不本意ながらも双剣英雄譚

藤亮遠真

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Lv8 愛は深く器は大きく

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「お前達の次の相手は先代の双剣の英雄だ」
アルカディアがそう言った。
「先代の双剣の英雄!?」
「死んだんじゃないの?」
俺たちの問にアルカディアは
「私が戦いの間だけ現世に呼び出す…」
と答えた。
「そんなことできるのか…」
「凄い…」
俺達が驚く中…
「まさかぁ、ほんとぉにレグルスとミネルバに
会えるとはねぇ」
「楽しみだぜ…」
俺のバカ剣共がそんなことを言った
「ユウト…マリ…確かにお前らの間に愛が発現し
共鳴シンパシーの力は使えるようになった。
しかしお前らの愛はまだまだ浅い…気の合う友達よりかは上ぐらいだな…そんな愛では先代には勝てん。」
「そんなこと言ったって俺たちは昨日会ったばかりだし…」
「それもそうだ…だからお前達に誠の愛を持つ二人の力を見てもらいたい。」
「そういうことか」
「わかりました…戦いましょう!」
「ふふふ…戦いになるといいな」
そんなに圧倒的なのか…


「では召喚する…【偉大なる先代英雄よ…若き英雄のため今此処に顕現せよ!】」
世界が眩い光に包まれた
─────ッ!
なんだこれは…ありえねぇ!
オーラが違いすぎる…視界が揺れている…
まさか地面が揺れてんのか?…それもあるが多分
これは俺の震えだな…

「俺の名はレグルス。双剣の英雄だ…」
「同じくミネルバです。」
目の前に黒髪の筋肉質な細身の長身な男と
赤髪の長髪でこちらも女性としては長身な女性
がいた。
「はぁ…はぁ…久しぶりだなレグルス…ミネルバ…」
召喚を終えたアルカディアが息を切らしながら2人に
話しかける
「おう。アルカディア」
「お久しぶりです。」
2人も凄まじいオーラを放ちながらも柔和なムードを醸し出していた。
「早速だが新たな双剣の英雄と戦ってもらうぞ」
「おいおい…まだあの趣味悪い「戦い」という名の
いじめをやってるんだな…」
「あれはほんとに心が折れますからね…」
2人が過去を思い出すように言った
「そんなこと言わずに戦ってくれ」
「はいよ」
「ではやりますか」
「それでは第2の試練はじめ!」
「とりあえずやるっきゃないな」
「うん!」
「行くぞ!」
「「はぁぁ!共鳴シンパシー・双剣星破斬!」」
行けるか………
「なるほど…俺たちの1発目と同じくらいの力か…」
「なかなかやりますね…でも」
「「はぁ!」」
かき消された…………
そのあと俺の記憶は途切れた…正確には俺たち…か


「……ん…ここは…」
「やっと起きたか」
「アルカディア…とレグルスさんにミネルバさん…
そうだ…俺は試練を…あの…マリは?」
「彼女ちゃんももう起きると思うよ」
ミネルバさんがそう言った
「かのっ……」
「ふふん、照れちゃってぇ。好きなんでしょ?あの子。」
「好き…なのか…?」
「素直になりなってぇ。レグルスもそうだったけど男の子はみんなツンデレなんだから」
「ち、違いますよ…」
すごいからかわれる…ミネルバさんって思ったより軽い人だな…
「それよりお前達もまだまだだな。共鳴シンパシーの力が弱いな…」
レグルスがそう言った
「あの…俺はどうやって負けたんですか?」
「ん?お前らの技を打ち返したらそのままおまえらに当たって気絶したんだ。」
「まじか…」
ショックだな…流石に
「ん…」
「マリ?目さめたのか…良かった」
「私達って負けちゃったんだよね?」
「ああ…あっさりな」
「そっか…」
「まあ…勝てるとも思ってなかったから気にするんじゃないよ」
アルカディアが言った
「それはそれで酷いな…」
「そんなことよりレグルスさんとミネルバさんは
いつまでここに入れるんですか?」
「あと小一時間ほどかな」
「おふたりっていつでも呼び出せるんですか?」
「そうなんだが、私の体力がなくなれば無理だぞ?」
「あと気になってたんですが死んだあとってどえなるんですか?」
「ん?こっちと変わんないぞ」
「え?」
「死ぬとね?こっちの世界の裏世界のようなところに行くのよ。死んだところと同じところに移るの」
「じゃあ生きてても死んでてもあんまり変わんないってことですか?」
「まあそうだな。」
「てことは2人は死んでもなおあちら側で一緒に暮らしてるんですか?」
「そうよ」
「素敵ですね」
「まあ私達もかれこれ三百年ほど一緒にいるけどね…」
「そんなに長くいてまだ仲良く出来るんですか?」
「不思議よね…」
「あ…あと2人は見た目若く見えますけど
そのお年でなくなったんですか?」
「いや…50くらいで死んだよ」
「死ぬとね、あっちの世界に行く前に自分の年齢を戻せるのよ」
「だからなんですね」
「うん。あ…そうだマリちゃんこっちおいで」
「なんですか?」
マリがミネルバさんに連れられて少し離れたとこに行った
「ねえ、ぶっちゃけユウトくんのことどう思ってるの?」
「え?」
「好きなんでしょ?」
「す、すすす…好き?」
「ユウトくんかっこいいしね~」
「そんな…好きとかは…」
「ほんとに?」
「ただ…ほかの人たちとは違うなって…
私の目のことも褒めてくれたし…」
「それはもう好きってことでしょ」
「そうです…かね?」
「そうよ!ほかの女の子に取られないように頑張ってね?」
「あ…はい…」
私はユウトくんが…好き…


「じゃあ頑張れよ!」
レグルスが俺たちに向かって激励した
「はい!必ず魔王を倒して見せます」
「マリちゃんも頑張ってね?」
「は…はい!」
かくして共鳴シンパシーの力を手に入れたふたりは
魔王討伐へと向かった
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