両足はガタガタと今にも崩れてしまいそうになる。両腕は、切り裂かれた傷と焼けて剥けてしまった皮膚だらけだ。もう、ミーラを抑えられない…
(ミー…ラ…っ)
そんな時だった。
ーー救い、あるいは破滅の手が伸ばされた。
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