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手を取り合った悪
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「ゥゥゥ……」
人の入ったカプセルからうめき声が漏れ出す。
「なんだ悔しかったのか?」
白衣を着た男は、カプセルに向かって語りかける。しかし、カプセルの中の人間は、反応を示さない。ただうめき声を漏らすのみだった。
「さて今回の襲撃で分かった事を整理するべきだな。思ったよりも相手もやるようだ。考えて行動しないと足元を掬われかねん。」
男は、現在の自らの戦力と敵対するであろう組織の戦力を比較した。しかし、その上で問題ないと判断したのだろう。やがて男は企みを含んだような笑みを浮かべ勝ち誇ったかのように高笑いをした。一方で高みの見物で状況を俯瞰しているものがいた。加古である。
「これは、これは、やはりそう出てくるか。あのときの先手はこの布石だったというわけか。道理で俺よりも決断が早かった訳だ。しかし、やつらは勘違いをしているようだな。魔法なんて一度消したところでどこかのバカがまた打ち立てる。根こそぎ壊したいと願うなら俺の元に来るべきだろう。あちらの世界との繋がりを絶つことこそ近道だと言うのだから。」
紗希は、戦闘でのダメージから志穂に安静を強いられていた。しかし、対魔機機動部隊の破壊活動は止まらない。それどころか勢いをます一方だった。
「止めに行くのはダメですよ」
紗希の元に届く情報に、心を痛めながら安静にしているような紗希は今にも飛び出していまいそうだ。
「ツーツー……新たな情報が入った。そのまま聞いてくれ。対魔機機動部隊のアジトと思われる場所を特定した。今でもあの機械が増え続けているようだ。戦力を集中させてから挑みたい。紗希が回復次第連絡をくれ。」
通信機越しのボスの声はかなり焦っていた。大分切羽詰まった状況らしい。それもそのはず、紗希でさえあれほど苦戦したものが今なお増え続けているのだ。ことは急を要する。しかし、ここで誰かが気づくべきだったのだ。あれを量産するほどのことがなぜ無し得ているのかを。
「貴様は、対魔機機動部隊の長か。」
加古のもとへ1人の白衣を着た男が歩み寄る。
「そうだ、高槻修だ。なるほど、writerSを抜けてきたというよりそれが本来の姿であると捉えた方がいいのか?」
修は静かに頷いた。そして、加古の目を見て言った。
「気づいて貰っただろうが俺たちの目的は、魔法の絶滅などではない。魂の解放。それも死によるものではなく。世界を作り替えることで達成させる。」
加古は、思い違いをしていたのだ。加古の手中にあるworld of fairyの破壊が最終目的なのだと勘違いしていた。修の目的はむしろ逆でそれを利用することにあったのだ。
「このタイミングで俺に声をかけるということは最終段階に入ったというわけでもないだろう。何が必要だ。」
修はただ一言「時間」とだけ答えた。加古は、考えうる最高の時間の確保を考えた。周囲との時間の流れを変える方法、協力し敵対勢力を全滅する方法。いくつか案が頭のなかで浮かんでは消えていた。そしてついにローリスクハイリターンな案が思い付いたのだ、それが機械の大量生産。writerSは、精鋭が揃っている分数が少ない。writerSにとっての一番の悪手は多勢に単騎で突っ込む事である。人数の差というものは時に実力の差を上回ることのいい例だろう。加古は早速準備に取りかかった。アジトを結界で多い外からの視覚的感覚を変えてしまう魔法をかけた。それが、writerSの見た機械の大量生産であったのだ。案の定、数に恐れをなしたwriterSは一時待機を選択したのだ。
「高槻、一つ聞きたいことがある。その計画には俺も含まれているのだよな。」
「もちろん、骨の随まで利用させてもらいます。」
修は、writerSにいる頃からたくさんの事を想定し、対策を練ってきていたのだろう。修が動かしはじめた時代の列車は止まることなく勢いをまし走り続けるのであるった。
人の入ったカプセルからうめき声が漏れ出す。
「なんだ悔しかったのか?」
白衣を着た男は、カプセルに向かって語りかける。しかし、カプセルの中の人間は、反応を示さない。ただうめき声を漏らすのみだった。
「さて今回の襲撃で分かった事を整理するべきだな。思ったよりも相手もやるようだ。考えて行動しないと足元を掬われかねん。」
男は、現在の自らの戦力と敵対するであろう組織の戦力を比較した。しかし、その上で問題ないと判断したのだろう。やがて男は企みを含んだような笑みを浮かべ勝ち誇ったかのように高笑いをした。一方で高みの見物で状況を俯瞰しているものがいた。加古である。
「これは、これは、やはりそう出てくるか。あのときの先手はこの布石だったというわけか。道理で俺よりも決断が早かった訳だ。しかし、やつらは勘違いをしているようだな。魔法なんて一度消したところでどこかのバカがまた打ち立てる。根こそぎ壊したいと願うなら俺の元に来るべきだろう。あちらの世界との繋がりを絶つことこそ近道だと言うのだから。」
紗希は、戦闘でのダメージから志穂に安静を強いられていた。しかし、対魔機機動部隊の破壊活動は止まらない。それどころか勢いをます一方だった。
「止めに行くのはダメですよ」
紗希の元に届く情報に、心を痛めながら安静にしているような紗希は今にも飛び出していまいそうだ。
「ツーツー……新たな情報が入った。そのまま聞いてくれ。対魔機機動部隊のアジトと思われる場所を特定した。今でもあの機械が増え続けているようだ。戦力を集中させてから挑みたい。紗希が回復次第連絡をくれ。」
通信機越しのボスの声はかなり焦っていた。大分切羽詰まった状況らしい。それもそのはず、紗希でさえあれほど苦戦したものが今なお増え続けているのだ。ことは急を要する。しかし、ここで誰かが気づくべきだったのだ。あれを量産するほどのことがなぜ無し得ているのかを。
「貴様は、対魔機機動部隊の長か。」
加古のもとへ1人の白衣を着た男が歩み寄る。
「そうだ、高槻修だ。なるほど、writerSを抜けてきたというよりそれが本来の姿であると捉えた方がいいのか?」
修は静かに頷いた。そして、加古の目を見て言った。
「気づいて貰っただろうが俺たちの目的は、魔法の絶滅などではない。魂の解放。それも死によるものではなく。世界を作り替えることで達成させる。」
加古は、思い違いをしていたのだ。加古の手中にあるworld of fairyの破壊が最終目的なのだと勘違いしていた。修の目的はむしろ逆でそれを利用することにあったのだ。
「このタイミングで俺に声をかけるということは最終段階に入ったというわけでもないだろう。何が必要だ。」
修はただ一言「時間」とだけ答えた。加古は、考えうる最高の時間の確保を考えた。周囲との時間の流れを変える方法、協力し敵対勢力を全滅する方法。いくつか案が頭のなかで浮かんでは消えていた。そしてついにローリスクハイリターンな案が思い付いたのだ、それが機械の大量生産。writerSは、精鋭が揃っている分数が少ない。writerSにとっての一番の悪手は多勢に単騎で突っ込む事である。人数の差というものは時に実力の差を上回ることのいい例だろう。加古は早速準備に取りかかった。アジトを結界で多い外からの視覚的感覚を変えてしまう魔法をかけた。それが、writerSの見た機械の大量生産であったのだ。案の定、数に恐れをなしたwriterSは一時待機を選択したのだ。
「高槻、一つ聞きたいことがある。その計画には俺も含まれているのだよな。」
「もちろん、骨の随まで利用させてもらいます。」
修は、writerSにいる頃からたくさんの事を想定し、対策を練ってきていたのだろう。修が動かしはじめた時代の列車は止まることなく勢いをまし走り続けるのであるった。
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