姫様、騎士様との恋愛は禁止ですっ!

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レッスン1 ターゲットを捕獲せよ

姉と取引しましょう

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 終始、心配するメアリと話を終えると私は一人自室で頭を悩ませていた。

「回帰したのは四年前…二十四歳の時に死んだからそこから四年前というと十八歳か…‥」

 いくら回帰し若返ったからと言っても魔力に蝕まれる体なのは変わりない。だからと言ってまた一人寂しく魔力に苦しんで死ぬだなんて絶対嫌だし…‥

「‥あ!あの人がいた!」

 ふと、亡くなる前に会いに来た長女のリラとの会話の内容を思い出した。それは、世界で初の平民上がりのソードマスターが誕生しそのソードマスターが使うオーラは今まで聞いた事もなかった相手の魔力を奪うものだった。

「確か、名前は…‥リューク」

 ソードマスターとなった彼は皇帝から領土と爵位を貰い、リューク・アルデン伯爵となるのだった。

「今は確か、リラお姉様がいるスペース帝国にいる筈だけど…‥」

 思い悩んだ末に意を決して部屋から出るとリラが使っていた部屋に向かう事にした。

 ❋

ガチャ…

誰も居ないよね…?

 リラの部屋に入るなり誰も居ないこと確認すると部屋の中心にある大きな水晶型の通信機器に手をかざす。

「お姉様‥!リラお姉様…!」

ブゥンブゥンブゥン…‥

『…あら?ルイ?急にどうしたの?』

 リラの優しい声が聞こえ単刀直入に話を切り出す。

「リラお姉様、お願いがあります!」

『あら?もしかして、ドレスが足りなかったかしら?もっと送れば良かったわね』

 リラの部屋を埋め尽くすルイゼル宛のドレスを横目に慌てて否定する。

「違いますわ!そうじゃなくて‥」

『じゃあ、デザインが気に入らなかったのかしら?好きなデザインを言ってみて?直ぐにデザイナーに連絡して‥』

「だから、違いますわ!ドレスは要りません!私が欲しいのは騎士様ですわ!」

『騎士様…?リリアトマ王国の騎士じゃ駄目なの?』

「リューク様!リュークという騎士様がリラお姉様の所にいませんか?」

『リューク…?殿下に聞いてみないと分からないわね…』

 殿下とは隣国である剣が有名でありこの世界の頂点に立つスペース帝国の王太子の事である。リラは十年前、リリアトマ王国が攻め込まれないように言わば人質同然ともいえる政略結婚をスペース帝国の王太子としその後二年後に一人の姫が生まれ王太子妃としてずっとスペース帝国にいた。

「お願いしますわ!殿下に聞いてみて下さい!」

『それは構わないけど…ルイがそんなに必死にお願いするなんて何かあったの?』

ギクッ…

 何か理由つけて言わないとリュークをリリアトマ王国に来させる計画が台無しになっちゃう!

「えっと…お姉様の所の騎士様は世界で一番の実力でしょ?」

『ええ、スペース帝国は剣で有名な国だもの。騎士は世界で一番よ』

「だから、その世界で一番の騎士様に護衛騎士になって欲しくて‥」

『あら?ルイに護衛なんて必要だったかしら?』

 そうだった…ひきこもりで有名な私に護衛騎士だなんて皆無に等しい…

「そ、外に出ますわ!ほら、リラお姉様だって知ってるでしょ?変装してたまに城から抜け出して街で遊び回ってるって‥」

『だけど、ルイは魔法で不自由なく遊んでるって言ってなかったかしら?』

うっ‥それはそうだけど…‥

「…どうしても駄目ですか?」

『駄目ではないわ。ただルイの護衛騎士になるならルイはその騎士に対してちゃんと仕事を与えなくては駄目よ?一人で何でもやろうとしないで騎士に頼って外に出る事。いいわね?』

「はい…分かっています」

『お父様とお母様には私から伝えておくわね』

「ありがとうございます」

『でも、一つ気になるのは何故リュークという騎士なの?』

「あ…えっと、噂で聞いて‥」

『噂‥?』

「黒髪で海みたいな青色の瞳を持つ美男子だって‥」

『ルイって美男子が好きだったの?』

「好き…そう!大好きよ!」

ここは嘘でも言わないと疑われちゃう!

『そうなのね!あ、でも‥そのリュークという騎士を一人だけ派遣するのは流石に出来ないわ。せめてもう一人はいないと‥』

「構いませんわ!」

リュークさえ来れば問題ないから!

『それなら、何とかなりそうだわ。その代わり、ルイは何をしてくれるのかしら?』

 そうだった…リラお姉様は見返りを求める人だった…

「次、リラお姉様が帰る際にはリラお姉様の好きな様にして下さい!どんなドレスでも髪型でもしますわ!」

『ふふっ、楽しみにしておくわ』

 その時の気分を例えるならまるで悪魔に魂を売った様な気分だった。




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