転生もの主人公ではなく悪女側室だったのでオタクは世界一の黒幕と結婚します

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三章・推しとの境界線

7・初めてのお茶会で悪女として振る舞いました

 ノアのファンクラブ…小説では、ノアを慕うエリンゼルと共に同じ思いを持つ令嬢達で作られたファンクラブだったがエリンゼルの度の超えたストーカー行為によりエリンゼルを仲間はずれにし孤立させ他の貴族同様に後ろ指を指した令嬢達の集まり。そして、その中でエリンゼルを一番嫌い蔑んでいた人物がホラレア・ジュシュ子爵令嬢だった。

 ホラレア・ジュシュ子爵令嬢…ミリアの記憶にもある人物でパーティーやお茶会でも顔を合わせる度に当時クズ王太子の側室だった私に対し悪女側室という理由で突っかかって来た典型的な悪役だ

…カタッ‥

「態々、訪問した私達をこんなに待たせるだなんて伯爵令嬢としてどうかと思いますわ」

 白いドーム型の温室ではなく外の桃色の薔薇の庭園にて、早急にセットした白の長方形のガーデンテーブルに桃色の小花柄のテーブルクロスを敷きその上にケーキやマカロン等が並べられたケーキスタンドを二つとレモンティーの入った白のティーカップを置き白い椅子にエリンゼルとアイリスと共にファンクラブの令嬢達と向かい合わせで座っていた。

「私はのお茶会にご招待した筈なのに何を勘違いをしたのか今日訪ねていらしたので準備をする時間がなく…申し訳ありませんわ」

「っ…」

 要約すると、あんた達馬鹿なの?って事なんだろうけど…

 眉を僅かに上げつつも堂々とした姿で目の前のエリンゼルを睨みつけるキャロットオレンジの瞳を持ちアンバー色の長い髪を金色とルビーの丸型のバレッタで編み込みハーフアップにし胸元にもフリルがあるカーマインの半袖ドレスに耳に金色とルビーの丸型のピアスを着けたホラレアの姿に警戒心が強まる。

「それにしても、この場にそぐわない人物が約二名いらっしゃるのは些か心外ですわね」

それって、私とアイリスの事?

「そぐわない?それはあなた達の方ではなくて?」

「何を‥」

「私はあなた達ではなくこのお二人を我が家で開かれるお茶会にご招待したのですわ。ですので、そぐわないのは明日来る筈だったあなた達の方ですわ」

エリー、負けてない

 強気に正論で言い返すエリンゼルに対しホラレアは心底不快そうに眉を寄せた。

「リリタリオン公爵様のファンクラブでもない地味で目立たない令嬢と悪女側室と名高い令嬢の方と仲良くしてらっしゃるだなんて…公爵様に迷惑行為ばかりしてらっしゃる何処かの令嬢にはお似合いですわね」

「っ…」

「そう思いませんか?」

「仰る通りですわ」

「私達は仲良く出来そうにありませんもの」

「ええ、似た者同士お似合いですわね」

「パーティーやお茶会の度に暴力を振るう様な方と仲良くだなんて私には出来ませんわ」

 ホラレアの言葉に同調する様に取り巻きの令嬢四人が嘲笑い頷く姿に呆れた視線を注ぐ。

 エリーの弱い所を突いて嘲笑うホラレアにミリアの記憶にすらないその取り巻き四人の令嬢。正直、ホラレアとその取り巻き四人も今後関わりたいとも思わないから記憶にすら残したくはないけど推し友のエリーを傷つけるなら手加減はしない

 唇を噛み締め俯くエリンゼルの顔を横目で見るなり目の前に座るホラレアと取り巻き四人の令嬢を見据え口を開く。

「エリンゼル嬢の大親友として申し上げますが、ジュシュ子爵令嬢は人の物を奪う趣味がおありなのでしょうか?」

「それは、どう言う意味ですか?」

「先日行われた皇室のパーティーの際ににジュシュ子爵令嬢がに言い寄っていたと聞いたのですが…」

「それは…っ」

「その表情から察するに事実の様ですね」

 図星を突かれ動揺するホラレアの姿に笑みを浮かべる。

 正確には、情報源はノアじゃなくてエル経由のリシュンから聞いた話だけどね

 背後で待機するリシュンの視線を感じながら再度口を開く。

「それに加えて、ジュシュ子爵令嬢は令嬢でありながら令嬢であるエリンゼル嬢の事を見下す様な発言をなさるという事は貴族としての礼儀がないと取っても宜しいのでしょうか?」

「っ…」

「ああ、エリンゼル嬢だけでなく悪女側室としていた頃の私にも見下す様な発言をしていましたね。あの頃は、王太子殿下の側室で現在はの私に対し無礼な発言ばかりをし見下していたのを含めると誰が見ても…いえ、令嬢と呼ぶにも相応しくありませんわね」

「黙って聞いていれば好き勝手に言って…」

「侯爵と言っても没落貴族に等しいじゃない」

「それに、マスト伯爵令嬢の方がリリタリオン公爵様に執拗に言い寄っているわ。人の物を奪う趣味があるのはマスト伯爵令嬢の方よ」

「貴族としての礼儀がないのはあなた達でしょ?」

取り巻き令嬢が横から煩いな

 顔を歪ませるホラレアの横で反論する取り巻き令嬢四人にイラッとしつつも平然を繕い堂々と言い返す。

「エリンゼル嬢はジュシュ子爵令嬢と違いますわ。確かに、昔はエリンゼル嬢もジュシュ子爵令嬢と同様に相手の気持ちを考えず自身の気持ちを押し付ける様な迷惑行為をしていたのは事実です。ですが、現在のエリンゼル嬢は違います。同じ好きでも相手の気持ちを考えマナーを守って相手を慕う。そんなエリンゼル嬢だからこそ私は友人になりたいと思ったのです」

「っ…」

 隣に座るエリンゼルの顔を見ると涙を溜め込んだ茶色の瞳と目が合い笑みを零し再度ホラレアへと顔を向ける。

「バレアーナ子爵令嬢も含め私は相手の気持ちを大事にする心が優しい人としか仲良くしたくありませんわ」

「没落貴族同然の侯爵が何を言って‥」

ダンッ!

「”っ…!?”」

 ホラレアの言葉を遮る様に突然、立ち上がったエリンゼルの行動にその場に居た全員が驚き視線を向けた。

「私があなた達を明日お茶会にご招待した理由は大事なお話があったからですわ。その大事なお話はリリタリオン公爵様のファンクラブを辞めるというお話です」

「え…」

「あなた達の様にリリタリオン公爵様に対し自分の気持ちを押し付け迷惑行為をする様な方達とにはされたくありませんから」

「っ…」

「それと、私の大事な大親友を悪く言うのは止めて頂きたいですわ!」

「それって…」

今、大親友って言った?

 エリンゼルの発言に驚き思わず隣に立つエリンゼルを凝視する。

「ここはマスト伯爵家。お話も終わりましたしご招待されていない無礼な方々は今すぐにお帰り下さいませ。いいわよね?、アイリス」

「う、うん!」

「は、はい!」

今、ミリアって…

 畳み掛ける様にスラスラと言葉を述べ言い放つエリンゼルに戸惑いながらもアイリスと共に頷くと、エリンゼルは目の前のホラレア達をキツく睨みつけた。

「ご理解頂けないのなら伯爵家の騎士達によって追い出させて頂きますわ。それでも宜しくて?」

「っ…」

ガタッ‥‥タッタッタッタッ…

 エリンゼルの問いかけにホラレアを含め取り巻き令嬢四人も顔を歪ませると大人しく席を立ちその場から立ち去って行った。

「ふぅ…清々したわ」

「エリー…今、ミリアって‥」

「私の事もアイリスと‥」

「何よ?文句ある?」

「ないっ!全然ない!凄く嬉しい!」

「私も嬉しいです!」

「まったく、名前くらいでそんなに喜ばないでよ」

 そう言いながらも嬉しさと恥ずかしさが滲み出ているエリンゼルの姿にアイリスと顔を合わせるなり笑みを零したのだった。













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