クロスフューチャー

柊彩 藍

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5章~エルフVS忍~

蜘蛛製造者

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 半蔵達が向かってきた兵士たちを片付け体制を整えようと足を運ぼうとしたところそれは起動した。
 ビン
 何かが鋭く張られるような音を聞き半蔵が振り向くと半蔵の足には細く丈夫な糸が巻き付いていた。そして、その糸をたどると、それは蹴散らした兵士の肉に繋がっていた。それを確認したと同時に兵士の形をした肉は、やがて糸へとほぐれ半蔵達の身を縛りその動きを封じた。切り裂こうとナイフで糸に触れるが傷一つつかなかった。
 
 「ジキル様、起動完了でございます。」
 「そうか、ならば次は巣だ。あれで戦力差はより明確なものになるだろう。」
 「御意」
 
 しかし、唯一この糸が効かないものがいた。向かってきた糸の元を粉々の肉片にした人物である。これは起動し、一度は巻き付いたもののその糸は溶けるようにして消えてしまった。ハルトはそのままどこかへと誘われるようにして足を動かした。
 
 蓮は、糸によって捕縛されていた。そして、捕縛した蓮の元に新たな兵士が来る。
 「なんだ、エルフでも忍者でもねぇじゃねぇか。一応連れていくか」
 こうして蓮は、何者かによって連れていかれた。この事は、指令部として動いていたもの達も確認した。糸に捕縛された半蔵達の回収は出来たが、蓮は間に合わず、回収することは出来なかった。半蔵達は糸を解析するため頭脳に長けている者の元へと運ばれた。アルビオンがここの指揮を統括していたのだが、あまりにも予想外のことが起きすぎて対応が追い付かないのが事実だった。そして、ジキルが何も起きない状況にするはずもなくアルビオンが次の手に取りかかる遥かまえに次の手を用意していた。
 カサカサ
 「なんだ今の音」
 その異変に最初に気づいたのはアルビオンだった。しかし、異変に気づいたところでそれはもう進行していて止められないことであることもまた事実である。アルビオンは先ほどの音を気にして慌てて外を見た。すると、緑に覆われていたシルヴァヌスは真っ白に染まっていたのだ。そして、シルヴァヌスの森の外には5つの不気味な赤黒い柱がたてられていた。そして、更にエルフからの報告が伝わる。
 「現在、シルヴァヌスは蜘蛛の糸によって覆われ閉じ込められました。森の中と世界樹のなかの移動は可能ですが外に出ることは出来ません。先ほど外に出ようと試みたものが糸に飲み込まれ蜘蛛につれていかれました!」
 さっきアルビオンが見た白は大量に張り巡らされた蜘蛛の糸によるものだったのだ。更に新たな情報が入る。
 「新たな報告をします。先ほど連れていた仲間の所在が判明しました。あの柱です。ですが生命反応は消え、あの柱が成長したとも報告が入っております。」
 そこでアルビオンは、急に閃いた。
 「あの丸いのあるか?」
 アルビオンは、そこに報告をしに来た忍に問いかける。
 「それを今から持ってきたらいいのですね。」
 「ルナ、一つ質問作った人形の所在って感覚で分かるか?」
 「分かるけど…いや、それをしたところであの柱にエネルギーを与えるだけじゃないか!人形にだって魔力は、ある。あれは魔力を吸って成長しているんだぞ!」
 作戦を予想したルナは、アルビオンに対してひどく反抗した。しかし、アルビオンはそのルナの肩を持って心から頼んだ。『今、ルナが信じなくてもいい。けど俺の言うことを聞いてくれ。』と。ルナは、アルビオンの作戦を聞いたがやはりそれが勝ちに繋がるとは思えなかった。ましてや状況が好転するとも思えなかった。しかし、それでも真剣に頼むアルビオンを信じてみようと思った。なぜなら実際にここで一番頭が回るのはアルビオンだと確信していたからだ。そこに自分の出来ることがあるならやるべきだと感じた。そうしてルナは、木の人形を数十体作り上げた。そして、それを次々に蜘蛛へと捧げる。
 「ルナ、地図はできた?」
 「出来た。一応アルファベットで地域を分けておいた。それに従えば思い通りの場所に人形を送り込める。因みに、関係のない木材を送ってみたけど蜘蛛に連れいかれるどころか、糸にまとわりつかれすらしなかった。」
 「人形の残りは?」
 「もうない、作れるが今後の戦闘のことを考えると十体までには押さえておきたい。それなら魔力の回復も追いつく。」
 「だったら5体作ってくれ。けど少し人形に細工をしてほしい。人形の中に少し大きめの人の頭くらいのサイズの空間を作ってくれ。」
 アルビオンはそう言って、柱を見つめた。『ここから、痛い目に遭わせてやる』と言わんばかりの目で。
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