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一章 クズな王太子と別れたい
15・冷たくて怖い牢屋に一筋の光…?
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銀色の髪に藍色の瞳、服の上からでも分かる鍛えられた体格のいい肉体はどこを見ても隙が無く二次元の様な美形を持つノアに私はときめく気持ちを押し込め背を向けた。
「…何の用ですか?何も無い私には興味が無い筈ですよね?」
「どうしているのかと思いまして…」
その言葉に怒りが湧き上がり思わず振り返る。
「どうしているのかって?おかげ様で罪人の娘として牢屋に入る羽目になって尋問されて水をかけられて最悪ですけど?予想通りになって良かったですね?私はもう顔も見たくありませんけど」
「…‥」
藍色の瞳を真っ直ぐに睨みつけながら言うとノアは無言のままその場で片膝を付き鉄格子の隙間に手を入れ伸ばすと頬に触れるか触れないかぐらいの距離までピタッと止まった。
「…?」
ブワッ…
「っ‥!?」
その瞬間、緩やかな風が身体中を包み込み一瞬にして濡れていた髪や体が乾いた。
「凄い…って、こんな事をしても許しませんから!もう構わないで下さい!迷惑です!」
慌てて背を向け叫ぶと、ノアの低くてかっこいい声が背後から掛けられた。
「警備中の騎士を含め皇城にいる人物は皆、私が今こうしてあなたと話している事は知りません。転移魔法でここに来て姿も見られず他に牢に捕まっている人には睡眠魔法を使用したので」
「だから、何ですか?」
「だから、その……また明日、会いましょう」
「っ‥、会いたくな‥」
その言葉に振り返るがノアの姿は何処にも無かった。
「会いたくなんかないのに…‥」
❋
翌日の明朝、皇帝の命令で一人牢から出されたミリアは皇帝と王太子であるルーデンを前に跪いていた。
「ミリア・ロドムーシ、調査によりそなたは奴隷業とは無関係だという事が分かった。だが、父親であるロドムーシ侯爵が罪人になった事により第一側室の座を剥奪する」
「はい」
金色と白色で彩られた壁や天井に大理石の床という城の中で、赤いカーペットが敷かれた十段ぐらいの階段の上にて金色の椅子に座る白髪混じりの黒髪に金色の瞳を持ち顎髭を生やした五十代ぐらいの男性ことノハモータル帝国の皇帝と傍らに立ちながら同情の眼差しを送る金色の刺繍が入った白色のコートを着た王太子殿下ことルーデンを見上げながら頷いた。
小説に書かれた通りの皇帝って感じかも…
ソフィアが主役の元の『三人の王太子の側室』の小説にもリマイラが主役の『側室を辞めて自由に』の小説にも出てきた皇帝は常に何かに怯えた目をし表では気丈に振舞ってはいるものの裏では内向的で小心者だった。
威厳のある言い方をしててもその瞳はどこか普通じゃない…あの事と関係があるせいだからか…
金色の王冠にファー付きの赤色のマントを羽織り中は金色の刺繍が入った焦げ茶色のコートを着た皇帝を凝視していると傍らに立つルーデンが口を開いた。
「ミリア、本当に残念だよ…君の事を愛していたのに…」
私は、お前と別れる事が出来たのはめちゃくちゃ嬉しいけど?
悲しげな顔をしながら嘘をつくルーデンに呆れた視線を向けるも皇帝の手前、同じく悲しそうな顔を作る。
「そうですね…ですが、こうなってしまったからには仕方ありませんわ」
「そうだね…本当に残念だ…」
本当は嬉しくて仕方がないくせに
悲しそうな顔を浮かべるルーデンを見上げながら内心呆れる。
「それと、ロドムーシ家は没落し平民として生きてもらうことになるだろう」
「はい…」
まぁ、大体予想はついてたけど…
皇帝の言葉に返事をしつつも俯くと突然、閉じていた背後の扉が開いた。
‥バタンッ!
「待って下さい!」
「っ‥!?」
聞き覚えのある声に振り返ると、そこには銀色の髪に藍色の瞳を持ち黒の刺繍が入った灰色のコートとズボンにチェーン付きの銀色の丸眼鏡を掛けたノアが立っていた。
ノア…っ!?
「許可も無く突然入って来た事をお詫びします…皇帝陛下」
深々と頭を下げ謝罪の言葉を口にするノアに、皇帝は顔色を変えず見下ろしながら口を開いた。
「リリタリオン公爵が突然入って来る程の要件は何だ?」
「ミリア・ロドムーシ嬢の事についてお話があります」
「ほう…何だ?申してみよ」
「私、ノア・リリタリオンはミリア・ロドムーシを貰いたくお願い申し上げます」
「っ‥!?」
「な‥っ!?」
「え…‥」
ノアの予想外の発言にその場にいた全員が驚きで言葉を無くしたのだった。
「…何の用ですか?何も無い私には興味が無い筈ですよね?」
「どうしているのかと思いまして…」
その言葉に怒りが湧き上がり思わず振り返る。
「どうしているのかって?おかげ様で罪人の娘として牢屋に入る羽目になって尋問されて水をかけられて最悪ですけど?予想通りになって良かったですね?私はもう顔も見たくありませんけど」
「…‥」
藍色の瞳を真っ直ぐに睨みつけながら言うとノアは無言のままその場で片膝を付き鉄格子の隙間に手を入れ伸ばすと頬に触れるか触れないかぐらいの距離までピタッと止まった。
「…?」
ブワッ…
「っ‥!?」
その瞬間、緩やかな風が身体中を包み込み一瞬にして濡れていた髪や体が乾いた。
「凄い…って、こんな事をしても許しませんから!もう構わないで下さい!迷惑です!」
慌てて背を向け叫ぶと、ノアの低くてかっこいい声が背後から掛けられた。
「警備中の騎士を含め皇城にいる人物は皆、私が今こうしてあなたと話している事は知りません。転移魔法でここに来て姿も見られず他に牢に捕まっている人には睡眠魔法を使用したので」
「だから、何ですか?」
「だから、その……また明日、会いましょう」
「っ‥、会いたくな‥」
その言葉に振り返るがノアの姿は何処にも無かった。
「会いたくなんかないのに…‥」
❋
翌日の明朝、皇帝の命令で一人牢から出されたミリアは皇帝と王太子であるルーデンを前に跪いていた。
「ミリア・ロドムーシ、調査によりそなたは奴隷業とは無関係だという事が分かった。だが、父親であるロドムーシ侯爵が罪人になった事により第一側室の座を剥奪する」
「はい」
金色と白色で彩られた壁や天井に大理石の床という城の中で、赤いカーペットが敷かれた十段ぐらいの階段の上にて金色の椅子に座る白髪混じりの黒髪に金色の瞳を持ち顎髭を生やした五十代ぐらいの男性ことノハモータル帝国の皇帝と傍らに立ちながら同情の眼差しを送る金色の刺繍が入った白色のコートを着た王太子殿下ことルーデンを見上げながら頷いた。
小説に書かれた通りの皇帝って感じかも…
ソフィアが主役の元の『三人の王太子の側室』の小説にもリマイラが主役の『側室を辞めて自由に』の小説にも出てきた皇帝は常に何かに怯えた目をし表では気丈に振舞ってはいるものの裏では内向的で小心者だった。
威厳のある言い方をしててもその瞳はどこか普通じゃない…あの事と関係があるせいだからか…
金色の王冠にファー付きの赤色のマントを羽織り中は金色の刺繍が入った焦げ茶色のコートを着た皇帝を凝視していると傍らに立つルーデンが口を開いた。
「ミリア、本当に残念だよ…君の事を愛していたのに…」
私は、お前と別れる事が出来たのはめちゃくちゃ嬉しいけど?
悲しげな顔をしながら嘘をつくルーデンに呆れた視線を向けるも皇帝の手前、同じく悲しそうな顔を作る。
「そうですね…ですが、こうなってしまったからには仕方ありませんわ」
「そうだね…本当に残念だ…」
本当は嬉しくて仕方がないくせに
悲しそうな顔を浮かべるルーデンを見上げながら内心呆れる。
「それと、ロドムーシ家は没落し平民として生きてもらうことになるだろう」
「はい…」
まぁ、大体予想はついてたけど…
皇帝の言葉に返事をしつつも俯くと突然、閉じていた背後の扉が開いた。
‥バタンッ!
「待って下さい!」
「っ‥!?」
聞き覚えのある声に振り返ると、そこには銀色の髪に藍色の瞳を持ち黒の刺繍が入った灰色のコートとズボンにチェーン付きの銀色の丸眼鏡を掛けたノアが立っていた。
ノア…っ!?
「許可も無く突然入って来た事をお詫びします…皇帝陛下」
深々と頭を下げ謝罪の言葉を口にするノアに、皇帝は顔色を変えず見下ろしながら口を開いた。
「リリタリオン公爵が突然入って来る程の要件は何だ?」
「ミリア・ロドムーシ嬢の事についてお話があります」
「ほう…何だ?申してみよ」
「私、ノア・リリタリオンはミリア・ロドムーシを貰いたくお願い申し上げます」
「っ‥!?」
「な‥っ!?」
「え…‥」
ノアの予想外の発言にその場にいた全員が驚きで言葉を無くしたのだった。
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