少女はドラゴンハンターになった。

エムポチ

文字の大きさ
18 / 19

足を確保する。

しおりを挟む
 三人は西を目指すにあたり、足を探す事にした。
 徒歩で向かう事も考えられたが、当然ながら、自動車の方が速い上に何かと便利で安全だからだ。
 このような状況になり放置された車も多い。とは言え、まともに走れるかどうかは不明だ。
 「ふむ・・・燃料の問題もあるから、燃費の良い車が良いわね」
 愛理はそこら辺に置かれたままの車を見ながら考える。
 「ある程度、大きくないと荷物も運べないわ」
 旅慣れたペルティナの言う事はもっともだった。
 「そうなると、トラックか。ペルティナは運転が出来るの?」
 「した事なんて無いわ。私は乗せて貰うか、徒歩で旅してだけだし」
 「えぇ・・・わたしだって、免許は無いし」
 「ギアを入れて、アクセルを踏めば走るんでしょ?」
 アミルが簡単そうに言う。
 「そんな事を言うなら、アミルが運転ね」
 愛理は笑いながら言う。
 「わかりました」
 アミルは何故かやる気を出したので、冗談交じりに言ってみた愛理はちょっと驚く。
 それから放置自動車を物色していると国産のミニバンを発見した。
 「ハイブリッド車ね」
 愛理がそう言うと「それは何だ?」とペルティナが尋ねる。
 「ガソリンと電気で走るのよ」
 「なんで両方を使うんだ?」
 「なんでって・・・ガソリンを節約するためよ」
 「電気を使うのに?」
 「うーん・・・電気の方が安いんでしょ?」
 愛理は説明を諦めた。その間にアミルが車に乗り込む。
 幸いにも鍵は掛かっていたが、さすがに長い間、放置されていただけあって、バッテリーが上がっている。
 「動かないわよ」
 「マジ?」
 愛理はそれがバッテリー上がりだと言う事を知らない。単純に故障しいているだけだと思った。
 「直せないの?」
 「車なんて、わかるわけが無いじゃない」
 アミルの言葉に納得する愛理。
 「じゃあ・・・車は無理かぁ」
 と諦める三人の傍に一台のトラックが停車した。
 「女が三人でこんな場所で何をしている?」
 トラックに乗っていたおじさんが笑みを浮かべて声を掛ける。
 「車を物色していたけど、動かないの」
 愛理は諦め顔でおじさんに説明をすると、おじさんは車から降りていた。
 「ふん・・・程度の良いミニバンじゃな。これを動かしたいのか?」
 「鍵はあるんだけど」
 「じゃあ、バッテリーだな。今、繋いでやる。料金は取るぞ?」
 「いくら?」
 「3万だな」
 「たかい」
 「これでも安い方だ」
 「わかった。出来たら払うよ」
 「そうか」
 おじさんはブースターケーブルの付いたバッテリーを持ち出し、ケーブルをミニバンのケーブルに繋ぐ。
 「エンジンを掛けてみろ」
 そう言われた、アミルがエンジンスタートスイッチを押す。
 ブロ・・・ブロロロロ
 とエンジンが動き出した。
 「しばらく、アイドリングさせておけ。その内、バッテリーが充電されるじゃろ」
 愛理はおじさんに料金を支払う。
 「子どもだけで大阪に向かうのか・・・気を付けろ。伊賀や奈良の山奥には魔獣がうじゃうじゃ居るそうだ」
 「解ってる。だけど、探し物があってね」
 「そうか。じゃあな」
 おじさんは走り去って行った。

 車の充電が終わり、アミルの運転で出発した。
 アミルはアクセルをソロリと踏み、低速でノロノロと走る。
 時折、ブレーキを確認するように踏み込む。
 ガックンガックンと車は変な挙動をしながら、進んでいた。
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生後はゆっくりと

衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。 日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。 そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。 でも、リリは悲観しない。 前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。 目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。 全25話(予定)

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

「貧相な小娘」と罵った第一王子へ。番(つがい)は貴方ではなく、国王陛下(お父様)でした

しえろ あい
恋愛
「お父様、わたくし、あの方と目が合った瞬間、分かってしまったのです」 十六歳のデビュタントの夜、ルーセント侯爵令嬢フェリシアを待っていたのは、残酷な罵倒だった。第一王子カシウスは、可憐な白いドレスを纏った彼女を「貧相な小娘」と呼び、己の番(つがい)であることを真っ向から否定する。 会場に響く冷笑と、愛用の刺繍に込めた自信さえ打ち砕くような屈辱。しかし、絶望の淵に立たされた彼女を見つめていたのは、王子ではなく、圧倒的な威厳を放つ「ある男」だった。 魂を焦がすような熱い視線が重なり、静まり返る謁見の間。この出会いが、王室を揺るがす大事件の幕開けになるとは、まだ誰も知らない。自身の価値を否定された少女が、真実の愛によって世界で最も幸福な王妃へと駆け上がる、逆転溺愛ストーリー。 ※小説家になろう様にも投稿しています※

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

短編)どうぞ、勝手に滅んでください。

黑野羊
恋愛
二度も捨てられた聖女です。真実の愛を見つけたので、国は救いません。 あらすじ) 大陸中央にあるルオーゴ王国で、国を守る結界を維持してきた聖女ロザリア。 政略のため王太子と婚約していた彼女は、突如『真の聖女』が現れたとして婚約を破棄され、聖女の座を追われてしまう。さらに、代わりに婚姻しろと命じられた聖騎士からも拒絶され、実家にも見捨てられたロザリアは、『最果ての修道院』へと追放された。 けれど彼女はそこで、地位や栄光、贅沢などとはほど遠い、無条件に寄り添ってくれる『真実の愛』と穏やかな日々を手にいれる。 やがて聖女を失った王国は、崩壊へ向かっていき――。 ーーー ※カクヨム、なろうにも掲載しています

転生『悪役』公爵令嬢はやり直し人生で楽隠居を目指す

RINFAM
ファンタジー
 なんの罰ゲームだ、これ!!!!  あああああ!!! 本当ならあと数年で年金ライフが送れたはずなのに!!  そのために国民年金の他に利率のいい個人年金も掛け、さらに少ない給料の中からちまちまと老後の生活費を貯めてきたと言うのに!!!!  一銭も貰えないまま人生終わるだなんて、あんまりです神様仏様あああ!!  かくなる上はこのやり直し転生人生で、前世以上に楽して暮らせる隠居生活を手に入れなければ。 年金受給前に死んでしまった『心は常に18歳』な享年62歳の初老女『成瀬裕子』はある日突然死しファンタジー世界で公爵令嬢に転生!!しかし、数年後に待っていた年金生活を夢見ていた彼女は、やり直し人生で再び若いままでの楽隠居生活を目指すことに。 4コマ漫画版もあります。

処理中です...