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海を渡る。
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愛理とアミルは戻る術も金も無いから仕方なしに護衛艦に乗った。
「思ったよりも揺れないのね」
愛理は艦長の誘いで入れて貰えた艦橋でそう感想を漏らす。
「ははは。これだけ大きいと船は簡単には揺れないわよ」
艦長は笑う。アミルはそんな彼女に不思議そうに尋ねる。
「でも、これ、凄い船なんですよね?所詮は生物である竜にこれだけ痛い目に遭う意味が解りませんけど」
「簡単な話よ。これは相手が戦艦や戦闘機などを相手にする為に作られた船なの。捕鯨船じゃないから、鯨は捕まえられないし、漁船じゃないから魚も捕れない。つまり、怪獣を相手にする事なんて出来ないのよ」
「あんな大砲とか積んでいるのに?」
「陸の上や空なら主砲や機関砲で何とかなるけど、相手が海中だとねぇ。むしろ昔ながらの爆雷投下が出来る方が遥かに効果があるわね。下手に現代化されて、対潜装備が魚雷になっているのがデメリットなのよ」
「爆雷ですか」
「そうよ。相手が生物だと、魚雷でも近接信管は反応しないし、動きも読めないから、誘導も難しい。爆雷なら、面で制圧するから、海中に潜った奴も逃がさないわ。まぁ、同じ事は可能だけど、コスト高なのよ。魚雷は」
「コスト高ですか」
「こんな状況だからね。魚雷を一本、作るだけでも大変ってね。だから、爆雷投下装置がこれにも載せられる事になったわ。飛行甲板を潰してね」
「ヘリが飛べなくなるって事ですか?」
「不便だけど、ヘリを使う場面も減ってるからねぇ。むしろ、爆雷で海中を潰す方が先。すでに改造を終えた船は成果を上げてるしね。海龍だって、爆雷が間に合ってたら、苦戦しなかったわ」
それを聞いた愛理とアミルは納得した。
「まぁ、それよりもあなた達にはこの船の修理と改造をする為に横須賀に回送するまでの護衛を頼むわ。報酬はお金じゃないけど、食事と寝る所と余っている武器をあげるわ」
「余ってる武器って・・・」
「今、見せてあげるわ。飯島海曹、彼女達を」
艦長は1人の下士官に後を任せた。二人は下士官に連れられて、艦内の下層へと向かった。
そこは貨物室のような場所だった。木箱などが多く置かれている。
「彼方此方で放棄された武器を回収している。自衛隊装備や使える物は再利用するが、再利用が不可能な銃器がこれだ。溶かして資源にする手はあるけど、勿体ないからな」
木箱が開封されると多種多様な銃器が入っていた。
「アメリカ以外のばかりね」
愛理も左程、知識があるわけじゃないが、これまでに色々と教えて貰っているので、何となく解る。
「アメリカ製は自衛隊の装備と親和性が高いからな。回収対象だ。残ってるのは大抵はロシアや中国とかだな」
「そんなのが日本に何であるんですか?」
「いや、日本で手に入れたんじゃない。周辺の調査の為に派遣された時に回収したのさ」
「周辺・・・外国って事ですか?」
「あぁ、こんな状況だからな。通信が途絶している国も多い。現状を把握する為に調査が行われているんだよ」
下士官の説明に愛理は納得する。因みにアミルはロシアとか中国とか聞いてもあまりよく解っていないらしい。
「銃は弾薬が手に入らないと鉄くずだからダメね」
愛理は眺めているとアーチェリーを見付けた。
「へぇ・・・こんな物まであるのね。アミルなら使えるんじゃない?」
「弓ですか。それなら得意です」
下士官はそれを聞いて笑う。
「ゴブリンぐらいなら弓でも殺せるだろうけど」
下士官が言うように現実的に弓では猪だって殺せるかどうかである。ちょっとした魔獣となれば無力である。だが、愛理はアーチェリーをアミルに手渡す。
「エルフは力が無いから、短機関銃の反動でも抑えきれずにまともに撃てないのよ。反動が無いアーチェリーの方が役に立つんじゃないかと思ったけど」
受け取ったアーチェリーを触りながら、アミルは満足そうにする。
「問題ありません。これはとても使いやすい弓ですね。私達が使っていた物とは雲泥の差です」
「最近のアーチェリーは光学照準器も装着が出来るからね」
「それは凄いです。これなら矢に魔法を付与して撃てば、相当の力になりますよ」
愛理はアルミの言葉を気にする。
「矢に魔法を付与?」
「そうです。一部の魔法は物体に効果を掛ける事が出来るんです」
「へぇ・・・例えば?」
「こうやって石や金属に炎や氷の魔法を掛けると、効果が切れるまで持続します」
「効果が切れるまで・・・例えば、石に氷の魔法を掛けると、ずっと氷になっていると?」
「ずっとは難しいですけど数分程度は」
「役に立たない」
「で、でも、炎の魔法を掛けて、矢を射れば、当たった部分が燃えますよ!」
「それは魔法を使わなくても出来るし、爆薬を付けた方が効果が高いわ」
「うー!破邪の魔法を掛けたら、実体の無い魔物にも効果があります!」
「実体が無い魔物って何?幽霊?」
「幽霊・・・そんなようなものです」
「そ、そんなの本当に居るの?」
愛理は驚いて、アミルを問い詰める。
「は、はい。悪魔とか幽霊とか居ますよ。ただ、実体が無いので、簡単に動けないとか制約がありますが」
「動けない・・・地縛霊みたいなもん?」
「そんなもんです。悪魔は高位になるとかなり自由に動けたりしますが」
「実体が無いって事は銃は効かないの?」
「普通の剣や槍では効果が薄いですね。まぁ、金属や石にも破邪の力がある物もありますので、そうした素材で作れば、効果があります」
「それって、どんなの?」
「例えば金や銀とかですね」
「高いわ」
「銅でも良いです」
「どうでも良いけど・・・銀の銃弾でも用意しておいた方が良いわね」
愛理は呆れたように貨物室を後にした。
「思ったよりも揺れないのね」
愛理は艦長の誘いで入れて貰えた艦橋でそう感想を漏らす。
「ははは。これだけ大きいと船は簡単には揺れないわよ」
艦長は笑う。アミルはそんな彼女に不思議そうに尋ねる。
「でも、これ、凄い船なんですよね?所詮は生物である竜にこれだけ痛い目に遭う意味が解りませんけど」
「簡単な話よ。これは相手が戦艦や戦闘機などを相手にする為に作られた船なの。捕鯨船じゃないから、鯨は捕まえられないし、漁船じゃないから魚も捕れない。つまり、怪獣を相手にする事なんて出来ないのよ」
「あんな大砲とか積んでいるのに?」
「陸の上や空なら主砲や機関砲で何とかなるけど、相手が海中だとねぇ。むしろ昔ながらの爆雷投下が出来る方が遥かに効果があるわね。下手に現代化されて、対潜装備が魚雷になっているのがデメリットなのよ」
「爆雷ですか」
「そうよ。相手が生物だと、魚雷でも近接信管は反応しないし、動きも読めないから、誘導も難しい。爆雷なら、面で制圧するから、海中に潜った奴も逃がさないわ。まぁ、同じ事は可能だけど、コスト高なのよ。魚雷は」
「コスト高ですか」
「こんな状況だからね。魚雷を一本、作るだけでも大変ってね。だから、爆雷投下装置がこれにも載せられる事になったわ。飛行甲板を潰してね」
「ヘリが飛べなくなるって事ですか?」
「不便だけど、ヘリを使う場面も減ってるからねぇ。むしろ、爆雷で海中を潰す方が先。すでに改造を終えた船は成果を上げてるしね。海龍だって、爆雷が間に合ってたら、苦戦しなかったわ」
それを聞いた愛理とアミルは納得した。
「まぁ、それよりもあなた達にはこの船の修理と改造をする為に横須賀に回送するまでの護衛を頼むわ。報酬はお金じゃないけど、食事と寝る所と余っている武器をあげるわ」
「余ってる武器って・・・」
「今、見せてあげるわ。飯島海曹、彼女達を」
艦長は1人の下士官に後を任せた。二人は下士官に連れられて、艦内の下層へと向かった。
そこは貨物室のような場所だった。木箱などが多く置かれている。
「彼方此方で放棄された武器を回収している。自衛隊装備や使える物は再利用するが、再利用が不可能な銃器がこれだ。溶かして資源にする手はあるけど、勿体ないからな」
木箱が開封されると多種多様な銃器が入っていた。
「アメリカ以外のばかりね」
愛理も左程、知識があるわけじゃないが、これまでに色々と教えて貰っているので、何となく解る。
「アメリカ製は自衛隊の装備と親和性が高いからな。回収対象だ。残ってるのは大抵はロシアや中国とかだな」
「そんなのが日本に何であるんですか?」
「いや、日本で手に入れたんじゃない。周辺の調査の為に派遣された時に回収したのさ」
「周辺・・・外国って事ですか?」
「あぁ、こんな状況だからな。通信が途絶している国も多い。現状を把握する為に調査が行われているんだよ」
下士官の説明に愛理は納得する。因みにアミルはロシアとか中国とか聞いてもあまりよく解っていないらしい。
「銃は弾薬が手に入らないと鉄くずだからダメね」
愛理は眺めているとアーチェリーを見付けた。
「へぇ・・・こんな物まであるのね。アミルなら使えるんじゃない?」
「弓ですか。それなら得意です」
下士官はそれを聞いて笑う。
「ゴブリンぐらいなら弓でも殺せるだろうけど」
下士官が言うように現実的に弓では猪だって殺せるかどうかである。ちょっとした魔獣となれば無力である。だが、愛理はアーチェリーをアミルに手渡す。
「エルフは力が無いから、短機関銃の反動でも抑えきれずにまともに撃てないのよ。反動が無いアーチェリーの方が役に立つんじゃないかと思ったけど」
受け取ったアーチェリーを触りながら、アミルは満足そうにする。
「問題ありません。これはとても使いやすい弓ですね。私達が使っていた物とは雲泥の差です」
「最近のアーチェリーは光学照準器も装着が出来るからね」
「それは凄いです。これなら矢に魔法を付与して撃てば、相当の力になりますよ」
愛理はアルミの言葉を気にする。
「矢に魔法を付与?」
「そうです。一部の魔法は物体に効果を掛ける事が出来るんです」
「へぇ・・・例えば?」
「こうやって石や金属に炎や氷の魔法を掛けると、効果が切れるまで持続します」
「効果が切れるまで・・・例えば、石に氷の魔法を掛けると、ずっと氷になっていると?」
「ずっとは難しいですけど数分程度は」
「役に立たない」
「で、でも、炎の魔法を掛けて、矢を射れば、当たった部分が燃えますよ!」
「それは魔法を使わなくても出来るし、爆薬を付けた方が効果が高いわ」
「うー!破邪の魔法を掛けたら、実体の無い魔物にも効果があります!」
「実体が無い魔物って何?幽霊?」
「幽霊・・・そんなようなものです」
「そ、そんなの本当に居るの?」
愛理は驚いて、アミルを問い詰める。
「は、はい。悪魔とか幽霊とか居ますよ。ただ、実体が無いので、簡単に動けないとか制約がありますが」
「動けない・・・地縛霊みたいなもん?」
「そんなもんです。悪魔は高位になるとかなり自由に動けたりしますが」
「実体が無いって事は銃は効かないの?」
「普通の剣や槍では効果が薄いですね。まぁ、金属や石にも破邪の力がある物もありますので、そうした素材で作れば、効果があります」
「それって、どんなの?」
「例えば金や銀とかですね」
「高いわ」
「銅でも良いです」
「どうでも良いけど・・・銀の銃弾でも用意しておいた方が良いわね」
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