クロスフューチャー

柊彩 藍

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6章~正義の制裁者~

年下好きのお姉さん

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 「ハルト来るの遅い。日がくれるまでって言ったのにもうよるじゃん」
 アルビオンは、二人を引きずりながら来たハルトに叱る。
 「こいつらを何とかしてくれ……俺はもう疲れた。」
 げっそりとした様子で、宿まで歩いた。
 
 宿につくとハルトは即刻ベットに倒れこんだ。それと同時にぐっすり眠っていたリリィは目を覚まして部屋から出てきた。
 「あれ?ハルくんは?」
 「疲れてたみたいだし寝たと思うよ。」
 「そりゃそうだろ。初めてのことばっかりだからか知らないけど色んなものに目をキラキラさせてあっちこっち行きやがって。」
 蓮は、ルナを少し呆れたような言い方でいじった。それに対してルナも言い返す。
 「別に、キラキラさせてないし。興味なんてないし!それよりも蓮の方がハルトに負担をかけてたじゃない!横切る美人にふらふらとついていって。気持ち悪い!」
 二人がヒートアップしそうになったところをアルビオンが遮る。
 「まあ、落ち着け。ルナは明日俺と材料買いに行くんだから朝はやいぞ寝るなら寝とかないと。俺はもう寝る。」
 アルビオンが部屋に戻ると同時に三人も部屋に戻って横になった。
 
 アルビオンたちが出たあと、少したってから三人は起きてきた。食堂に行って朝食をとる。
 「今日どうする?」
 ハルト達は、特にこれと言った予定は無いので基本的に自由だ。
 「買い物に行きませんか?旅に必要なものを買いたしておくとかしておいた方がいいと思う。」
 「なあ、ハルト!昨日の姉ちゃんのところに行こうぜ!」
 時間はあるのでどちらも行くことにした。片方は、誰かの欲望にまみれてはいるが、特にすることもないので暇潰しに行くことになった。
 ある程度町をまわっている途中にリリィがあるものを見つけた。
 「あれ色んなところにあるけどなんですか?」
 リリィが指したのは一枚の貼り紙だった。貼り紙にかかれているものはどうやら指名手配のようだ。その人物の似顔絵がかかれている。
 「指名手配だってよ。平和そうにみえても、やっぱりそういうのってあるんだな。まあ、逃げてるってことは会うこともないだろ。あんまり気にすることはないと思うぞ。」
 街中で見かける貼り紙を気にせずにチカの道場へまっすぐ歩いた。
 
 たどり着くと中からかけ声が聞こえてきた。稽古中なのだろう。中に入ると稽古の邪魔になり迷惑をかけてしまうと思ったので、こっそりと中の様子を伺った。チカが稽古をつけている。数人の子供たちが、チカの指示を聞いていた。それを、少しそのまま見ていた。
 「うっ…」
 突如ハルトの横にいた蓮が倒れた。額には赤い何かをぶつけたような後が出来ていた。そして、すぐ横にはチカが指導用に持っていた防具が転がっていた。
 「どうした?!」
 ハルトは思わず驚いて声をあげてしまった。
 「あ、その声!昨日弟くん!」
 と、慌てた様子でチカは出てきた。
 「ごめんね。人の気配がしたから不審者かと思って。大事な弟、妹たちに被害が及ぶのは良くないから。」
 チカは、蓮に謝った。蓮は、丈夫なこともあって大した怪我はしていなかった。しかし、顔は怒っていた。
 「おい!ハルト!そこを変われ!」
 チカに絞められるハルトを羨ましがって蓮がキレた。しかし、ハルトはそんな事耳に入らない。もがくので精一杯だ。
 「あ、ごめんごめんつい。えーっと」
 「ハルトです。というか何で俺なんですか?」
 「んー。弟力が強い!」
 チカが真剣に答えたが、まわりは誰も理解出来なかった。普段チカと一緒にいる子達でさえ呆気にとられていた。
 「俺は?」
 蓮が、自分もしてほしいという欲から聞いた。
 「んー、ちょっと違うかな。それより昨日2人隣にいた女の子の方が妹力が強かったね。あれは、お兄ちゃんをダメにしそうなタイプだね。あとここにいるみんなも好きだよ。」
 蓮の事を言った時の微妙な表情とはうってかわってとても笑顔だった。本心を隠せないらしい。
 「ねぇ君ちょっと来て。」
 ハルトはある子供を呼んだ。
 「チカの事どう思う?」
 ハルトは耳に手を当てひそひそと質問した。
 「怖い。ただ怖い。笑顔で絞めにくるとかやめてほしい。怒るなら普通に怒って欲しい。」
 ハルトは、全てを理解した。
 「けど、蓮みたいにハグを求めてくれる人なんて珍しいよ。道場の子達なんか、私が抱きつきにいこうとするとなぜか自分の一番嫌いなメニューを始め出すんだよ。実の弟には二度としないでくれって言われたし。」
 『あー納得』とハルトは心の中で思った。
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