クロスフューチャー

柊彩 藍

文字の大きさ
46 / 89
4章~カジノで一攫千金!~

Sの正体

しおりを挟む
 アルビオン達の操作が進行しているなかハルト達は不利な状況でありながらも激戦を繰り広げていた。蓮は闘技場に穴を開けたときに落ちてきていたモンスターの残骸に火をつけ、ハルトはその炎の中に兵士達が持っていた水袋をくべた。たちまち白い煙をあげその上を蒸気で満たしていった。獅子の仮面は弓で射ることは不可能と判断し降りてきた。二人は、白刃戦に持ち込むことに成功した。うまく行けば一対一の状況を作ることが出来る、二人に狙われるよりかはこちらの方が断然可能性が見えてくる。しかし、その可能性が時間がたつにつれて薄れていくのを二人は感じた。最初に刃を交えたときにこいつは強いと感じたが対処しきれないほどではなかった。しかし、ハルトと蓮は体力を消耗していくのにたいし、仮面の二人組は一向に動きが悪くなる気配がなかった。ハルト達が限界に達したところで仮面の動きが止まった。仮面はぶつぶつと何かを呟きながらその場を去っていった。ハルト達は助かった。ハルトは、その場を離れていく仮面を必死で追いかけようとしたが蓮がしっかりととめた。行ったところで何もできないと分かっていたから。ハルトは、蓮に止められてようやく冷静になった。ハルトは、蓮に隠し通路の奥へと行くことを提案し、蓮はそれを承諾した。
 ハルト達はものすごく広い空間へと出た。しかし、そこはとても窮屈に感じるほど空気が重たかった。その重圧から逃げたしたいと感じたほどだ。ハルトは、身を隠しながら足を進める。そこらじゅうからうめき声が聞こえてくる。ここでモンスターを作っていると考えて間違いないとハルトは確信した。ふと少し上に視線を向けるとアルビオンとリリィがこの空間を除いていた。しかし、周りに見回りの警備がいたため少しずつアルビオン達に近づき合流することにした。その途中でリリィはハルトに気がついた。するといきなり手を振り大声で
 「アル君ハル君ですよ!」
 その空間にいた全ての知的生命体がおどろいただろう。ハルトは急いで近くの警備を気絶させた。それでも騒ぎは収まらなかった。一人の警備に援軍を呼ばれてしまった。兵士達がここへ来て、それらにハルト達が苦戦しているなか仮面が現れた。ハルトとアルビオンが遭遇した全ての仮面がやって来た。ハルト達は、なすすべもなくその三人に囚われてしまった。手枷をつけられ四人は1つの部屋へと連れられた。
 そこの空間はまるで玉座のような作りでその中心に顔を布で隠した女性が堂々と腰を掛けていた。仮面はハルト達四人をまとめてくくりつけたあとその女性のもとへ歩いていった。なにやら話をし始めたようだ。
 「こいつらが俺らの計画を邪魔しようとしてたのか?それにしては弱いな」
 「だからといって弱者が立ち上がらないとは限らないじゃない?」
 「まあ、いい俺たちはデータさえもらえればそれで…ところであの四人はどうする?」
 「ちょっと私がお話ししてくるわ」
 女性は、こちらへ歩みより顔をおおっていた布を取り払った。蓮とリリィはその顔を見てひどく驚いた。一方、ハルトとアルビオンは対照的な態度をとり冷静な様子だった。その女性は、セレストだったからだ。最初から疑いの目で見ていたハルト達にとっては何も不思議なことではなかったが、蓮とリリィにとってはそれなりにショックだっただろう。
 「大人しく殺られてくれれば良かったのにねぇ?しまいにはあんないけないことまでしちゃうなんてやっぱりお仕置きが必要かしら」
 セレストは楽しそうにハルトの頬を撫でる。
 「あなたは何をしようとしてる。セレスト!」
 アルビオンは、その目でセレストを睨み付けた。アルビオンには1つの仮説があった。いびつなモンスター、死のギャンブルという制度、無尽蔵にあふれでてくるモンスター。これらからアルビオンは死のギャンブルの参加者をモンスターに変えていたのではないかと考えていた。そのため、人体実験と称して友達を殺されたアルビオンは怒りを抑えきれなかった。
 「あなたがアホどもの参謀だったのね。その様子を見ると拷問するよりも人がモンスターに変えられているところを見た方が効きそうね。ンフフ」
 セレストは、その場を離れていこうとした。
 「おい!どこへ行く!早くデータをよこせ」
 獅子の仮面がセレストを呼び止めた。
 「ちょっとイタズラをするための道具を持ってくるだけじゃない。そんなに焦らなくてもデータもとってくるわ」
 セレストはそう言い残し、データを取りに行った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

処理中です...