クロスフューチャー

柊彩 藍

文字の大きさ
63 / 89
5章~エルフVS忍~

炙り出し

しおりを挟む
 いよいよ戦いの火蓋が切って落とされようというところに一人の男の叫びと共にそれは防がれるのである。
 「ルナァァァア」
 ハルトがルナを呼び掛けると両陣営の間に植物による壁が横たわった。それだけでなくそれぞれの攻撃を開始したもの達をつるし上げた。そして、混乱を招く中、両者のトップは再び民衆に問う。
 「俺を信じられるやつは声を上げろぉぉお」
 「皆さまどうか私ついてきてください。」
 それぞれの民は、その旨を示した。そして、それを確認したハルトとルナが、植物による壁の上に立って互いの者共に語りかける。
 「これは、仕組まれた戦争である事が判明した。お互いは憎むべき相手を間違えたのだ。それなのに我々は、互いに傷つけあった。しかし、それも今日で終わりだ。たった今、第3勢力の刺客であろうと疑われるものを捕らえた。これから尋問を行い。これまでの戦争を明らかにする。」
 この二人の言葉によってさらにどよめきが生まれた。そしてそれを感じたアルビオンがタリアに告げた。
 「一旦休戦協定というのを全員の前で宣言したら何もできなくなる。」
 タリアは、護衛も連れずに疾風の元へ向かい手を差し出した。そしてその手を疾風は握り返し、忍の者にこう告げた。
 「我々は、これより休戦協定を締結する。期限は尋問が終了するまで、尋問の結果次第で今後の行動は変化するが、一時撤退だ。」
 疾風の一言により忍は、シルヴァヌスを少し離れた。エルフも武装を時判決の時を待った。
 「じゃあ、始めるか。」
 ようやく再集合を果たした四人とルナは尋問を開始した。
 「まあ、気楽にいこうや。正直に質問に答えてくれたらそれでいいからな。」
 エルフ5名、忍7名を前に淡々と質問をしていく。
 「じゃあまず。自分の信じる主は?」
 「タリア様です。(×5)」
 「長老だ。(×4)」
 「自分(×3)」
 3つに答が別れたのは以外ではあったがそのまま話を続けた。
 「じゃあ次に行こうか。そうだな硬い話ばっかでもしんどいだけだからちょっと遊ぼうか。このボインの姉ちゃんと、幼女。どっちが好みだ?」
 「おいふざけんなよ。」
 蓮がまあまあとハルトをなだめる。
 そして票は綺麗に二等分された。
 「良かったな、完敗しなくて」
 「んな!ちょっとどう言うことですか!女の子に対して失礼ですよ!ハル君。」
 ぽかぽかと怒りをぶつけるリリィを無視してハルトは質問を真面目な方向に戻していく。 
 「相手は嫌いか?憎いか?」
 これは全員一致でお互いを憎んでいると答えた。
 「じゃあ、もし、この戦争に新たな倒すべき敵がいたとしたらお前らは誰につく?」
 これももちろん自分の国の党首だと答えた。党首が、今のまま相手を潰せと命じるのならそれに従い、新たな敵を討ち滅ぼせとおっしゃるのならその通りにと答えた。
 「じゃああとはアルビオンよろしく~」
 後ろで静かにこのやり取りを見ていたアルビオンが前に出て来てようやく口を開いた。
 「左から2番目帰っていい。」
 「右から3番目4番目、左から4番目も帰っていい。」
 「あとは、そうだな。右から2番目………お前は特別コースだな。」
 アルビオンが選別を始めた。ハルトが質問をしている間に、どいつが嘘をついているのか炙り出したのだ。そして、そのときのアルビオンは実に楽しそうであった。相手を追い詰めることに快感でも覚えたのだろうかいつもの様子とは違うアルビオンが見られた。
 「右から2番目……お前呼ばれたからって少し安心したろ。せっかく逃げられるチャンスだったのにな、あれがなかったら俺はそのまま逃がしてたかもな。この中で一番うまく感情を隠せていたのに詰めが甘かったな。」
 残された8人は、冷や汗が滲み出てきていた。ハルトでもわかるほどに。そして、その冷や汗を滝のように流させるかのようにルナがテンションの高い声で何かを持って戻ってきた。
 ガラガラガラ
 何か車輪が転がる音がする。残されたもの達は一斉にそちらを向いた。そして、ルナが持ってきたのは大量の拷問器具。ムチや、刃物など様々な物騒なものを用意してきた。
 「これ一度は使って見たかったんですよね~。あ、アルビオンさんも一緒にどうですか?」
 ルナは、笑顔で刃物を差し出す。そして、それを躊躇なくアルビオンが受け取った。
 「それでは始めようか」
 アルビオンがそういうと同時に、ハルト、リリィ、蓮は外へ出た。
 「どうしたの?」
 「いや、ちょっと用事が。」
 「ふーんそうか。あとは、任せて」
 アルビオンと、ルナは怖いと、認識させられた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

処理中です...