俺はゲームのモブなはずだが?

レラン

文字の大きさ
10 / 33

8

しおりを挟む
 俺はある意味天才なのではないかと、自分で思ってしまった。だってそうだろ?主人公白蓮でもないのに、こんなにゲームのイベントを回収しちゃってるんだからさ。

「お、お邪魔してます」

 白蓮びゃくれんが、修也しゅうや京馬きょうまの叫び声にそう返した。
 いや人の弁当を食べたんだから、ここは「ごめんなさい」とかが普通なのでは?俺も人のこと言えないけどさ。

「‥‥‥えっと、ごめんなさい‥‥‥‥‥一応まだ食べ始めたばかりなので、残ってはいます‥‥よ?」

 俺は一応、まだ残っているおかずを、こちらを指さしたまま固まっている2人に見せて、様子を伺った。

「「‥‥‥」」

 2人は固まったまま動かない。

「‥‥えっと~とりあえず、指さすの辞めて貰えませんか?こちらが悪いとしても、とても不愉快になります」

 俺は立ち上がって、固まっているふたりの前に行き、そう伝えた。
 すると2人は動き出して、「すまない」と、それぞれ謝ってくれた。
 ‥‥‥‥いや、謝ってほしかったわけではないんですが‥‥ま、いっか。人のお礼と謝罪は、大人しく受け取っておけってね。

「いえ、こちらも知らなかったとはいえ、先輩方の弁当を勝手に食べてしまいましたから。ほら、白蓮もさっさと謝る」
「ご、ごめんなさい!!」

 俺と白蓮は、修也と京馬に頭を下げて謝った。
 ‥‥さて、このあとの展開は、俺にもわかんないぞ?
 ゲーム通りに進むなら、白蓮は京馬に、
「あ、謝らないでもいいよ?遅れたこっちも悪かったのもあるしな‥‥でも、それじゃあ君が納得しなさそうだから、これから俺と俺の昼飯買いに一緒に行こうか」
 と、言われるはずだ。
 俺?俺は知らん。
 もし、ゲームと同じ言葉が修也の口から出たとしても、俺は絶対に″あーん″なんてしないからな!!

「あ、謝らないでもいいよ?遅れたこっちも悪かったのもあるしな‥‥でも、それじゃあ君が納得しなさそうだから、これから俺と俺の昼飯買いに一緒に行こうか」

 京馬はゲーム通りの言葉を発した。
 お?これは白蓮は、京馬ルートに突入か?俺は顔下げてるからわかんねーけど、ゲーム通りなら、今京馬はとても優しい目で白蓮を見てて、次は白蓮の手を取って、「さ、行こっか」と言うはずだ。

「さ、行こっか」

 そう言って京馬は、を引いて屋上の出入口へと向かった。
 ‥‥‥‥ん?あれ?

「ちょ、ちょっと待ってください」

 俺は一旦止まって、京馬になぜ俺を連れて行くのか質問してみることにした。

「な、なんで俺なんですか!?惶蔵おそぐら副会長さん!」

 だっておかしいだろ!?俺は修也の弁当を食べた方で、決して京馬の弁当を食べた訳では無い。ちゃんと弁当の容器も記憶の中のゲームの修也の弁当容器と一致している。京馬の弁当を食べたのは白蓮だ。

「だって、君の連れが俺の弁当を食べただろ?だから、俺は君に責任を取らせようと思ってな」

 そう言ったくる京馬は、とてもいい笑顔をしていた。さも、それが当然の道理だとでもいう顔だ。

「いやいやいや。普通は惶蔵副会長さんの弁当を食べた白蓮を連れていくべきでしょ」
「そうだぞ?京馬。こいつは俺の弁当を食べていた。だから、こいつは俺、犬童川いんどうがわ 修也の物だ」
「そうそう。俺は犬童川会長の物‥って、それも違います!」

 いつの間に俺の後ろに来たのか、修也が俺の斜め後ろに立ってそう言ってきた。
 そして、「違うのか?」と言ってきた。
 こ、こいつ~!!

「俺は、誰の物って聞かれたら誰の物でmーー」
「ーー稜驊いつか君は僕のものだよ!ぷぅ~!」

 そう言って、俺の腕に飛びついてきたのは、七夏弥ななひさだった。
 七夏弥は、ほっぺを膨らませて修也たま京馬を睨んでいる。睨んでいる目には、どことなく力が入っていた。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

王道学園のモブ

四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。 私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。 そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~

無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。 自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。 続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』 かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、 転生した高校時代を経て、無事に大学生になった―― 恋人である藤崎颯斗と共に。 だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。 「付き合ってるけど、誰にも言っていない」 その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。 モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、 そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。 甘えたくても甘えられない―― そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。 過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。 今度こそ、言葉にする。 「好きだよ」って、ちゃんと。

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

無能の騎士~退職させられたいので典型的な無能で最低最悪な騎士を演じます~

紫鶴
BL
早く退職させられたい!! 俺は労働が嫌いだ。玉の輿で稼ぎの良い婚約者をゲットできたのに、家族に俺には勿体なさ過ぎる!というので騎士団に入団させられて働いている。くそう、ヴィがいるから楽できると思ったのになんでだよ!!でも家族の圧力が怖いから自主退職できない! はっ!そうだ!退職させた方が良いと思わせればいいんだ!! なので俺は無能で最悪最低な悪徳貴族(騎士)を演じることにした。 「ベルちゃん、大好き」 「まっ!準備してないから!!ちょっとヴィ!服脱がせないでよ!!」 でろでろに主人公を溺愛している婚約者と早く退職させられたい主人公のらぶあまな話。 ーーー ムーンライトノベルズでも連載中。

処理中です...