魔王が望む世界

闇猫古蝶

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微笑ましい兄妹

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会議が終りすることも今日は残っていない。 

小魔王達はそれぞれのもつ城のどこかにはいるはずだが捜してまで話すようなことも用事もない。

「なにしてるんですか?」

鎧を纏った男、シンに声をかけられる。(シンは私のいる魔王城の騎士)
シンはカイの双子の弟だ。茶髪だが目の色はカイと同じだ。

「シン、この人は?」

そんなシンの横に見慣れない小柄な女性が立っていた。
長い茶髪を後ろで纏めている緑目の女性だ。

「ああ、こいつは」
「こいつ?」
「…カシアーナ、は俺の妹です」

さらに兄妹がいたのか…

「よろしくな、カシアーナ」
「貴女誰」
「こら失礼だぞ!」
「シンは黙れ」
「はい」

あ、カシアーナというやつはどちらかというとカイに似たのだな。

「我の名はルーン。大一神魔王、といえばわかるか?」
「ああ、貴女が魔王様でしたか!大変失礼したしました!」

頭を下げ謝る姿に好感が持てる。
しかしどちらに似ているのかわからなくなったな…まぁいいか。

「カシアーナはなぜここに?」
「シンと兄さんの様子を見に。兄さんはともかくシンはなにをするかわかりませんので…」
「いやそんなことないから…!ね、ないですよね!?」
「そうだな…」

必死になる姿が可愛くてつい嘘をつきたくなったが正直に答えておこう。
なんか可哀想だし。

「ならいいんですけど…」

納得していない表情だな…

「あれ、三人でなに話してるの~?」
「兄さん!」
「カイ…」

廊下だから通ってもおかしくはないのだが鍛錬場に近い場所にいるとは珍しい。
騎士であるシンはともかく。
にしても二人の反応の差…

「あれ、なんでカシアーナここにいるの~?」
「シンがちゃんとやれてるか心配で!」
「シンだからね~」
「シンだからです」
「え、どういうこと??」

なんかこの兄妹仲良いのか悪いのかわからないな…
悪くはないのだろうけど。

兄さんとこういう会話することなんてないからな…
基本、仕事の話ばかりだ。

「とりあえずシンはさっさと鍛錬に励みな~?」
「ですね」
「カシアーナはどうするの~?暇なの~?」
「暇です!」

カシアーナは何かを期待したような表情になる。

「ならルーンと散歩でもしてきたら~?」
「「え」」
「それとも例のカレとデート?」

ニヤリと笑いながら聞いている…悪い笑顔。

「兄さんなんでそれ…!っていうか違いますから!い、行けばいいんですよね、行けば!」
「行きたくないか?」
「別に、兄さんの頼み?ですから!いいです!」

真っ赤な顔で否定しているカシアーナはなんだか酷い言い方で私との散歩を承諾したきがする…

「そっか~。たまには運動しないとだよ~?あと歩いてればカレに」
「あー、もううるさいです!行ってきます!行きましょう魔王様!」

なんだか微笑ましい兄妹だな…

とにかく私も久しく体を動かしていないからな、散歩とはいえど多少の運動にはなるだろう。


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