君がこの世にいる内は

そらた

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2話. 幼馴染

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サイド. 椎野


「素直に『僕能力者なんですよ~』って言っちまえば
信憑性も上がるんじゃねぇの?」

小児がんと発覚した時点で僕に回ってくるのではないか、と冷や汗を
書いてはいたが本当に僕に回ってくるなど考えてはいなかったために
それをこなしてきた、という疲労と安心の気持ちから大きなため息が零れたが
良くも悪くも僕の隣の席になった幼馴染 奈良 裕貴なら ゆうき
発した言葉に2度目のため息をついた。

「この時代を生きる現代人に置いて『僕能力者なんです~』って言って
信じる人の方が少ないだろ。実際問題お前だって最初は信じなかっただろ。」

「それはそれ、これはこれ、ってやつだ!」

「何言ってんだよ。」

朝から僕を含めた看護師と医者がドタバタと絶えず動いていたためか
気がつけば現在時刻は昼食時間などとうに過ぎていて、それすらも
気づかず次の仕事に取り組もうとしてた僕は立派に職業病というものに
なってしまっているのかもしれない。
冷めきってしまったお弁当箱を開けようとすると見計らってたかのように
話し出す幼馴染、もとい、裕貴。

「それにしてもお前の"能力"、便利だよなぁ。 」

「お前が思ってるほど良いものでもねぇよ。」

何を隠そう僕は能力者。…と言ってもファンタジー系に
よくあるような強化系でも攻撃系でも防衛系でもない。
ただ、生まれつき物や人、例外はないが視界に写ったものの
余命が見える、というもの。
別に意識をしなければ見えなくなるために、
視界いっぱいに広がる無作法な数字の意味の解読には
時間がかかったものである。

「そもそも僕の能力は見えるものには限りがなくても、
人だったら交通事故、物だったら使い方、動物だったら狩り、
それに、命を持つものは病気にかかるものだから、自然現象には抗えない、
それが見えないあたり一概にいい能力だよ、なんて言えねぇよ。」

「…そういう物かね。」

そこまで言い終わったら待ってました!と言わんばかりの笑顔で看護師が
言葉を並べていく。

椎野しいな先生、お呼びです。」

「ほら、呼んでるぞレイ。」

「おう、お前も頑張れよ裕貴、じゃなかった、奈良先生?」


サイド.奈良


颯爽と走り抜けていく竹馬の友の姿を視界がぼやけるまで眺める。
うん、いい笑顔だ。楽しんでる。
その姿を見て自分の口角も自然と上がっていく。

「行ってこい、天才医師…椎野レイ先生。」
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