クロスフューチャー

柊彩 藍

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6章~正義の制裁者~

民主国家アルドリッジ

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 ハルト達は、今回の旅においての目的地があった。タリアから聞いた話で、少し前に反乱が起き国王が打倒され王が存在しない国があるらしい。王が存在しないがその国は豊かに発展していっていると言えるらしい。国民の投票によって選ばれた代表達数人で国を運営しているという。間接的にではあるが民意が反映される仕組みとなっているようだ。アルビオンがその話に興味を持ち、そこに目的地が決定した。その国の名前はアルドリッジ。民主国家だ。そこを目指してハルト達は歩き続ける。
 「ねぇ、何で私たち歩いてるの」
 ルナがくたくたになりながら問いを投げ掛ける。
 「旅をしたいんじゃなかったのか?」
 あまり疲れていない様子のハルトと蓮は、不思議そうな顔を浮かべる。ルナ程ではないにしろ、疲れが見えているリリィとアルビオンは苦笑いを浮かべた。
 「そうじゃなくてもっと進み方があるでしょうが!馬車とか馬車とか馬車とか!何なら魔力式の乗り物でもいいわ。」
 「無いもんは仕方ないだろ。」
 蓮は、そのまま足を進める。
 「ちょっと時間かかってもいいなら作るけど。」
 アルビオンは、ポツリと呟いた。
 「何日でも待つ!」
 ルナは笑顔でアルビオンの手を握った。アルビオンは、近くの林に皆を連れていった。
 「とりあえずちゃんとしたものは、アルドリッジについてから作るからそんなに良いものは出来ないよ。」
 アルビオンの指示でハルトと蓮は、木の伐採と加工、そして組み立てをした。ルナは、魔術的な知識があるため動力となる魔力の流れを作るための回路や、魔方陣を作った。アルビオン設計の元簡易的な魔力式の乗り物が完成した。
 「私が何もしてない間に完成しちゃった。」
 テキパキと働く4人を見ることしか出来なかったリリィは、ただ驚くだけだった。まさか日がくれる前に完成してしまうとは思ってもいなかったからだ。
 「いや、リリィは一番大事な仕事があるから。とりあえず今日はここで野宿をしよう。」
 アルビオンの言っていたことを不思議に思いながら眠りに着いた。
 翌朝リリィが起きるともうすでに皆は起きていた。
 「よし、運転手も起きた。行こう」
 ハルトは、ゴーサインを出した。そして数秒後に気がついた。昨日アルビオンの言っていたことの意味そして自分が今から何をするかを。
 
 「着いた~。案外はやかったな。」
 「歩いてないからな。」
 「楽にこれた。」
 疲れを感じることのない人達は、堂々と、楽を満喫した。
 「ちょ……どうして私なんですか?お陰でもうクタクタです」
 リリィは、膨大な魔力消費によって疲労していた。
 「昨日何もしてなかったから仕事をあげた。それだけ。」
 アルビオンはそういって入国審査の列へ並ぶ。
 アルドリッジには、国であればどこでも見かけるようなものが無かった。城塞である。高々とそびえ立つ壁が一切無いのだ。そして、町は外から丸見えである。しかし、そのようすと言えば平和という他ない。人々の暮らしに武力が存在していないかのようだ。
 「ここへは何をしに来ましたか?」
 「特には、ただ国王のいない民主国家と聞いて少し興味がわいたので」
 「そうですか、では町の雰囲気を存分にみて回っていた下さい。滞在期間は、どれ程でしょうか?」
 ハルトはアルビオンを見た。乗り物を作るなどと言っていたのでそれに要する期間がどれくらいなのか分からなかったからだ。それに気づいたアルビオンは代わりに答えた。
 「1週間で、お願いします。」
 「分かりました。入国料は、頂きませんが1週間を過ぎてしまいますと罰金となってしまいますので覚えておいてください。」
 特別な審査などはなく。この平和な国に武器を携えた者が入るというのに何も無かったかのように通された。少しアルビオンは違和感を感じた。町で騒ぎが起きたとき誰が対処するのだろうと。
 入ってすぐにリリィは、アルビオンを連れて宿を探しに行った。余程魔力消費による疲労がきているらしい。アルビオンとは日がくれる前に入国審査をしたところで待ち合わせることにした。
 リリィと離れてしばらく歩いているときだった。ハルトは突如後ろから何者かに絞められた。
 「ーーー!ー!」
 声が出ていない。
 「あー、ごめんね。つい抱きついちゃった。」
 抱き付く?そんな力では無かっただろうと思いながら誰なのか尋ねる。
 「チカ・フォリトス。とある道場のお姉ちゃんです!さっきはごめんね。だいぶ前に旅をしに出ていった弟見たいで我慢できなかったの。」
 ハルトは、なるほどと思った。道場に住んでいるならあの力は納得出来ると。チカは挨拶だけして、さっていった。
 「なぁ、あの姉ちゃんデカかったな。どうだった感触。」
 蓮が、囁いてきた。
 「何のことだよ。俺はギブアップサインを出すので必死だったからその他のことは知らないぞ。」
 「あんなに背中に感じておきながら。感謝の言葉ひとつもないのかお前はそれでも男か!」
 街中で意味の分からないことを言う変態をルナは全力で殴った。
 「さっ、いきましょ。あと、その変態担いでね。私触れたくないから。」
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