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重なり合う運命の音
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ここはなんの変哲も無さすぎて逆に珍しいんじゃないかと思うくらい普通の私立高校。特に偏差値が高いわけでもなければ、低いわけでもない。かといってスポーツの強豪でもない。そんな高校に通う俺。名前は響音七音。この学校の2年生だ。友達が多く、クラスのムードメーカーであったり、友達がいなくて孤立してるということも無い。成績はいい方だが、この学校でいい方であったとしても全国的には中の中。並もいい所だ。見た目はよくカッコイイと言われるが、学園の貴公子とか言われちゃうレベルではない。女の子とすれ違った時、黄色い歓声が聞こえる訳でもない。特にオシャレに気を使ってる訳では無いが、最低限の身だしなみは整えてるつもりだ。ちなみにうちの学校は私服校だ。こんな俺にも特技がある。それはドラムだ。父も母も学生時代、バンドに明け暮れていたそうで、その影響もあり、小さい頃からドラムをやってる。と言っても特にバンドに所属している訳では無い。ひたすらに1人で練習するだけだ。言う必要もないのでクラスメートには言っていない。
だがひょんなことから、バレることになる。
そう…彼女に出会ったことで。
~駅前のスタジオ~
「ありがとうございました。帰ります。」
土曜日の午後4時程度、俺はドラムの練習を終えてスタジオを出た。
「おつかれ~。いつも思うけどやっぱり上手いね。腕前だけで言ったらプロレベルなのに。」
このスタジオのオーナーの櫻井さんがそう言う。
なんでも昔はロックバンドでブイブイ言わせてたそうだ。
「ありがとうございます。まあひたすら1人で練習してましたからね。」
「いや~、もったいないなぁ。どこかのバンドに入ればいいのに。」
櫻井さんは俺が練習に来る度にバンドに入ったらと勧めてくる。
「まぁ…考えてみます。」
そして毎回この返事である。
「こんにちは~」
俺と櫻井さんが話してると、誰かが入ってきた。
「いらっしゃい。今ちょうど開いたところだから、ちょっと早いけどスタジオ入っちゃっていいよ。」
どうやら俺の次のお客さんが来たようだ。
「ありがとうございます。入らせてもらいま……七音くん!?」
知ってる声で名前を呼ばれたためその声の主の顔を見た。するとそこにあったのはクラスメートの顔だった。
「九重さん?」
九重音葉…俺のクラスメートで
茶髪ショートの大人しい子。クラスの男子からの評判もいい。
「え?七音くんもここに練習に?ていうか楽器できるの!?」
いきなりの質問攻めで戸惑っていると
「そうだよ。七音くんはもう何年も前からこのスタジオにドラムをやりに来てるよ。」
代わりに櫻井さんが答えてくれた。
「そうなんだ!私もね最近ここに通い始めたんだ。恥ずかしいけどギターボーカルなんだ…」
あの大人しい九重さんがギターボーカル?
「音葉ちゃんは凄いよ。始めたばかりなのに歌もギターもすごい上手いし、何よりオーラがある。」
大絶賛する櫻井さん。
「いえ…そんな…。七音くんはどれくらい上手いんですか?」
九重さんが尋ねてくる。
「そうだね、七音くんは腕前はプロレベルだよ。バンドに所属してはいないんだけど。」
いや照れますな。
「すごい!」
「いや…まあ3歳からずっとやってるからね。」
「ていうかバンドに入ってないんだよね?良かったら私とバンド組まない?」
いつもの大人しい九重さんの面影がないと思えるほどに高いテンションで、そう言ってくる。
「え…でも…」
俺は躊躇った。俺は今バンドに加入していないが
昔…と言っても二年くらい前だが俺はバンドに入っていた。でも俺のレベルにみんながついてこれなくて、そのバンドはなくなってしまった。だから、バンドを組む時は自分と同じくらいのレベルの人と組むと決めてるのだ。
「んー…とりあえず音葉ちゃんがどれくらい上手いのか見せてから決める方がいいよね」
俺の事情を知ってる櫻井さんがそう言った。
「それもそうですね!じゃあ来てください!」
そう言って九重さんが俺の手を引いてスタジオに入った。その後を櫻井さんが続く。
「じゃあ始めますね。曲は…この曲で!」
今流行りのバンドの曲で僕も何度か叩いたことのある曲だった。
そしてスタジオの中に沈黙が走った。
「─────。」
俺は固唾を飲んで曲の始まりを待つ。
ギターの音が聞こえたと思ったその時、俺の思考は止まった。
「なんだ…これは…」
俺はそう呟いた。
なんであの可愛らしく大人しい人からこんなに激しい声が出るんだ…
「──────ッ!」
息ができないほどにすごい…
もはや凄いとかやばいとかそんな言葉じゃ表せない。
「…ハハッ」つい笑がこぼれてしまった。
一体なんなんだこの空間は…さながらプロのバンドのライブかのようだ。
技術的な面でも凄いのだが、そんなものは話にならない。気迫が…オーラがあるのだ。
どんどん引き込まれていく。俺の中にこんな気持ちがこみ上げてくる。
(こいつと一緒に音楽がしたい!)
気がついたら演奏は終わっていた。
「どうだ!私の演奏…最高だったろ♪」
え?喋り方が…
「あぁ…音葉ちゃん、ギター持って歌ったら性格が変わっちゃうんだよ…」
「えぇ…?」
そんなことある?
「それで、どうだ?私とバンド組む気になったか?」
こうやって見ると確かに顔つきも少し変わってる気がする。どんな仕組みよ。
「そうだな…」
組む気になったかって?答えはもちろん…
「俺と一緒にバンドをやろう♪音楽界に新しい風を吹かせてやろうぜ♪」
こいつとならきっといい音楽を奏でられる。そんな気がする。
「ありがとう♪七音。」
ん?呼び捨て?
「これからは同じバンドなんだ。呼び捨てで行こうぜ。」
「分かった……お…音葉」
「へへっ、そうだ。バンドができた時のために、バンド名を考えてきたんだ♪」
「へぇ、どんなんだ?」
「私たちのバンドの名前は「7色Music」」
こうして俺達のバンドストーリーは始まった。
だがひょんなことから、バレることになる。
そう…彼女に出会ったことで。
~駅前のスタジオ~
「ありがとうございました。帰ります。」
土曜日の午後4時程度、俺はドラムの練習を終えてスタジオを出た。
「おつかれ~。いつも思うけどやっぱり上手いね。腕前だけで言ったらプロレベルなのに。」
このスタジオのオーナーの櫻井さんがそう言う。
なんでも昔はロックバンドでブイブイ言わせてたそうだ。
「ありがとうございます。まあひたすら1人で練習してましたからね。」
「いや~、もったいないなぁ。どこかのバンドに入ればいいのに。」
櫻井さんは俺が練習に来る度にバンドに入ったらと勧めてくる。
「まぁ…考えてみます。」
そして毎回この返事である。
「こんにちは~」
俺と櫻井さんが話してると、誰かが入ってきた。
「いらっしゃい。今ちょうど開いたところだから、ちょっと早いけどスタジオ入っちゃっていいよ。」
どうやら俺の次のお客さんが来たようだ。
「ありがとうございます。入らせてもらいま……七音くん!?」
知ってる声で名前を呼ばれたためその声の主の顔を見た。するとそこにあったのはクラスメートの顔だった。
「九重さん?」
九重音葉…俺のクラスメートで
茶髪ショートの大人しい子。クラスの男子からの評判もいい。
「え?七音くんもここに練習に?ていうか楽器できるの!?」
いきなりの質問攻めで戸惑っていると
「そうだよ。七音くんはもう何年も前からこのスタジオにドラムをやりに来てるよ。」
代わりに櫻井さんが答えてくれた。
「そうなんだ!私もね最近ここに通い始めたんだ。恥ずかしいけどギターボーカルなんだ…」
あの大人しい九重さんがギターボーカル?
「音葉ちゃんは凄いよ。始めたばかりなのに歌もギターもすごい上手いし、何よりオーラがある。」
大絶賛する櫻井さん。
「いえ…そんな…。七音くんはどれくらい上手いんですか?」
九重さんが尋ねてくる。
「そうだね、七音くんは腕前はプロレベルだよ。バンドに所属してはいないんだけど。」
いや照れますな。
「すごい!」
「いや…まあ3歳からずっとやってるからね。」
「ていうかバンドに入ってないんだよね?良かったら私とバンド組まない?」
いつもの大人しい九重さんの面影がないと思えるほどに高いテンションで、そう言ってくる。
「え…でも…」
俺は躊躇った。俺は今バンドに加入していないが
昔…と言っても二年くらい前だが俺はバンドに入っていた。でも俺のレベルにみんながついてこれなくて、そのバンドはなくなってしまった。だから、バンドを組む時は自分と同じくらいのレベルの人と組むと決めてるのだ。
「んー…とりあえず音葉ちゃんがどれくらい上手いのか見せてから決める方がいいよね」
俺の事情を知ってる櫻井さんがそう言った。
「それもそうですね!じゃあ来てください!」
そう言って九重さんが俺の手を引いてスタジオに入った。その後を櫻井さんが続く。
「じゃあ始めますね。曲は…この曲で!」
今流行りのバンドの曲で僕も何度か叩いたことのある曲だった。
そしてスタジオの中に沈黙が走った。
「─────。」
俺は固唾を飲んで曲の始まりを待つ。
ギターの音が聞こえたと思ったその時、俺の思考は止まった。
「なんだ…これは…」
俺はそう呟いた。
なんであの可愛らしく大人しい人からこんなに激しい声が出るんだ…
「──────ッ!」
息ができないほどにすごい…
もはや凄いとかやばいとかそんな言葉じゃ表せない。
「…ハハッ」つい笑がこぼれてしまった。
一体なんなんだこの空間は…さながらプロのバンドのライブかのようだ。
技術的な面でも凄いのだが、そんなものは話にならない。気迫が…オーラがあるのだ。
どんどん引き込まれていく。俺の中にこんな気持ちがこみ上げてくる。
(こいつと一緒に音楽がしたい!)
気がついたら演奏は終わっていた。
「どうだ!私の演奏…最高だったろ♪」
え?喋り方が…
「あぁ…音葉ちゃん、ギター持って歌ったら性格が変わっちゃうんだよ…」
「えぇ…?」
そんなことある?
「それで、どうだ?私とバンド組む気になったか?」
こうやって見ると確かに顔つきも少し変わってる気がする。どんな仕組みよ。
「そうだな…」
組む気になったかって?答えはもちろん…
「俺と一緒にバンドをやろう♪音楽界に新しい風を吹かせてやろうぜ♪」
こいつとならきっといい音楽を奏でられる。そんな気がする。
「ありがとう♪七音。」
ん?呼び捨て?
「これからは同じバンドなんだ。呼び捨てで行こうぜ。」
「分かった……お…音葉」
「へへっ、そうだ。バンドができた時のために、バンド名を考えてきたんだ♪」
「へぇ、どんなんだ?」
「私たちのバンドの名前は「7色Music」」
こうして俺達のバンドストーリーは始まった。
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