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贈り物
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あれから二週間後。
特に何事もなく過ぎていった日々。
二週間たっても、まだアスラは帰ってこなかった。
コンコン
「リリィ様、失礼します」
カミアはリリィの身辺警護をしているから近くにいるのは当たり前なのだが、それでもあの夜から頻繁にリリィの元にくるようになった。
「たまには外に行かれてはいかがですか?」
「外…」
思えば、アスラが旅にでてからリリィは一度も城外にでていなかった。
「うん、行ってみるわ。ねぇ、カミア」
「なんでしょう?」
リリィは真剣な顔になる。
「今日は…その、前みたいにただの友達として一緒に行きたいの…ダメ?」
ただの友達として、それは今の身分では普通なら難しいこと。
「″ただの友達のふり″なら…いいですよ」
「…っ」
ただの友達のふり。もう昔とは違うのだと言っているようなもの。
「ありがとう。じゃあ行きましょう?カミアも女の子らしい服に着替えて!」
「しかしそれでは何かあった時すぐリリィ様を…」
「う…あ、悪目立ちしちゃうじゃない?」
「今考えましたよね…?」
「う…」
「はあ」
カミアはやれやれと呆れた感じで渋々了承した。
数分後。
「カミア、着替えた?」
リリィは民家の娘が着るような水色のワンピースをきていた。
「ええ、まぁ、一応…」
カミアは薄黄色のワンピースを着ている。
「じゃあ行きましょう!」
門番をなんとか説得し
「カミアさんがいるなら…」
と許してもらった。
城の門をくぐる。
久しぶりの外。
「カミア!」
「なんでしょう?」
「もう、友達なんだから次城に入るまで敬語禁止!」
ビシッと指を突きつけて言う。
「わかりま…わかった」
何を言っても無駄だろうとカミアは大人しく諦めてリリィと買い物に行くことにした。
向かったのは城下町の商店街。
八百屋、魚屋、果物屋だけでなく雑貨屋、服屋、宝石店まである。
結構充実した場所で質もそれなりにいいようだ。
「わぁ、ねぇカミア。どこに行く?」
ワンピースを風になびかせてはしゃぐリリィをカミアは
「リリィ、走ると危ない」
と冷静に注意し宝石店へ向かった。
しばらくカミアは一つのネックレスをみていた。
リリィはふらふらと色々なネックレスや指輪をみていた。
カミアはひとしきり見た後それを勘定して袋にいれてもらっていた。
リリィは、カミアもやっぱり女の子だなぁなんて思いながら愛おしそうに見つめる。
宝石店を見終え、雑貨屋にも行ってみたが、特に何も買わず近くの噴水公園に向かった。
「疲れたねー」
「そうだね」
ベンチに座って談笑していると空は赤く染まり出し気づけば四時を少し過ぎていた。
「帰ろうか、リリィ」
「もう?」
「暗いと危ないから」
リリィはしぶしぶ従う。
二人ともゆっくり歩いて城に向かう。
名残惜しそうに。
けれど楽しい時間はすぐに過ぎてしまうもの。
城には二十分ほどでついてしまった。
「ねぇカミア」
「なんでしょう?」
カミアの片足はすでに城門の内側。
友達のふりは、終わった。
「またでかけてくれる?」
「…頻繁には無理ですが」
「やった!約束だからね!」
「はい」
約束ができて満足したリリィも城門の内側に入る。
そして夕食を食べお風呂に入り読者をしていると時刻はあっという間に過ぎもう八時。
コンコン
「失礼します、リリィ様」
なにやら緊張した顔でカミアは部屋に入る。
「なにか、あったの…?」
「いえ…」
目を泳がせいづらそうにしているカミア。
「あの、リリィ様。後ろを向いてください」
「後ろ?」
言われるがまま後ろを向く。
するとリリィの首になにか冷たい物が触れた。
それを指でそっとなぞる。
「ネックレス…?」
「はい。今日リリィ様と行った、あの宝石店で買いました」
ネックレスは淡い青色の奥にライラックの花の模様、そして淵には蔦ような模様があった。
「このネックレス、光や天気に反応して変わるようです。天気は…まぁ楽しみにしておいてもらうとして…みていてください」
カミアはそう言うと部屋の明かりを消した。
数秒。
ネックレスが幻想的な光を出して輝いたのだ。
「わぁ…綺麗…」
感嘆の声を漏らす。
「気に入っていただけましたか?」
「くれるの?」
「だからつけたんじゃないですか…」
はぁとカミアは溜息をつく。
「ありがとう!とっても嬉しい…」
「喜んでいただけたなら私も嬉しいです」
微笑むカミアにもう緊張はみられなかった。
「もしかして、これを渡すのに緊張していたの?」
「ええ、まぁ…」
目を逸らし少し顔を赤らめるカミアが可愛くてクスリと笑う。
「わ、笑わないでください」
「ごめんね。でも、可愛くてつい」
「もう…」
そのまま一緒にいたかったがカミアはまだ仕事があるため部屋を出た。
なんだかカミアがいないだけでこの部屋は寂しく感じる。
輝くネックレスを大事そうに手の中に収めてみる。
優しく暖かな光。
その光に包まれて、少し早いがリリィは眠りについた。
特に何事もなく過ぎていった日々。
二週間たっても、まだアスラは帰ってこなかった。
コンコン
「リリィ様、失礼します」
カミアはリリィの身辺警護をしているから近くにいるのは当たり前なのだが、それでもあの夜から頻繁にリリィの元にくるようになった。
「たまには外に行かれてはいかがですか?」
「外…」
思えば、アスラが旅にでてからリリィは一度も城外にでていなかった。
「うん、行ってみるわ。ねぇ、カミア」
「なんでしょう?」
リリィは真剣な顔になる。
「今日は…その、前みたいにただの友達として一緒に行きたいの…ダメ?」
ただの友達として、それは今の身分では普通なら難しいこと。
「″ただの友達のふり″なら…いいですよ」
「…っ」
ただの友達のふり。もう昔とは違うのだと言っているようなもの。
「ありがとう。じゃあ行きましょう?カミアも女の子らしい服に着替えて!」
「しかしそれでは何かあった時すぐリリィ様を…」
「う…あ、悪目立ちしちゃうじゃない?」
「今考えましたよね…?」
「う…」
「はあ」
カミアはやれやれと呆れた感じで渋々了承した。
数分後。
「カミア、着替えた?」
リリィは民家の娘が着るような水色のワンピースをきていた。
「ええ、まぁ、一応…」
カミアは薄黄色のワンピースを着ている。
「じゃあ行きましょう!」
門番をなんとか説得し
「カミアさんがいるなら…」
と許してもらった。
城の門をくぐる。
久しぶりの外。
「カミア!」
「なんでしょう?」
「もう、友達なんだから次城に入るまで敬語禁止!」
ビシッと指を突きつけて言う。
「わかりま…わかった」
何を言っても無駄だろうとカミアは大人しく諦めてリリィと買い物に行くことにした。
向かったのは城下町の商店街。
八百屋、魚屋、果物屋だけでなく雑貨屋、服屋、宝石店まである。
結構充実した場所で質もそれなりにいいようだ。
「わぁ、ねぇカミア。どこに行く?」
ワンピースを風になびかせてはしゃぐリリィをカミアは
「リリィ、走ると危ない」
と冷静に注意し宝石店へ向かった。
しばらくカミアは一つのネックレスをみていた。
リリィはふらふらと色々なネックレスや指輪をみていた。
カミアはひとしきり見た後それを勘定して袋にいれてもらっていた。
リリィは、カミアもやっぱり女の子だなぁなんて思いながら愛おしそうに見つめる。
宝石店を見終え、雑貨屋にも行ってみたが、特に何も買わず近くの噴水公園に向かった。
「疲れたねー」
「そうだね」
ベンチに座って談笑していると空は赤く染まり出し気づけば四時を少し過ぎていた。
「帰ろうか、リリィ」
「もう?」
「暗いと危ないから」
リリィはしぶしぶ従う。
二人ともゆっくり歩いて城に向かう。
名残惜しそうに。
けれど楽しい時間はすぐに過ぎてしまうもの。
城には二十分ほどでついてしまった。
「ねぇカミア」
「なんでしょう?」
カミアの片足はすでに城門の内側。
友達のふりは、終わった。
「またでかけてくれる?」
「…頻繁には無理ですが」
「やった!約束だからね!」
「はい」
約束ができて満足したリリィも城門の内側に入る。
そして夕食を食べお風呂に入り読者をしていると時刻はあっという間に過ぎもう八時。
コンコン
「失礼します、リリィ様」
なにやら緊張した顔でカミアは部屋に入る。
「なにか、あったの…?」
「いえ…」
目を泳がせいづらそうにしているカミア。
「あの、リリィ様。後ろを向いてください」
「後ろ?」
言われるがまま後ろを向く。
するとリリィの首になにか冷たい物が触れた。
それを指でそっとなぞる。
「ネックレス…?」
「はい。今日リリィ様と行った、あの宝石店で買いました」
ネックレスは淡い青色の奥にライラックの花の模様、そして淵には蔦ような模様があった。
「このネックレス、光や天気に反応して変わるようです。天気は…まぁ楽しみにしておいてもらうとして…みていてください」
カミアはそう言うと部屋の明かりを消した。
数秒。
ネックレスが幻想的な光を出して輝いたのだ。
「わぁ…綺麗…」
感嘆の声を漏らす。
「気に入っていただけましたか?」
「くれるの?」
「だからつけたんじゃないですか…」
はぁとカミアは溜息をつく。
「ありがとう!とっても嬉しい…」
「喜んでいただけたなら私も嬉しいです」
微笑むカミアにもう緊張はみられなかった。
「もしかして、これを渡すのに緊張していたの?」
「ええ、まぁ…」
目を逸らし少し顔を赤らめるカミアが可愛くてクスリと笑う。
「わ、笑わないでください」
「ごめんね。でも、可愛くてつい」
「もう…」
そのまま一緒にいたかったがカミアはまだ仕事があるため部屋を出た。
なんだかカミアがいないだけでこの部屋は寂しく感じる。
輝くネックレスを大事そうに手の中に収めてみる。
優しく暖かな光。
その光に包まれて、少し早いがリリィは眠りについた。
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