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一人ぼっち
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博士が亡くなってから一週間。
もう博士はいない、さみしい家。
ササラは一人になった。
博士は「私が死んだら山に埋めてくれ。」と言っていた。
だからこの森にある小高い丘に埋めた。山ではないけど、仕方ない。
博士は寂しいと言っていた。ササラをつくりながら。
ササラにはそれが聞こえていた。
「寂しいってなんだろう…」
だからずっと考えていた。寂しいがどういう感情なのか。
「考えても、仕方ないか」
時刻は九時。
起きて…起動してから二時間が経った。
二時間の間ササラは家や家周りの掃除をして過ごしていた。
ササラはロボットなので朝食などはとったりしない。
ただ一週間に一度、体を流れている人でいう血液のような物を交換しなければならない。
これを博士はササラに血換と言っていた。
「そろそろ、血換しないと…」
ササラは手近にある木でできた椅子を寄せて座る。
博士にやり方は教わっているのでササラは一人でもできる。
両手にそれぞれ点滴のような物を刺す。
古いものは袋のようになっている場所に、新しいものは体の中に入っていく。
それをじっとみていると少し妙な気分になる。
血換が終わるとササラは立ち上がり椅子を元の場所に戻すと博士の部屋に向かう。
博士が亡くなって、まだ片付けをしていない。
キィとドアが軋んで開く。
博士の部屋には二、三度入ったことがある。
前に来た時と同じで物は多いがきちんと整頓されている。
机の上にある本は科学や機械などの専門的な本が多くササラにはよくわからないものばかりだった。
前に来た時博士は絵本を読んでくれた。
なんでも、家族が持っていたらしい。
『ササラ、これはササラにあげるよ。私はもう何回も読んでしまったし、ササラはこの本、もっと読みたいだろうからね』
優しい笑顔で、声で博士はササラに本を手渡してくれた。
「博士…」
机をそっと指で撫で呟く。
ホコリ一つつかない綺麗な机。
「ここは片付ける必要なさそう」
ササラは部屋をでると台所に向かった。
冷蔵庫を開けると人が数日は暮らせそうなほど、食べ物が入っている。
匂いなどは感じるが、ササラは食べることができないのでそれの処理に困る。
捨てるのも勿体無いし。
料理は私の仕事だったけど、食べる人がいないのでは意味がない。
一度見かけた博士の作った料理の出来はひどいもので、それからはササラがつくることになったのだ。
レシピはなぜか見なくてもわかっていたので、困ることはなかった。
それはきっと、博士がそうプログラムしたのだろう。
『ササラの料理は…美味しいね』
最初に作った料理は確か、シチューだった。
博士はなぜか泣きながら美味しいと言って完食していた。
台所でも思い出す博士とのこと。
一週間経ち、もう博士はいないのだとじわじわと実感する。
『一人ぼっちはね、とても寂しいんだよ』
博士のいない家はなんでかつまらなくて、居心地が悪かった。
これが寂しいということ…?
「博士の所に行こう。」
なんだか博士に会いたくなった。
ササラは靴を履くと白いスカートを風になびかせて丘を目指す。
もう博士はいない、さみしい家。
ササラは一人になった。
博士は「私が死んだら山に埋めてくれ。」と言っていた。
だからこの森にある小高い丘に埋めた。山ではないけど、仕方ない。
博士は寂しいと言っていた。ササラをつくりながら。
ササラにはそれが聞こえていた。
「寂しいってなんだろう…」
だからずっと考えていた。寂しいがどういう感情なのか。
「考えても、仕方ないか」
時刻は九時。
起きて…起動してから二時間が経った。
二時間の間ササラは家や家周りの掃除をして過ごしていた。
ササラはロボットなので朝食などはとったりしない。
ただ一週間に一度、体を流れている人でいう血液のような物を交換しなければならない。
これを博士はササラに血換と言っていた。
「そろそろ、血換しないと…」
ササラは手近にある木でできた椅子を寄せて座る。
博士にやり方は教わっているのでササラは一人でもできる。
両手にそれぞれ点滴のような物を刺す。
古いものは袋のようになっている場所に、新しいものは体の中に入っていく。
それをじっとみていると少し妙な気分になる。
血換が終わるとササラは立ち上がり椅子を元の場所に戻すと博士の部屋に向かう。
博士が亡くなって、まだ片付けをしていない。
キィとドアが軋んで開く。
博士の部屋には二、三度入ったことがある。
前に来た時と同じで物は多いがきちんと整頓されている。
机の上にある本は科学や機械などの専門的な本が多くササラにはよくわからないものばかりだった。
前に来た時博士は絵本を読んでくれた。
なんでも、家族が持っていたらしい。
『ササラ、これはササラにあげるよ。私はもう何回も読んでしまったし、ササラはこの本、もっと読みたいだろうからね』
優しい笑顔で、声で博士はササラに本を手渡してくれた。
「博士…」
机をそっと指で撫で呟く。
ホコリ一つつかない綺麗な机。
「ここは片付ける必要なさそう」
ササラは部屋をでると台所に向かった。
冷蔵庫を開けると人が数日は暮らせそうなほど、食べ物が入っている。
匂いなどは感じるが、ササラは食べることができないのでそれの処理に困る。
捨てるのも勿体無いし。
料理は私の仕事だったけど、食べる人がいないのでは意味がない。
一度見かけた博士の作った料理の出来はひどいもので、それからはササラがつくることになったのだ。
レシピはなぜか見なくてもわかっていたので、困ることはなかった。
それはきっと、博士がそうプログラムしたのだろう。
『ササラの料理は…美味しいね』
最初に作った料理は確か、シチューだった。
博士はなぜか泣きながら美味しいと言って完食していた。
台所でも思い出す博士とのこと。
一週間経ち、もう博士はいないのだとじわじわと実感する。
『一人ぼっちはね、とても寂しいんだよ』
博士のいない家はなんでかつまらなくて、居心地が悪かった。
これが寂しいということ…?
「博士の所に行こう。」
なんだか博士に会いたくなった。
ササラは靴を履くと白いスカートを風になびかせて丘を目指す。
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