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6章~正義の制裁者~
失望
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「明日は、遂に玉座を開けてもらう!そして、民による政治を作ろう!」
取り返した、もので祝杯をあげながらサラディンは、皆を鼓舞した。サラディンは、多くの人と言葉を交わしその意思を統一させていった。そんなときに祝杯にある人影が見えた。
「誰だ!」
その人影にいち早く反応したのはミシュリだった。職業柄か、すぐさま銃を構え引き金に指をかけていた。
「いや、多分知り合いだ。」
サラディンは、立ち上がりその人影に近づいた。
「明日、どれだけの人が死ぬんだ」
「多くは死なせない、少なくとも共に戦うこいつらと守るべき人は」
イヴァンとサラディンが会話をするなか横からミシュリが割り込んできた。
「お前は何がしたい。これだけの変革だ誰も命を落とさずに変えられる訳がないだろ。」
それはイヴァンも理解はしている。ただ、せめてもの望みとして無惨な死という現実を誰にも突きつけないでほしいと願った。それは味方だけでなく相手の人々も。
「サラディン交渉だ。明日の革命に俺も参加する。その代わり出来るだけ殺すな。自分の命がかかっていない状況で相手を殺すことだけはやめろ。出来るだけ人が死なない作戦を今から考えろ。これを約束するなら、俺がひとつお前に情報をくれてやる。」
サラディンは、2つ返事で承諾した。
翌日、イヴァンは的確に相手の主力を無力化させていった。そのお陰で、革命軍はほとんど損害を受けることなく城までたどり着いた。
「いいか、アホども。きさまらがいくら騒ぎ立てようと我ら王族は滅びん!それにまんまと罠にかかりおって、きさまらは今ここで死ぬのだ!さあ、こやつらを皆殺しにしろ!」
王は、堂々とした態度でいい放った。そして、城に集まった革命軍を囲むようにして銃を構える人々が現れた。
しかし、ここで二人は笑みをこぼす。
「悪かったな王様ネタはバレてんだよ。」
王は、堂々とした表情から突如青ざめた顔になってしまっていた。
「おい、なぜ我にそれを向けておる。目標が違うではないか。」
「あなたが言っているのはこの方達でしょうか。」
そういってミシュリは、一人の兵士を屋根の上に転がした。
数時間前、サラディンがイヴァンの条件を飲むかわりの情報として王がある戦闘集団を買収したことが伝えられた。そして、それらによって城の前で殲滅させられると。
その状況にうろたえた王は、慌てふためき、銃に狙われているにも関わらず走って逃げて行ってしまった。そして、それを許すまじとある一人が撃った。さらに、慌ててミシュリも引き金を引く。2つの銃弾は王に命中する直前でぶつかり弾かれてしまった。
「隊長なぜですか!」
「クライアントからの要望だ。それにここで仕留めなければ後がないほど我々は貧弱か?」
ミシュリの言葉に、その男は引き下がり。直ちに捜索を始めた。
しかし、いくら城内を探せども王は見当たらない。
「サラディン、お前はミシュリを引き連れて城の南の一番近い村の跡地に行け。これは勘だが隠し通路がどこかにあって向かう先はそこだと思う。」
「イヴァンはどうする」
「俺は何とか隠し通路を探して王を後ろから追いかける。」
そうして二人は別れて行動を始めた。
サラディンが行ってしばらくすると。イヴァンもようやく隠し通路を発見し後から追うこととなった。
「流石に通路からはもうでてるか。城内の捜索で人一人も見つからなかったということは全員がここを通って逃げたと考えてもよさそうだな。」
イヴァンは全力で走りようやく地上への階段を発見した。しかし、そこで何かの異変に気がついた。
「熱い…」
イヴァンは、汗を滝のように流していた。しかし、それは走ったからなどではない。焼けるような熱さなのだ。さらに階段を上るに連れて温度は増していく。そして、地上にでた時の光景にイヴァンは絶望した。一面やけ野原になっていたのだ。そして炎の奥には革命軍の姿がちらほらと目に写った。間違いなく革命軍が放った炎だった。その光景に絶望していたからか崩れ去る家屋に気がつかず燃えた木材の下敷きになってしまっていた。朦朧とする意識の中辺りを見渡すと革命軍が王達をとらえているところを見つけた。そして、イヴァンはその後意識を失った。
「だからそんなにサラディンを恨んでいるのか?自分をそんな目に合わせたから…」
ミシュリは、同様で少し声が震えている。
「それだけなら俺は起こりすらしない。あの判断は適切だったと思う。火を放ってしまえば焼け死ぬか、投降するかの二択を迫られる。自分がかわいくて仕方がないような王族が死を待つはずがない。最後まで見苦しく命ごいをするだろう。けど、あれはなかっただろ。」
「大丈夫か?」
イヴァンはどうにか目を覚ますことが出来た。気がつくとベッドの上にねかせられていて、体には布が巻かれていた。どうやら目の前の男が治療してくれたようだ。
「あなたは?」
「私か?私はただの魔導師さ。それより君にはアレがどう見える?」
イヴァンは、はっきりしてきた意識の中騒がしく聞こえる外を見た。そこには、吐き気を催すような光景が広がっていた。
「今から王族の処刑を行う!」
並べられた磔台には王族の生き残り全てが縛られ、処刑をしきっているのはサラディンだった。王族を一人ずつ殺していくごとに観衆は沸き上がり、歓喜の声をあげていた。さらに酷いことには、処刑をする際にじっくりと時間をかけていることだった。急所には決して傷をつけずにじっくりと殺していった。磔台が血にまみれていく。その処刑パレードは、王族の最後の一人が声を出さなくなったところでようやく終了した。
「これより我々は人民による生活を作り上げることを宣言する。」
サラディンは高らかにこうかたった。
それを見ていたイヴァンは、たった一言言葉を漏らすことしか出来なかった。
「異常だ……」
取り返した、もので祝杯をあげながらサラディンは、皆を鼓舞した。サラディンは、多くの人と言葉を交わしその意思を統一させていった。そんなときに祝杯にある人影が見えた。
「誰だ!」
その人影にいち早く反応したのはミシュリだった。職業柄か、すぐさま銃を構え引き金に指をかけていた。
「いや、多分知り合いだ。」
サラディンは、立ち上がりその人影に近づいた。
「明日、どれだけの人が死ぬんだ」
「多くは死なせない、少なくとも共に戦うこいつらと守るべき人は」
イヴァンとサラディンが会話をするなか横からミシュリが割り込んできた。
「お前は何がしたい。これだけの変革だ誰も命を落とさずに変えられる訳がないだろ。」
それはイヴァンも理解はしている。ただ、せめてもの望みとして無惨な死という現実を誰にも突きつけないでほしいと願った。それは味方だけでなく相手の人々も。
「サラディン交渉だ。明日の革命に俺も参加する。その代わり出来るだけ殺すな。自分の命がかかっていない状況で相手を殺すことだけはやめろ。出来るだけ人が死なない作戦を今から考えろ。これを約束するなら、俺がひとつお前に情報をくれてやる。」
サラディンは、2つ返事で承諾した。
翌日、イヴァンは的確に相手の主力を無力化させていった。そのお陰で、革命軍はほとんど損害を受けることなく城までたどり着いた。
「いいか、アホども。きさまらがいくら騒ぎ立てようと我ら王族は滅びん!それにまんまと罠にかかりおって、きさまらは今ここで死ぬのだ!さあ、こやつらを皆殺しにしろ!」
王は、堂々とした態度でいい放った。そして、城に集まった革命軍を囲むようにして銃を構える人々が現れた。
しかし、ここで二人は笑みをこぼす。
「悪かったな王様ネタはバレてんだよ。」
王は、堂々とした表情から突如青ざめた顔になってしまっていた。
「おい、なぜ我にそれを向けておる。目標が違うではないか。」
「あなたが言っているのはこの方達でしょうか。」
そういってミシュリは、一人の兵士を屋根の上に転がした。
数時間前、サラディンがイヴァンの条件を飲むかわりの情報として王がある戦闘集団を買収したことが伝えられた。そして、それらによって城の前で殲滅させられると。
その状況にうろたえた王は、慌てふためき、銃に狙われているにも関わらず走って逃げて行ってしまった。そして、それを許すまじとある一人が撃った。さらに、慌ててミシュリも引き金を引く。2つの銃弾は王に命中する直前でぶつかり弾かれてしまった。
「隊長なぜですか!」
「クライアントからの要望だ。それにここで仕留めなければ後がないほど我々は貧弱か?」
ミシュリの言葉に、その男は引き下がり。直ちに捜索を始めた。
しかし、いくら城内を探せども王は見当たらない。
「サラディン、お前はミシュリを引き連れて城の南の一番近い村の跡地に行け。これは勘だが隠し通路がどこかにあって向かう先はそこだと思う。」
「イヴァンはどうする」
「俺は何とか隠し通路を探して王を後ろから追いかける。」
そうして二人は別れて行動を始めた。
サラディンが行ってしばらくすると。イヴァンもようやく隠し通路を発見し後から追うこととなった。
「流石に通路からはもうでてるか。城内の捜索で人一人も見つからなかったということは全員がここを通って逃げたと考えてもよさそうだな。」
イヴァンは全力で走りようやく地上への階段を発見した。しかし、そこで何かの異変に気がついた。
「熱い…」
イヴァンは、汗を滝のように流していた。しかし、それは走ったからなどではない。焼けるような熱さなのだ。さらに階段を上るに連れて温度は増していく。そして、地上にでた時の光景にイヴァンは絶望した。一面やけ野原になっていたのだ。そして炎の奥には革命軍の姿がちらほらと目に写った。間違いなく革命軍が放った炎だった。その光景に絶望していたからか崩れ去る家屋に気がつかず燃えた木材の下敷きになってしまっていた。朦朧とする意識の中辺りを見渡すと革命軍が王達をとらえているところを見つけた。そして、イヴァンはその後意識を失った。
「だからそんなにサラディンを恨んでいるのか?自分をそんな目に合わせたから…」
ミシュリは、同様で少し声が震えている。
「それだけなら俺は起こりすらしない。あの判断は適切だったと思う。火を放ってしまえば焼け死ぬか、投降するかの二択を迫られる。自分がかわいくて仕方がないような王族が死を待つはずがない。最後まで見苦しく命ごいをするだろう。けど、あれはなかっただろ。」
「大丈夫か?」
イヴァンはどうにか目を覚ますことが出来た。気がつくとベッドの上にねかせられていて、体には布が巻かれていた。どうやら目の前の男が治療してくれたようだ。
「あなたは?」
「私か?私はただの魔導師さ。それより君にはアレがどう見える?」
イヴァンは、はっきりしてきた意識の中騒がしく聞こえる外を見た。そこには、吐き気を催すような光景が広がっていた。
「今から王族の処刑を行う!」
並べられた磔台には王族の生き残り全てが縛られ、処刑をしきっているのはサラディンだった。王族を一人ずつ殺していくごとに観衆は沸き上がり、歓喜の声をあげていた。さらに酷いことには、処刑をする際にじっくりと時間をかけていることだった。急所には決して傷をつけずにじっくりと殺していった。磔台が血にまみれていく。その処刑パレードは、王族の最後の一人が声を出さなくなったところでようやく終了した。
「これより我々は人民による生活を作り上げることを宣言する。」
サラディンは高らかにこうかたった。
それを見ていたイヴァンは、たった一言言葉を漏らすことしか出来なかった。
「異常だ……」
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