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三章・推しとの境界線
17・速攻でバレました
…タッ…タッ…カッ…カッ…
緩やかな音楽に身を任せ流れる様に紫色の仮面の男と踊っているとさり気なく男が会話を切り出した。
「ところで、ご結婚はされているのですか?」
カッ…タッ…
「いえ、していませんわ。あなたは?」
タッ…カッ…
「私もしていません。ご婚約はされていますか?」
カッ…タッ…
「何故、その様な質問を?この様な場でその様な質問は禁句なのでは…?」
仮面を着けるという事は相手の素性の詮索はタブーという事。それを踏まえて、相手を探る様なこの質問は失礼極まりないという事になるんだけど…
タッタッ…カッカッ…
「失礼しました。ただ、この様な場に婚約者がいる事に驚きまして…」
「へ…?」
カッ…タッ…グイッ‥
「わっ!?」
カッカッ…タッ…
腰に回された手で引き寄せられ紫色の仮面の男の唇が耳元に寄せられた。
「何故、あなたがここに居るのですか?…ミリア」
「っ…!?」
耳元で囁かれた声も引き寄せられた手も体格や背丈も確かに知らない人なのに最後に囁かれた自身の名前に紫色の仮面を着けた彼が最愛の推しなのだと気づき青ざめる。
やばい…っ!どうしよう‥
『ミリアさんっ!』
っ…!?
タイミングが良いのか悪いのか銀の薔薇のピアスを通して聞こえて来たシュリアの声に我に返る。
『やっと繋がったわ。ミリアさん、大丈夫?』
全然大丈夫じゃない!助けてっ!
『まさかだとは思うけど、魔塔主様に会ったりしてない?髪も瞳も声も変えてるから気づかれないとは思うけど…』
そのまさかなんですけど…速攻でバレたんですけど…というか、今目の前に居るんですけど…
タッタッ…カッカッ…
「如何しましたか?質問の答えを早く聞きたいのですが…」
「えっと…」
ダンスを再開するなり疑う様な問いかけに言葉が出ず口篭る。
何か良い言い訳は…
「あ…アイリスの件でロブリティス小伯爵に用があって…」
カッ…タッ…
「ふむ…バレアーナ子爵令嬢の為にここにいらしたという訳ですか?」
「はい」
タッ…カッ…
「お一人で?」
「は、はい」
タッタッ…カッカッ…
「ふむ…」
『ミリア様、もし魔塔主様にお会いして問い詰められても全力で否定してお逃げ下さい!』
逃げられるものなら逃げてるよ~っ!
銀の薔薇のピアスを通して聞こえて来たマリンの声に内心泣きながら訴える。
「もう一度聞きます」
タッ…カッ…
「本当に、お一人でここにいらしたのですか?」
カッ…タッ…
冷たく疑う様な声に身がすくみそうになりながらも頑張って口を開く。
「も…勿論ですわ」
シュリアとマリンの事を守らなきゃっ!
「そうですか…」
タッタッ…カッカッ…
無理矢理笑みを浮かべそう言うと音楽が止み安堵する。
やっと終わった…
「最後に一つだけ…」
「…?」
再度耳元に唇が寄せられ緊張が走る。
「絶対に何もしないで大人しくここで待っていて下さい。絶対にですよ…?」
「っ…」
「返事は?」
「…はい」
優しくも威圧する様な否定させない言葉に私は渋々頷いたのだった。
緩やかな音楽に身を任せ流れる様に紫色の仮面の男と踊っているとさり気なく男が会話を切り出した。
「ところで、ご結婚はされているのですか?」
カッ…タッ…
「いえ、していませんわ。あなたは?」
タッ…カッ…
「私もしていません。ご婚約はされていますか?」
カッ…タッ…
「何故、その様な質問を?この様な場でその様な質問は禁句なのでは…?」
仮面を着けるという事は相手の素性の詮索はタブーという事。それを踏まえて、相手を探る様なこの質問は失礼極まりないという事になるんだけど…
タッタッ…カッカッ…
「失礼しました。ただ、この様な場に婚約者がいる事に驚きまして…」
「へ…?」
カッ…タッ…グイッ‥
「わっ!?」
カッカッ…タッ…
腰に回された手で引き寄せられ紫色の仮面の男の唇が耳元に寄せられた。
「何故、あなたがここに居るのですか?…ミリア」
「っ…!?」
耳元で囁かれた声も引き寄せられた手も体格や背丈も確かに知らない人なのに最後に囁かれた自身の名前に紫色の仮面を着けた彼が最愛の推しなのだと気づき青ざめる。
やばい…っ!どうしよう‥
『ミリアさんっ!』
っ…!?
タイミングが良いのか悪いのか銀の薔薇のピアスを通して聞こえて来たシュリアの声に我に返る。
『やっと繋がったわ。ミリアさん、大丈夫?』
全然大丈夫じゃない!助けてっ!
『まさかだとは思うけど、魔塔主様に会ったりしてない?髪も瞳も声も変えてるから気づかれないとは思うけど…』
そのまさかなんですけど…速攻でバレたんですけど…というか、今目の前に居るんですけど…
タッタッ…カッカッ…
「如何しましたか?質問の答えを早く聞きたいのですが…」
「えっと…」
ダンスを再開するなり疑う様な問いかけに言葉が出ず口篭る。
何か良い言い訳は…
「あ…アイリスの件でロブリティス小伯爵に用があって…」
カッ…タッ…
「ふむ…バレアーナ子爵令嬢の為にここにいらしたという訳ですか?」
「はい」
タッ…カッ…
「お一人で?」
「は、はい」
タッタッ…カッカッ…
「ふむ…」
『ミリア様、もし魔塔主様にお会いして問い詰められても全力で否定してお逃げ下さい!』
逃げられるものなら逃げてるよ~っ!
銀の薔薇のピアスを通して聞こえて来たマリンの声に内心泣きながら訴える。
「もう一度聞きます」
タッ…カッ…
「本当に、お一人でここにいらしたのですか?」
カッ…タッ…
冷たく疑う様な声に身がすくみそうになりながらも頑張って口を開く。
「も…勿論ですわ」
シュリアとマリンの事を守らなきゃっ!
「そうですか…」
タッタッ…カッカッ…
無理矢理笑みを浮かべそう言うと音楽が止み安堵する。
やっと終わった…
「最後に一つだけ…」
「…?」
再度耳元に唇が寄せられ緊張が走る。
「絶対に何もしないで大人しくここで待っていて下さい。絶対にですよ…?」
「っ…」
「返事は?」
「…はい」
優しくも威圧する様な否定させない言葉に私は渋々頷いたのだった。
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