writerS

柊彩 藍

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援軍

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 writerSは、明らかにその勢いを弱めていった。敵を殺す又は、無力化すると同時に傷が一つ、また一つと増えていく。回復魔法を使い傷を癒すことは出来るがそんなものに魔力を回している暇などなかった。それぞれの前には強くはないが数が多い敵だけでなく強さを肌で感じられるほどのそれぞれにとって不利な相手が目の前にいた。敵は減ってはいくが、傷は増え、魔力は減り、けれども一番強いやつに攻撃を加えられない。こんな状態が続いた。撤退を選択もあった、撤退出来る状況では無いことと、ここで撤退しては蒼太が2度と戻らない可能性があること。そして、自分だけが撤退した場合、他の人に迷惑をかける上に作が失敗したということになってしまう。そして何よりも蒼太を連れ戻したいと思う気持ちがその足を踏みとどまらせた。たとえその体に傷が増えようと魔力の底が近づいてこようと足を前に出し続けた。その思いが報われたのか、思慮深い男によって仕組まれたものなのかは分からないがwriterSに好機が訪れる。
 ドクン
 突然、紗希の心臓が何かを察知した。とてつもなく強い何が向かってくるそんな気配がした。
 ドッシャッァン
 突如として、紗希の付近で外壁が砕ける音が二つ聞こえた。
 「お…おい…お前は何者だ!」
 土煙に覆われた二つの人影は戦闘体制に入る。
 「はは、悪いなここは今魔法なんて使えやしねぇんだよ」
 人影を煽っていた男はこの言葉を最後に気絶した。
 人影は群がる兵士を素手で殴り倒していき紗希の元へ向かう。
 「な…なにあれ。」
 紗希は、兵士を蹴散らしながら向かってくる何かに恐怖を抱き始めていた。それも二方向から向かってきていて挟まれているのだから状況としては絶望的だ。
 そして、その二人の人影と合間見える事になる。
 「よ!久しぶり大丈夫か?」
 「一条さん!それに煌輔くんも!」
 その恐ろしく強い二人は一条と煌輔だった。二人の話によれば他の箇所にも援軍が到着しているという。
 「でも何で?」
 「あー何か俺の嫌いなタイプの奴が蒼太がここに捕まってるって教えてくれたからよ。こいつに教えたの。そしてら、煌の奴蒼太の事を殴ってやるって聞かなくてさ。俺が守谷さんに頼んでいや、脅してか。まあ、ちょーっと戦力借りたって訳。」
 紗希はいろいろ驚いたが、この人はそういう人だと諦めてスルーした。
 紗希は二人にこの場を任せて、一条達が開けた穴から一度外に出て、沖田と倉野と合流を図ることにした。そこに障害はなかった為すぐに合流は出来たのだが紗希は二人を見て頭に来た。なにも言わずに二人に攻撃した。
 「あのさぁ?やる気あんの!」
 紗希は、あぐらをかいて座り込んでいる二人にキレていた。
 「ちょっと待ってって。何怒ってんだよ。」
 「は?あんたらがのんびりとしてるからだよ!」
 魔法が使えるようになった為ワンダーランドで刃を無数に出現させ剣先を全て二人に向けた。
 「玉木せっかくの可愛い顔が台無しだぞ!じゃなかった、敵が居なさすぎるんだよ。」
 ようやく紗希も冷静になり辺りの異様さに気がついた。不気味なほど静かなのである。足跡どころか人の吐息さえも聞こえない。聞こえるのは三人が立てている音だけだった。
 「じゃあここには何もないって事でしょ!早く違うところ行くよ!」
 「やっぱりそうか~じゃあ行くぞ早くしないと蒼太どうなるか分からないからな。」
 三人は、近くの通路へ飛び込んでいった。
 「三人がこの場を離れました。」
 「そうか、ならもう大丈夫だろう。もういいぞ戻ってこい。」
 
 (後ろ向かず顔色を変えずに聞いてほしい。)
 !?
 突然倉野の声が紗希と沖田の頭に響いてきた。二人は指示通り、顔色を一つ変えず、前を向いて走り続けた。
 (OK、とりあえず沖田は能力を静かに発動させろ、もし敵が出てきたら紗希が援護しろ。あとこれを持っとけそしたら俺に返信できる。)
 倉野はそう言ってトランシーバーと骨伝導装置をそれぞれに一つずつ与えた。
 (これは?)
 (まあ、分からねぇんだったらいいけどそれをどっちか一つでも無くすと俺に話せなくなるから。)
 倉野は、「カラスと水差し」を使いトランシーバーと骨伝導装置の能力を魔力と織り交ぜ向上させた。「カラスと水差し」には、道具を他のものと使うことでその道具が持つ本来の能力から拡張した能力を発揮させる力がある。1度に使える容量は決まっていてあまり多くはないがとても便利な力だ。
 (さっきの部屋にずっと俺らを見てた奴が1人いた。おそらくあそこに地下へ行く道があると思って間違いない)
 (でもあんなに警備が薄かったら簡単に入れるんじゃ…)
 (それだけセキュリティがしっかりしてるって事なんだろ。だから、今からあそこの床をぶち抜く。)
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