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寂しさ埋める発明品
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「やっと、やっとだ…完成したんだ…」
年老いた男は一人、深い森にある仕事場の工房にいた。
目の前にあるモノにそっと手を触れる。
「ああ、本当に人のようだ…」
そのモノは人型の、肩口で白い髪を揃えたロボットだった。
ほほに触れた感触は人そのもの。でも温もりはなかった。
「さぁ、起きなさい…ササラ」
ササラと呼ばれたロボットの瞼が次第にあき、目のようにつくられた青い宝石のような物に博士がうつる、
「私のササラ。″ようやく会えた″可愛いササラ…」
博士はササラを昔から知っているように、懐かしむように緑色の目を細めた。
「ぁ…ささら、私の、名前…?」
「そんな…ササラ…?」
博士の顔は一瞬で哀しみに染まる。そして頬に一筋、涙が伝う。
「まぁいい…私のことは博士と呼んでくれ。」
「博士…私を造った人…」
「ああ…」
博士は涙を拭いニコリと笑うとササラを仕事場のすぐ隣に建つ家の空き部屋へ案内した。
しかし博士は半年後、亡くなってしまった。
ただ一人、ササラを置いて居なくなった。
年老いた男は一人、深い森にある仕事場の工房にいた。
目の前にあるモノにそっと手を触れる。
「ああ、本当に人のようだ…」
そのモノは人型の、肩口で白い髪を揃えたロボットだった。
ほほに触れた感触は人そのもの。でも温もりはなかった。
「さぁ、起きなさい…ササラ」
ササラと呼ばれたロボットの瞼が次第にあき、目のようにつくられた青い宝石のような物に博士がうつる、
「私のササラ。″ようやく会えた″可愛いササラ…」
博士はササラを昔から知っているように、懐かしむように緑色の目を細めた。
「ぁ…ささら、私の、名前…?」
「そんな…ササラ…?」
博士の顔は一瞬で哀しみに染まる。そして頬に一筋、涙が伝う。
「まぁいい…私のことは博士と呼んでくれ。」
「博士…私を造った人…」
「ああ…」
博士は涙を拭いニコリと笑うとササラを仕事場のすぐ隣に建つ家の空き部屋へ案内した。
しかし博士は半年後、亡くなってしまった。
ただ一人、ササラを置いて居なくなった。
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