神様に愛されている α×α(→Ω) 

尾高志咲/しさ

文字の大きさ
11 / 24
第一章 出会い

10 番う ※※ 

しおりを挟む
「だって、い、伊織のはすごく大きいのに。は、入るの?」

 僕の言葉に綺麗な瞳が丸くなる。伊織は笑いを堪えながら肩を振るわせて、僕の頬にキスをした。

「ほんとに、もう……」

 何だろう。伊織の言葉を聞き、見つめられているうちに、体がまた熱くなる。お尻の奥から何かがじわりと出るような、変な感じがする。
 伊織の指先が、まるでそれを待っていたかのように、くちりと中に入ってくる。

「あ、何? あ、あっあ!」

 伊織の指はぬるりとナカに入り、何の抵抗もなく僕を拓いていく。初めての感覚のはずなのに、僕は伊織の指に自分のナカが吸い付くのを感じた。くちゅくちゅと音が聞こえ、伊織はすぐに指を増やしていく。そして、指が増えるほど、自分の肉襞が歓喜する。僕のペニスはもう一度硬度を取り戻し、後孔を伊織の指が進むたびに、天を向いて揺れた。

「んッ! あっ、ああ、いい」
「お尻が気持ちよくて、また勃ったの? やらしいね」

 そう言いながら、伊織は中指を思いっきり奥に突き入れる。僕のペニスからぴゅっと白濁が零れた。

「あっ、や!」
「我慢できなかった? ここがいいの?」

 何度も繰り返し奥を突かれ、その度に白濁が零れた。伊織の指が少し手前をぐりっと押すと、今度は足の爪先までが痺れていく。

「や! あ、あ!」
「うん、ここ、すごく気持ちいいね」

 体が快感に痺れたまま、僕の耳に伊織の声だけが響く。伊織の声には不思議な力がある。心も体も知らず知らず、従ってしまうような。
 伊織は指をずるりと抜き、僕の体をころりと返してうつ伏せにした。

「志乃、いい子。お尻をこちらへ突き出して」

 ベッドのシーツを握りしめながら、尻だけを高く上げた。伊織が尻たぶを左右に割り開き、自分の熱いペニスをぐっと押し当てた。ただ当てられているだけなのに、とても熱い。早くナカに入らせろと言われた気がして、ぞくぞくと体が震える。

「しの、志乃をちょうだい」

 低く甘い声が響き、伊織は僕の中にぐっと入って来た。

「ん!」
「あッ、志乃!」

 伊織の熱くて太いペニスは、僕のナカをみちみちと拡げていく。とても大きいそれを、まるで飲み込むように受け入れた。擦られると、たまらなく気持ちがいい。甘い声が漏れるたびに、伊織が激しく腰を振った。

「ああん! あんっ」
「志乃ッ、いいよ……すごくいい」
「や! あっあっ」

 シーツを掴んだまま膝が崩れると、伊織が僕の腰を掴んで自分のペニスを突き立てる。
 僕はシーツに何度も白濁を零して、辺りはもう、ぐちゃぐちゃになっている。

「ゃん! あ、こわれちゃ、もう壊れちゃうよおっ」
「ああ、もう可愛いな。……出すよ、志乃の中に出す」

 パンパンと何度も肌を打つ音がした後に、ぐっと僕のナカに入ったペニスが大きくなる。思いっきり奥まで突き上げられて、甲高い声を上げた。

「あ! ああああああ」

 中に熱いものがドクドクと流れ込む。伊織のペニスの根元が膨らみ、僕はアルファの熱を注がれた。体の奥まで繋がったまま、アルファの長い吐精を受け続ける。そして僕の背中をぐっと抱き寄せたまま、伊織が甘く囁いた。

「大好きだよ、志乃。俺の、おれだけの……オメガになって」

 ──伊織だけの……オメガになる。

 それは、うっとりするほど甘い言葉だった。
 体は恍惚として、快感だけを注がれている。まるで媚薬のような伊織の声だけが耳に流れこみ、僕はゆっくりと頷いた。
 その瞬間、伊織の鋭い歯が僕の項に突き刺さった。

 肌を食い破って入って来た痛みに、体の中で何かが変化する。もう二度と、元には戻れない。ゆっくりと確実に、僕は変わっていくだろう。

 薄れていく意識の中ではっきりと、それだけがわかった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話

降魔 鬼灯
BL
 ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。  両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。  しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。  コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。  

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 8/16番外編出しました!!!!! 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭 3/6 2000❤️ありがとうございます😭 4/29 3000❤️ありがとうございます😭 8/13 4000❤️ありがとうございます😭 12/10 5000❤️ありがとうございます😭 わたし5は好きな数字です💕 お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭

『アルファ拒食症』のオメガですが、運命の番に出会いました

小池 月
BL
 大学一年の半田壱兎<はんだ いちと>は男性オメガ。壱兎は生涯ひとりを貫くことを決めた『アルファ拒食症』のバース性診断をうけている。  壱兎は過去に、オメガであるために男子の輪に入れず、女子からは異端として避けられ、孤独を経験している。  加えてベータ男子からの性的からかいを受けて不登校も経験した。そんな経緯から徹底してオメガ性を抑えベータとして生きる『アルファ拒食症』の道を選んだ。  大学に入り壱兎は初めてアルファと出会う。  そのアルファ男性が、壱兎とは違う学部の相川弘夢<あいかわ ひろむ>だった。壱兎と弘夢はすぐに仲良くなるが、弘夢のアルファフェロモンの影響で壱兎に発情期が来てしまう。そこから壱兎のオメガ性との向き合い、弘夢との関係への向き合いが始まるーー。 ☆BLです。全年齢対応作品です☆

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

孕めないオメガでもいいですか?

月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから…… オメガバース作品です。

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

【完結】それ以上近づかないでください。

ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」 地味で冴えない小鳥遊凪は、ずっと憧れていた蓮見馨に勢いで告白してしまう。 するとまさかのOK。夢みたいな日々が始まった……はずだった。 だけど、ある出来事をきっかけに二人の関係はあっけなく終わる。 過去を忘れるために転校した凪は、もう二度と馨と会うことはないと思っていた。 ところが、ひょんなことから再会してしまう。 しかも、久しぶりに会った馨はどこか様子が違っていた。 「今度は、もう離さないから」 「お願いだから、僕にもう近づかないで…」

【完結】出会いは悪夢、甘い蜜

琉海
BL
憧れを追って入学した学園にいたのは運命の番だった。 アルファがオメガをガブガブしてます。

処理中です...