67 / 89
5章~エルフVS忍~
蜘蛛製造者
しおりを挟む
半蔵達が向かってきた兵士たちを片付け体制を整えようと足を運ぼうとしたところそれは起動した。
ビン
何かが鋭く張られるような音を聞き半蔵が振り向くと半蔵の足には細く丈夫な糸が巻き付いていた。そして、その糸をたどると、それは蹴散らした兵士の肉に繋がっていた。それを確認したと同時に兵士の形をした肉は、やがて糸へとほぐれ半蔵達の身を縛りその動きを封じた。切り裂こうとナイフで糸に触れるが傷一つつかなかった。
「ジキル様、起動完了でございます。」
「そうか、ならば次は巣だ。あれで戦力差はより明確なものになるだろう。」
「御意」
しかし、唯一この糸が効かないものがいた。向かってきた糸の元を粉々の肉片にした人物である。これは起動し、一度は巻き付いたもののその糸は溶けるようにして消えてしまった。ハルトはそのままどこかへと誘われるようにして足を動かした。
蓮は、糸によって捕縛されていた。そして、捕縛した蓮の元に新たな兵士が来る。
「なんだ、エルフでも忍者でもねぇじゃねぇか。一応連れていくか」
こうして蓮は、何者かによって連れていかれた。この事は、指令部として動いていたもの達も確認した。糸に捕縛された半蔵達の回収は出来たが、蓮は間に合わず、回収することは出来なかった。半蔵達は糸を解析するため頭脳に長けている者の元へと運ばれた。アルビオンがここの指揮を統括していたのだが、あまりにも予想外のことが起きすぎて対応が追い付かないのが事実だった。そして、ジキルが何も起きない状況にするはずもなくアルビオンが次の手に取りかかる遥かまえに次の手を用意していた。
カサカサ
「なんだ今の音」
その異変に最初に気づいたのはアルビオンだった。しかし、異変に気づいたところでそれはもう進行していて止められないことであることもまた事実である。アルビオンは先ほどの音を気にして慌てて外を見た。すると、緑に覆われていたシルヴァヌスは真っ白に染まっていたのだ。そして、シルヴァヌスの森の外には5つの不気味な赤黒い柱がたてられていた。そして、更にエルフからの報告が伝わる。
「現在、シルヴァヌスは蜘蛛の糸によって覆われ閉じ込められました。森の中と世界樹のなかの移動は可能ですが外に出ることは出来ません。先ほど外に出ようと試みたものが糸に飲み込まれ蜘蛛につれていかれました!」
さっきアルビオンが見た白は大量に張り巡らされた蜘蛛の糸によるものだったのだ。更に新たな情報が入る。
「新たな報告をします。先ほど連れていた仲間の所在が判明しました。あの柱です。ですが生命反応は消え、あの柱が成長したとも報告が入っております。」
そこでアルビオンは、急に閃いた。
「あの丸いのあるか?」
アルビオンは、そこに報告をしに来た忍に問いかける。
「それを今から持ってきたらいいのですね。」
「ルナ、一つ質問作った人形の所在って感覚で分かるか?」
「分かるけど…いや、それをしたところであの柱にエネルギーを与えるだけじゃないか!人形にだって魔力は、ある。あれは魔力を吸って成長しているんだぞ!」
作戦を予想したルナは、アルビオンに対してひどく反抗した。しかし、アルビオンはそのルナの肩を持って心から頼んだ。『今、ルナが信じなくてもいい。けど俺の言うことを聞いてくれ。』と。ルナは、アルビオンの作戦を聞いたがやはりそれが勝ちに繋がるとは思えなかった。ましてや状況が好転するとも思えなかった。しかし、それでも真剣に頼むアルビオンを信じてみようと思った。なぜなら実際にここで一番頭が回るのはアルビオンだと確信していたからだ。そこに自分の出来ることがあるならやるべきだと感じた。そうしてルナは、木の人形を数十体作り上げた。そして、それを次々に蜘蛛へと捧げる。
「ルナ、地図はできた?」
「出来た。一応アルファベットで地域を分けておいた。それに従えば思い通りの場所に人形を送り込める。因みに、関係のない木材を送ってみたけど蜘蛛に連れいかれるどころか、糸にまとわりつかれすらしなかった。」
「人形の残りは?」
「もうない、作れるが今後の戦闘のことを考えると十体までには押さえておきたい。それなら魔力の回復も追いつく。」
「だったら5体作ってくれ。けど少し人形に細工をしてほしい。人形の中に少し大きめの人の頭くらいのサイズの空間を作ってくれ。」
アルビオンはそう言って、柱を見つめた。『ここから、痛い目に遭わせてやる』と言わんばかりの目で。
ビン
何かが鋭く張られるような音を聞き半蔵が振り向くと半蔵の足には細く丈夫な糸が巻き付いていた。そして、その糸をたどると、それは蹴散らした兵士の肉に繋がっていた。それを確認したと同時に兵士の形をした肉は、やがて糸へとほぐれ半蔵達の身を縛りその動きを封じた。切り裂こうとナイフで糸に触れるが傷一つつかなかった。
「ジキル様、起動完了でございます。」
「そうか、ならば次は巣だ。あれで戦力差はより明確なものになるだろう。」
「御意」
しかし、唯一この糸が効かないものがいた。向かってきた糸の元を粉々の肉片にした人物である。これは起動し、一度は巻き付いたもののその糸は溶けるようにして消えてしまった。ハルトはそのままどこかへと誘われるようにして足を動かした。
蓮は、糸によって捕縛されていた。そして、捕縛した蓮の元に新たな兵士が来る。
「なんだ、エルフでも忍者でもねぇじゃねぇか。一応連れていくか」
こうして蓮は、何者かによって連れていかれた。この事は、指令部として動いていたもの達も確認した。糸に捕縛された半蔵達の回収は出来たが、蓮は間に合わず、回収することは出来なかった。半蔵達は糸を解析するため頭脳に長けている者の元へと運ばれた。アルビオンがここの指揮を統括していたのだが、あまりにも予想外のことが起きすぎて対応が追い付かないのが事実だった。そして、ジキルが何も起きない状況にするはずもなくアルビオンが次の手に取りかかる遥かまえに次の手を用意していた。
カサカサ
「なんだ今の音」
その異変に最初に気づいたのはアルビオンだった。しかし、異変に気づいたところでそれはもう進行していて止められないことであることもまた事実である。アルビオンは先ほどの音を気にして慌てて外を見た。すると、緑に覆われていたシルヴァヌスは真っ白に染まっていたのだ。そして、シルヴァヌスの森の外には5つの不気味な赤黒い柱がたてられていた。そして、更にエルフからの報告が伝わる。
「現在、シルヴァヌスは蜘蛛の糸によって覆われ閉じ込められました。森の中と世界樹のなかの移動は可能ですが外に出ることは出来ません。先ほど外に出ようと試みたものが糸に飲み込まれ蜘蛛につれていかれました!」
さっきアルビオンが見た白は大量に張り巡らされた蜘蛛の糸によるものだったのだ。更に新たな情報が入る。
「新たな報告をします。先ほど連れていた仲間の所在が判明しました。あの柱です。ですが生命反応は消え、あの柱が成長したとも報告が入っております。」
そこでアルビオンは、急に閃いた。
「あの丸いのあるか?」
アルビオンは、そこに報告をしに来た忍に問いかける。
「それを今から持ってきたらいいのですね。」
「ルナ、一つ質問作った人形の所在って感覚で分かるか?」
「分かるけど…いや、それをしたところであの柱にエネルギーを与えるだけじゃないか!人形にだって魔力は、ある。あれは魔力を吸って成長しているんだぞ!」
作戦を予想したルナは、アルビオンに対してひどく反抗した。しかし、アルビオンはそのルナの肩を持って心から頼んだ。『今、ルナが信じなくてもいい。けど俺の言うことを聞いてくれ。』と。ルナは、アルビオンの作戦を聞いたがやはりそれが勝ちに繋がるとは思えなかった。ましてや状況が好転するとも思えなかった。しかし、それでも真剣に頼むアルビオンを信じてみようと思った。なぜなら実際にここで一番頭が回るのはアルビオンだと確信していたからだ。そこに自分の出来ることがあるならやるべきだと感じた。そうしてルナは、木の人形を数十体作り上げた。そして、それを次々に蜘蛛へと捧げる。
「ルナ、地図はできた?」
「出来た。一応アルファベットで地域を分けておいた。それに従えば思い通りの場所に人形を送り込める。因みに、関係のない木材を送ってみたけど蜘蛛に連れいかれるどころか、糸にまとわりつかれすらしなかった。」
「人形の残りは?」
「もうない、作れるが今後の戦闘のことを考えると十体までには押さえておきたい。それなら魔力の回復も追いつく。」
「だったら5体作ってくれ。けど少し人形に細工をしてほしい。人形の中に少し大きめの人の頭くらいのサイズの空間を作ってくれ。」
アルビオンはそう言って、柱を見つめた。『ここから、痛い目に遭わせてやる』と言わんばかりの目で。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる