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番外編 二人のバレンタイン
4.🍫🍫🍫🍫 ※
しおりを挟むはあ、とため息が頭の上で聞こえてくる。その困ったような声も好きだ。だって、嫌がってないのを知ってる。眉を寄せてぼくを見る目が優しいから、もっと近くで見たくなる。
「千晴、ちょっとだけ待てる?」
こくんと頷くと、一星はそっとぼくの腕を外して起き上がり、自分の服を脱ぎ始めた。ぼくもふらふらしながら上半身を起こして、自分でネクタイを緩める。いつもしていることなのに、何だか上手く出来ない。もたついていると、裸になった一星がするりと取ってくれた。
「……待っててくれたらいいのに」
「だって、熱いから」
脱がせて、と言えば一星は噛みつくようにキスをする。開いた唇の隙間から熱い舌が入ってくる。
「ん……!」
口の中に溜まった唾液を飲み込めば、唇の端から溢れて雫のように零れていく。息をするのも必死な間に、一星は、ぼくのシャツのボタンを外した。唇を離されるのと同時にシャツが脱がされ、ズボンごと下着が剝がされた。素肌になって抱きしめあう。
「……あ、あ!」
「千晴……」
ぼくよりも一回りは大きい体に抱きしめられて、ぞくぞくと体が震える。綺麗に割れた筋肉、そそりたつ逞しい存在。一星の昂ぶりが自分のものと当たって、互いの体に電流のような痺れが走った。
背に回った一星の手が尻の間に伸びて、指先が後孔を探る。びくんと跳ねた体からは、とろりと蜜液が溢れ出す。中から伝い落ちてくるのがわかって、たまらなく恥ずかしい。
「もう、濡れてる」
「あ、あッ。だって……、一星が」
触るから、と言う声はどんどん小さくなって、一星がぼくの耳朶を齧る。柔らかく食んだかと思うと、舌でねろりと耳の中も舐められる。
ぼくを抱きしめたまま、一星の指先が後孔の入り口に触れた。ぬちゅ、と入り込んだかと思うとぐっと中まで入ってくる。
がくがくと震える体を引き寄せられたまま、指が根元まで深く入りこんだ。肉襞が一星の指にきゅうきゅうと吸い付いていく。
「やっ……! あああ!」
「可愛い。指だけなのに、もうこんなに欲しがってる」
一星が指を動かすと、ぼくの中からはどんどん蜜が溢れて内腿を濡らす。快感に涙がにじんでも、一星は手を止めようとはしない。浅いところを何度も押されて、ペニスの先からも先走りが零れた。思わず唇を噛み締める。
「唇、噛んじゃダメだよ。傷がつく」
一星の甘い声は、ぼくの頭の中を沸騰させる。優しくキスをして体を痺れさせ、どろどろに溶かしていく。
どんどん濡れる中に指が三本も入った頃、ぼくはもう、声を我慢することが出来なかった。
「……いっせ! あっあ!」
「気持ちいいね、千晴。もっと声、出して」
「あ! そこ、出ちゃ! 出ちゃうッ!」
「いいよ、出して」
ぼくは必死で一星の体に縋りついた。下から三本の指でぐぐっと突きあげられた瞬間、堪らずぼくの先端から白濁があふれ出る。互いの腹や胸にまで白濁が飛び散って、体からは一気に力が抜けた。一星は指を抜いて、ぼくの体をゆっくりとベッドに押し倒す。
「もう……千晴の中に入りたい」
ヘッドボードにあったゴムの袋を切って一星が剛直に被せると、ぼくの体はずくんと疼いた。
一星がぼくの両足を大きく広げて、柔らかく開いている後孔にぴたりと剛直を当てる。熱い獣のような瞳と目が合って言葉を飲み込んだ途端、一星自身がずずっと中に入ってきた。
「ん! あああ! 熱いッ……!」
体の中の熱は醒めることを知らない。硬くて熱い剛直が肉襞を掻き分けて進み、奥まで何度も擦り上げてくる。剛直が激しく奥を突くほど、ぼくの陰茎からは再び白濁が零れた。足先までが痺れて、たまらず一星に向かって両手を伸ばす。
「一星! イッてる! またイッて……」
「……気持ちいい。千晴、これ、まずい」
止めようと思うのに自分から腰が揺れて一星をぎゅっと締めつけてしまう。一星はぼくの手を握りしめて、一本一本指を絡めてくれた。
自分の中から湧き上がる香りが一星を包み、一星が眉を寄せて熱く息を吐いた。普段静かな一星の雄になる姿に、自分の中が歓びでいっぱいになる。
(欲しい。もっと、奥に)
「……っ! 千晴!!」
うわ言のように言った言葉に、一星が目を見張る。剛直が一際大きくなって、思い切り奥を突いた。一星がぼくの名を呼びながら精を叩きつける。ぼくは無意識に望んでいた。
――いつか、一星でいっぱいに満たして欲しい、と。
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