殉教者の皿の上

もじかきくらげ

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乾いたパンと薄い燻製肉

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みなの信仰の力は強い。最近来たばかりの小さな子は取り分け信仰心が厚い。まだ6歳の子供だが祈りを捧げ続ければいつかきっと神が救いの手を差し伸べてくださると信じている。さて救いなどあるのか?この世界に、救いなど在るのか?私は未だ救いに出会ったことは無い。この歳までずっと主を信じて生きてきたが……いや、そんなことは無い……信仰心が足りないのだ。大丈夫だ。救いはきっと訪れる。肉が手に入ったのは幸運だった。少し運が向いてきた気がする。昨日と比べて、だが。長く食べられるように保存しておこう。確か昔肉屋で働いていた信者がいたはずだ。
楽譜が昨日から見当たらない。調律師にはぼったくられた。ピアノはすっかり狂ってしまっている。やはり私がやるしかないのか。
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