転生もの主人公ではなく悪女側室だったのでオタクは世界一の黒幕と結婚します

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三章・推しとの境界線

1・面接は厳しめでいきましょう!

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 皇室のパーティーから三日が経ち、新聞には王太子による毒殺未遂とミリア・ロドムーシの事について連日沢山の記事が書かれていた。そして、ノアは電子レンジを改め”ミアッタメ”が評判が良く売上が伸びその他の仕事も増え一緒に食事をする暇もなく忙しく働いていた。

カタッ…

「まったく、いつまで待たせるつもりよ?」

 ミリアの部屋にて、苺シェイクの入ったコップを丸型の白のコースターの上に置くなり不満気な声を漏らす癖のある桃色の長い髪をモーブ色のリボンで二つに結び上げ茶色の瞳を持ち膝丈まであるラベンダー色の沢山のリボンの装飾がついたフリルが沢山あるスノーホワイトのドレスにスノーホワイトのレースアップリボンのハイヒールを履いたエリンゼルは椅子に座りながら隣に立つミリアの専属メイドのセリーヌを見上げる。

「お待たせして申し訳ございません。ミリア様からマスト伯爵令嬢へとお手紙を預からせて頂いております」

「お手紙?」

「マスト伯爵令嬢が不満気な声を漏らしたらお渡しするようにと…」

 そう言いながらマリーゴールドの印が押された一枚の白い封筒を差し出すセリーヌに戸惑いながらもそれを受け取る。

「こちらをどうぞ」

「…‥」

 セリーヌから差し出された黒のレターナイフを受け取り封を切ると中から出て来た文字が書かれた紙を凝視する。

「…”少し遅れるけど、苺タルトでも食べながら待っててね。戻って来たら沢山話そう!‥ミリアより”…って、どういう事よ?」

 肝心な事は一切書かれていない手紙に机の上に置かれた苺タルトと苺シェイクを呆れた目で見つつセリーヌを見上げる。

「実は、只今ミリア様はロドムーシ家で面接をしているんです」

「面接?」

「はい。皇室のパーティー後、例の事件の謝礼として多額の謝礼金を得たミリア様は前々から改装していたロドムーシ家をそのお金で完全に改装し終わると直ぐに侯爵の地位を継承し今は人員確保の為の面接を行っているんです」

「なるほどね、周りでは王太子殿下の件だけでなくミリア・ロドムーシの心境や動向について論争が繰り広げられているっていうのに当の本人はそれどころじゃないって訳ね」

 ミリア・ロドムーシ論争…それは、皇室のパーティーにてミリアの言動や行動を含め婚約者であるノアの言動や行動に何故かミリアに必死に引き止められたエリンゼルの三人のありとあらゆる噂が広がっていた。例として、ノアがミリアを好きだがミリアはノアを慕うエリンゼルに夢中だとか悪女のミリアはノアとエリンゼルの両方を手玉に取ろうとしているという様々な噂が囁かれていた。

「マスト伯爵令嬢の所は、記者などの被害は大丈夫でしたか?」

「私の所は、お母様が一言叫んだら寄り付かなくなったわ」

「マスト伯爵夫人は威厳のある御方ですからね」

「公爵様の所も何とかなったみたいね」

「ソードマスターの騎士団長のおかげもありますが、そもそも下手な真似をしようとすれば公爵様に消されかねませんから」

「それもそうね」

 セリーヌの言葉に納得しながら手紙を机の上に置き苺シェイクが入ったコップを手に取り口に含む。

「‥ゴクッ…」

「宜しければ、ミリア様がお戻りなられる間お話し相手としてミリア様のお話でも如何ですか?」

カタッ‥

「いいわね、是非とも聞きたいわ!」

 苺シェイクが入ったコップをコースターの上に置くなりセリーヌの言葉に笑顔で頷いた。

 ❋

……ドサッ…

「これで、六人目だね」

「うん」

 ここは、ロドムーシ家の屋敷の中にあるの客間。応接室にて、ミリアが面接をしている中で護衛として共に着いて来たモカとモナは獣人の耳を隠す為に白の頭巾を頭に被りメイド姿のままモップを手に面接に来た怪しい者達を始末していた。

「公爵様から頂いた薬も飲ませたし後は、に任せればいいんだっけ?」

「うん。でも、まだ面接に来ている人で怪しい人がいるかもしれないから探し出さないと駄目だね」

「そうだね、ミリア様の安全の為にも頑張らないと…」

‥ガチャ…バタンッ…

 そう言いながらモカとモナは頷き合い部屋を後にしたのだった。

 ❋

「ああ…‥疲れた…」

 桃色のリボンで紫色の長い髪を一括りに上げ琥珀色の瞳を持ちベビーピンクの袖のないパンツドレスにリボン付きの桃色のパンプスを履いた私は大きな机の上に突っ伏しながら隣に立つロドムーシ家の騎士服を着た騎士団長に任命したユベンを見上げる。

「あと何人?」

「四人ですね」

「まだそんなにいるの!?もう無理!疲れた!」

「侯爵様、もうひと頑張りです」

「それは、分かるけど殆どまともな人がいなくて精神的にしんどい…」

 面接に来る人の殆どは世間を賑わせているミリア・ロドムーシを探ろうとする者ばかりだった。そんな中でまともに面接に受けに来た者は五十人中十人程度。それ故に、精神的疲労が凄かったのだった。

「仕方ありません。皇室のパーティー以降、侯爵様は世間の注目の的ですから」

「そんなの全然嬉しくないよ」

 本当なら皇室のパーティー以降で注目されるのはリマイラなのに…

 小説の内容とは違う状況に不満を感じながらも皇帝からの謝礼金と電子レンジの売上でノアから得た金銭の残高を脳内で計算する。

 ロドムーシ家の改装資金と足りなかった騎士達の給金に使ったら残りは得た金銭の半分ぐらい。後は、新しく得た人員を含め騎士達の今後の給金やその他の経費に当てるとしても持続はしないからまた商品を考えないと…

コンコン…

「っ‥!?」

扉を叩く音に慌てて起き上がり座り直す。

「どうぞ」

「失礼します…」

ガチャ…パタッ…

 呼び掛けに答え中に入って来た長い黒髪を赤いリボンで下の方で一括りにしサーモンピンクの瞳を持ち白のシャツにベージュのズボンと焦げ茶色のパンプスを履いた同じ歳ぐらいの女性を凝視する。

「侯爵様の秘書を希望します、マリンと申します」






















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