writerS

柊彩 藍

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政府に追放されたもの

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    「ここって僕がよく行く喫茶店じゃ…」
 「あ、蒼汰君今来たところか?」
 「はい。」店の前で待っていたのは、ボスと呼ばれていた人だ。
 「じゃあとりあえず中に入ろうか」
 「何名様ですか?」
 「二人で」
 「かしこまりました。あちらのお席へどうぞ」
 「よいしょ、ああ、蒼汰君ここは俺がおごるからなんでも気にせずたのんでくれ」
 「いいんですか?」
 「ああ、当然だ。」
 「じゃあお言葉に甘えて」
 「ご注文をお伺いします。」
 「じゃあブレンドコーヒーで」
 「俺も同じのを頼む」
 「蒼汰君は高校生なんだよな」
 「そうです。」
 「で、中3以前の記憶がないと」
 「はい」
 「そうだ、自己紹介を忘れていたな。俺は相川賢司だ。そういえば蒼汰君はあの本の事について知ってる事とかある?」
 「いえ、全く。まあ、前に初めて見たので…」
 「じゃあ聞きたいことはあるか?」
 「何か知ってるんですか?」
 「ああ、知ってる。なにしろあれを産み出したのは俺たちの組織だからな。」
 「そうなんですか?!」
 「だから、何でも聞いてくれ。」
 「じゃああの本はいったい何なんですか?」
 「いきなりアバウトな質問だなぁ。」
 「一番気になるのはそこなので」
 「まあ、そうだよな。あれは、一言で言うと魔法兵器だと思ってくれればいい。」
 「兵器…」少しその言葉に重みを感じた。そんなものを持っていたのかと…
 「そうだ。まあ、あれは外国との戦争状態になったときに防衛力として作られたものだからな」
 「そうなんですか?」
 「まあ、それでだ。うちに入ってくれ。」
 「はい?」
 「金か?もちろん給料は出る。その代わり過酷だけどな」
 「そういうことではなく、どんな組織かも知らないので…」
 「writerSだ。」
 「writerSだ。と言われましても…」
 「じゃあ、あの政府に追放された反平和組織の元防衛省兵器研究部と言えばわかるか?」
 「えっ?」元防衛省兵器研究部と言えば、一年ほど前防衛権の域を越えた最新の兵器を作ったとして政府から追放された組織じゃないか。そんなことは今どき子供でも知ってる。
 「あー、これはメディアに凄い話の内容を曲げられてるな。」相川さんが僕の表情から、誤解だと思ったそうだ。
 「それは、どういう…」
 「じゃあクイズといこう、ジャンジャン!なぜ俺たちは捕まってない?」
 「それは、writerSの兵器が恐くててが出せないから。」
 「蒼汰君それは、普通過ぎる。正解は、政府は俺たちの活動を支援していたからだ。」
 「でも、政府に追放されたんじゃ」
 「まあ、順に話していくと。WORLD of fairyが完成し、世の中に本の中のものが実現できるようになった。政府は、それを兵器として利用できないかと考え俺たちに依頼し、兵器研究部を防衛省に作った。けど、この事が公になると面倒なので政府はこの事を隠蔽した。しかし、アメリカにこの事がバレてしまった。」
 「だから、追放された」
 「そういうことだな。まあ、他にも色んな事情が重なってこうなったんだけど。主な原因はそれだ。」
 「それは、それとしてなぜ僕にwriterSに入って欲しいのですか?」
 「理由は主に三つかな」
 「その理由は…」
 「ブレンドコーヒー2つお持ちしました。」ビミョーなタイミングだな。
 「ああ、ありがとう」
 「で、その理由だったかな?1つ目は単純に俺たちの技術を使いこなせるということだ。俺たちはこの力で色々な依頼を受けて解決していくのが仕事だ。まあ、主に戦闘になりそうなものばかりだけど」
 「本の力が使えることって珍しいんですか?」
 「本の力を使う事はそんなに難しい事じゃない使うだけなら赤子だってできるな。けど、自分にあった本に出会う必要がある。例えば俺なら『走れメロス』だ。」
 「あの太宰治の」
 「そうそう、まあ、能力としては戦闘と言うより指揮がメインみたいな感じだけどな」
 「メチャクチャ体力ありそうなのに…」
 「いやいや、そんなことないよ。『走れメロス』のメロスは実際に数値で計算すると走ってると言うより歩いてるからな。能力は困難を切り開く活路を見つける事かな。この能力は大したことはない。常人よりも少し発想力がいいって事ぐらいだ。まあ、話を戻すと自分にあった本に出会っている蒼汰君は即戦力な訳だ。」
 「それで、2つ目はキメラの前で動けたという事実だ。」
 「それが何か関係あるんですか?」
 「キメラというのは魔物敵にはそんなに強くはない。けど、厄介なんだよ。キメラは自分に怯えている者の動きを止めるという能力がある。特に今回のライオン型のキメラはその能力がズバ抜けている。そして、そのなかでも蒼汰君は動けた。」
 「僕は、たまたま他の事で頭がいっぱいだったので、だからだと思います。」
 「そんなことはない。人が、いや、動物が一番敏感な感情は恐怖だ。それを越えるものはない。」
 「そうですか?」
 「ああ、そこでアレに立ち向かった君は俺らにとってほしい人材だ。」
 「あとひとつは?」
 「あと一つの理由は聞いても気を悪くしないでほしい」
 「君を監視するためだ。」
 「それは、どうして」
 「理由としてはまず、あの本が突如消えたこと。さらに俺たちは必ず本を手にしたときに本の題名とナンバーを記録する。なのに蒼汰君の本にはまず題名もなかったし、記録にも残っていなかった。だから君の本は得体の知れないものなんだ。」
 「理由はそれだけですか?」
 「もう何も隠していない。信じるかどうかは蒼汰君が決めていい。」
 「1つ少し話の逸れたことを聞いてもいいですか?」
 「もちろん」
 「キメラみたいなのはこれからも出ますか?」
 「100%出るとは言いがたいけど、出ないとは言いきれない」
 「分かりました。僕に戦い方を教えて下さい。」
 「入ってくれるのか!?」
 「僕自身に誰かを守る力があるのなら。今まで目的も夢も無かったので」
 「そうか、ありがとう。明日から色々説明を聞いてもらうから。明日またここに来てくれ。」
 「了解、ボス!」
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